禁断の果実/轟vs相澤
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昼休み。
俺は最近足繁く通っている保健室へ向かった。
ドアに手を掛け開こうとした時、中から笑い声が聞こえてきた。
「あはは。それは困った猫ちゃんですね」
「笑いごとじゃないですよ」
「でも懐かれてるんじゃないですか?」
またか。
俺は小さく溜息を吐いて、ドアを開けた。
「すみません」
「あ、轟くん」
椅子に座った保健医の名字先生。
その傍には俺の担任の相澤先生が立っていた。
「さっき戦闘訓練だったんでしょ?怪我した?」
「大した傷じゃないんですけど」
「ダメダメ。大した傷がどうかは私が判断するんだから」
ほら見せて、と言われて先ほど爆豪にやられた傷を出した。
ちらりと相澤先生を見やると「そんな程度の傷で来たのか」とお小言の籠った視線を向けられたので気付かないフリをした。
「はい、終わり」
すっかり痛みの引いた腕を制服の袖で隠した。
「名字先生、ちょっと来て!」
外から別の生徒が呼ぶ声がして先生は立ち上がった。
「はーい。ちょっと行ってきます」
相澤先生と俺に一言告げて出て行った。
微妙な空気が俺らの間を漂う。
名字先生が出て行った扉の方を見つめた。
すぐ戻ってくるなら待っていたいけど・・・。
相澤先生もここに居るつもりなのだろうか。
お互い動く様子がない。
「お前・・・よく保健室来るな」
多分来訪者リストを見たのだろう。
「・・・怪我してるので」
「それだけか?」
「相澤先生こそ、怪我もしてないのにここで俺と鉢合わせる頻度多くないですか?」
「教師だからな。業務上話すことが色々ある」
「猫の話が?」
俺は気付いている。
相澤先生は名字先生に好意を持っているのだと。
・・・だって。
「(俺も同じだから)」
****************
呼び出された用件を処理した後、私は保健室に戻った。
彼は保健室の常連で、怪我をする度に心配になる。
「あれ?相澤先生は?」
「職員会議があるから出て行きました」
「そっか。もうそろそろ昼休み終わっちゃうね」
時計を見るともうすぐ予鈴が鳴る時刻だ。
「・・・名前さん」
背後から大きな温もりが私を包み込んだ。
「ちょっ!!!ダメだって!」
私は小声で轟くんを制した。
「学校はダメ!」
「でも学校以外でなかなか会えない」
轟くんの言う通りである。
健全とは言えない関係である私達の逢瀬といえば、もっぱらこの保健室だ。
いや、お付き合い自体は清い交際なのだが・・・いかんせん教師と生徒ってね・・・。
「ほんと、バレたら私のクビ飛ぶから」
「そのときは俺が養う」
「まだ学生でしょ」
轟くんはピクリと反応するとより一層手に力を込めた。
「卒業するまで長ぇ・・・」
「じゃあ別れる?」
「絶対嫌」
「私も嫌」
今度はこの一言で機嫌を直してくれた。
初めて会った時は表情が読めない子だと思ったけど、案外素直で分かり易い。
「・・・不安なのは私も一緒だよ」
「え?」
「いつ女子高生に持っていかれるかわかんないなーって。轟くんモテるし」
「俺は名前さんのことしか見てない」
私もだよ、そんな意味を込めて振り向きざまにキスをした。
「今日はここまで」
そっと轟くんを離して教室へ向かうように促した。
「また来る」
「うん、待ってる」
ひらひらと手を振り、轟くんの背中を見送った。
カレンダーの前に立ち、少し早いが今日の日付に斜線を引いた。
こうして私も彼の卒業を心待ちにしているのである。
俺は最近足繁く通っている保健室へ向かった。
ドアに手を掛け開こうとした時、中から笑い声が聞こえてきた。
「あはは。それは困った猫ちゃんですね」
「笑いごとじゃないですよ」
「でも懐かれてるんじゃないですか?」
またか。
俺は小さく溜息を吐いて、ドアを開けた。
「すみません」
「あ、轟くん」
椅子に座った保健医の名字先生。
その傍には俺の担任の相澤先生が立っていた。
「さっき戦闘訓練だったんでしょ?怪我した?」
「大した傷じゃないんですけど」
「ダメダメ。大した傷がどうかは私が判断するんだから」
ほら見せて、と言われて先ほど爆豪にやられた傷を出した。
ちらりと相澤先生を見やると「そんな程度の傷で来たのか」とお小言の籠った視線を向けられたので気付かないフリをした。
「はい、終わり」
すっかり痛みの引いた腕を制服の袖で隠した。
「名字先生、ちょっと来て!」
外から別の生徒が呼ぶ声がして先生は立ち上がった。
「はーい。ちょっと行ってきます」
相澤先生と俺に一言告げて出て行った。
微妙な空気が俺らの間を漂う。
名字先生が出て行った扉の方を見つめた。
すぐ戻ってくるなら待っていたいけど・・・。
相澤先生もここに居るつもりなのだろうか。
お互い動く様子がない。
「お前・・・よく保健室来るな」
多分来訪者リストを見たのだろう。
「・・・怪我してるので」
「それだけか?」
「相澤先生こそ、怪我もしてないのにここで俺と鉢合わせる頻度多くないですか?」
「教師だからな。業務上話すことが色々ある」
「猫の話が?」
俺は気付いている。
相澤先生は名字先生に好意を持っているのだと。
・・・だって。
「(俺も同じだから)」
****************
呼び出された用件を処理した後、私は保健室に戻った。
彼は保健室の常連で、怪我をする度に心配になる。
「あれ?相澤先生は?」
「職員会議があるから出て行きました」
「そっか。もうそろそろ昼休み終わっちゃうね」
時計を見るともうすぐ予鈴が鳴る時刻だ。
「・・・名前さん」
背後から大きな温もりが私を包み込んだ。
「ちょっ!!!ダメだって!」
私は小声で轟くんを制した。
「学校はダメ!」
「でも学校以外でなかなか会えない」
轟くんの言う通りである。
健全とは言えない関係である私達の逢瀬といえば、もっぱらこの保健室だ。
いや、お付き合い自体は清い交際なのだが・・・いかんせん教師と生徒ってね・・・。
「ほんと、バレたら私のクビ飛ぶから」
「そのときは俺が養う」
「まだ学生でしょ」
轟くんはピクリと反応するとより一層手に力を込めた。
「卒業するまで長ぇ・・・」
「じゃあ別れる?」
「絶対嫌」
「私も嫌」
今度はこの一言で機嫌を直してくれた。
初めて会った時は表情が読めない子だと思ったけど、案外素直で分かり易い。
「・・・不安なのは私も一緒だよ」
「え?」
「いつ女子高生に持っていかれるかわかんないなーって。轟くんモテるし」
「俺は名前さんのことしか見てない」
私もだよ、そんな意味を込めて振り向きざまにキスをした。
「今日はここまで」
そっと轟くんを離して教室へ向かうように促した。
「また来る」
「うん、待ってる」
ひらひらと手を振り、轟くんの背中を見送った。
カレンダーの前に立ち、少し早いが今日の日付に斜線を引いた。
こうして私