【2章】告白
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警官達が慌ただしく動き出し、漏れ聞こえる声からたまに「雄英高校」というワードが出てきた。
その忙しなさから「ああ、USJ事件が起こってしまったんだ」と瞬時に理解した。
どうなったか分からない私はただやきもきしていた。
新聞か何かを読めればいいのだけれど。
その日は、なかなか眠れなかった。
********
「相澤先生・・・」
翌日。
いつにも増して目の隈がひどい相澤先生が面会に来た。
隈はひどいが、怪我は一切していない様子でホッとした。
「今日は授業ないんですか?」
「臨時休校だ」
なぜかは聞かなかった。
「名前の言った通りだった」
相澤先生は椅子に腰かけると開口一番そう告げた。
「未然に防げたんですね?」
「ああ」
「良かった」
「だが・・・」
相澤先生は眉を寄せた。
「主犯格を取り逃がした」
「死柄木・・・」
「やはり知っているのか」
「一方的にですが・・・それに知っているというほどのものではないです」
「どうして・・・」
真っ直ぐ捉えられた双眸。
私は視線を逸らすことができなかった。
「どうして教えたんだ」
ここから出す約束なんてしていないにも関わらず。
そう問われて、私は素直に自分の気持ちを話した。
「心配だったんです」
「誰が?」
「相澤先生が。相澤先生は大怪我を負うはずだったので・・・」
私はポリポリと頬を掻いた。
「ここから出られなくても、相澤先生が怪我しないでいてくれたらそれでいいかなって」
へらっと笑えば、相澤先生は少し目を見開いた。
*******************
壊れているんじゃないかと思うぐらい、嘘発見器は反応しない。
それは彼女の気持ちが真実だと教えてくれた。
「・・・俺は、信じるよ」
「え?」
「俺は名前のことを信じる」
彼女は敵ではなく、雄英の未来を案じて助言してくれた。
その可能性を信じることにした。
「・・・嬉しいです」
恥ずかしそうにはにかむ名前の笑顔は、俺の胸に少し熱を籠らせた。
「・・・ここから出たいか?」
無意識に口から言葉が滑り出た。
「出たいですけど・・・でも出たところで行くところもないので」
いきなりホームレスになるのはちょっと怖いです、と目線を下げた。
「雄英に来るか」
****************
久しぶりに浴びた太陽の光は眩しかった。
「うーん」
伸びをして凝り固まった身体をほぐす。
「行くか」
「はい」
相澤先生の取り計らいで、あっという間に釈放。
戸籍がないことは問題だが、かといって犯罪者でもないため身元引受人さえいれば出してくれると前々から言われていた。
しかしこの世界に私の身元引受人になってくれる人などいるはずもなく。
ところがどっこい。
相澤先生が身元引受人に書類にサインしてくれたのだ。
警官達はやっとお荷物がいなくなると安堵の溜息を吐いていた。
「何かありましたらすぐにご連絡ください」
「はい」
「お世話になりました」
扱いは良かったとは言えないが、それでも野垂れ死ぬことは防げたのだ。
お礼を言って警察署を後にした。
「あの・・・相澤先生、本当にありがとうございます」
私は車の中で相澤先生に頭を下げた。
「もう何回も聞いた」
「でも!!相澤先生は被害者なのに、加害者の身元引受人になってくれるなんて・・・」
「あいにく俺は忙しい。そんな昔の話忘れた」
どんだけ優しいんですか。
そりゃ元々好きだったけど、ますます好きに拍車がかかった。
「・・・本当に未来が分かるんだな?」
「未来が分かるっていうのは大袈裟ですけど・・・少しだけなら」
おそらく相澤先生はナイトアイみたいな個性をイメージしているのだろう。
しかしそんな便利個性ではない。
「校長には話を通してある。学校に住み込みで働いてもらうということでいいか?」
「はい!もちろんです。何でもします!」
学校に住み込みで働かせてもらう。
そして私は適宜雄英に関する未来を助言する。
まさか雄英に住めることになるとは・・・。
「仮眠室を一つ潰してそこを寝床にしてもらう。風呂は簡易シャワー室だが備え付けられている」
「雨風凌げるだけでありがたいです」
雄英に着くまでの間、私は相澤先生に今後の働き方を教えてもらった。
その忙しなさから「ああ、USJ事件が起こってしまったんだ」と瞬時に理解した。
どうなったか分からない私はただやきもきしていた。
新聞か何かを読めればいいのだけれど。
その日は、なかなか眠れなかった。
********
「相澤先生・・・」
翌日。
いつにも増して目の隈がひどい相澤先生が面会に来た。
隈はひどいが、怪我は一切していない様子でホッとした。
「今日は授業ないんですか?」
「臨時休校だ」
なぜかは聞かなかった。
「名前の言った通りだった」
相澤先生は椅子に腰かけると開口一番そう告げた。
「未然に防げたんですね?」
「ああ」
「良かった」
「だが・・・」
相澤先生は眉を寄せた。
「主犯格を取り逃がした」
「死柄木・・・」
「やはり知っているのか」
「一方的にですが・・・それに知っているというほどのものではないです」
「どうして・・・」
真っ直ぐ捉えられた双眸。
私は視線を逸らすことができなかった。
「どうして教えたんだ」
ここから出す約束なんてしていないにも関わらず。
そう問われて、私は素直に自分の気持ちを話した。
「心配だったんです」
「誰が?」
「相澤先生が。相澤先生は大怪我を負うはずだったので・・・」
私はポリポリと頬を掻いた。
「ここから出られなくても、相澤先生が怪我しないでいてくれたらそれでいいかなって」
へらっと笑えば、相澤先生は少し目を見開いた。
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壊れているんじゃないかと思うぐらい、嘘発見器は反応しない。
それは彼女の気持ちが真実だと教えてくれた。
「・・・俺は、信じるよ」
「え?」
「俺は名前のことを信じる」
彼女は敵ではなく、雄英の未来を案じて助言してくれた。
その可能性を信じることにした。
「・・・嬉しいです」
恥ずかしそうにはにかむ名前の笑顔は、俺の胸に少し熱を籠らせた。
「・・・ここから出たいか?」
無意識に口から言葉が滑り出た。
「出たいですけど・・・でも出たところで行くところもないので」
いきなりホームレスになるのはちょっと怖いです、と目線を下げた。
「雄英に来るか」
****************
久しぶりに浴びた太陽の光は眩しかった。
「うーん」
伸びをして凝り固まった身体をほぐす。
「行くか」
「はい」
相澤先生の取り計らいで、あっという間に釈放。
戸籍がないことは問題だが、かといって犯罪者でもないため身元引受人さえいれば出してくれると前々から言われていた。
しかしこの世界に私の身元引受人になってくれる人などいるはずもなく。
ところがどっこい。
相澤先生が身元引受人に書類にサインしてくれたのだ。
警官達はやっとお荷物がいなくなると安堵の溜息を吐いていた。
「何かありましたらすぐにご連絡ください」
「はい」
「お世話になりました」
扱いは良かったとは言えないが、それでも野垂れ死ぬことは防げたのだ。
お礼を言って警察署を後にした。
「あの・・・相澤先生、本当にありがとうございます」
私は車の中で相澤先生に頭を下げた。
「もう何回も聞いた」
「でも!!相澤先生は被害者なのに、加害者の身元引受人になってくれるなんて・・・」
「あいにく俺は忙しい。そんな昔の話忘れた」
どんだけ優しいんですか。
そりゃ元々好きだったけど、ますます好きに拍車がかかった。
「・・・本当に未来が分かるんだな?」
「未来が分かるっていうのは大袈裟ですけど・・・少しだけなら」
おそらく相澤先生はナイトアイみたいな個性をイメージしているのだろう。
しかしそんな便利個性ではない。
「校長には話を通してある。学校に住み込みで働いてもらうということでいいか?」
「はい!もちろんです。何でもします!」
学校に住み込みで働かせてもらう。
そして私は適宜雄英に関する未来を助言する。
まさか雄英に住めることになるとは・・・。
「仮眠室を一つ潰してそこを寝床にしてもらう。風呂は簡易シャワー室だが備え付けられている」
「雨風凌げるだけでありがたいです」
雄英に着くまでの間、私は相澤先生に今後の働き方を教えてもらった。
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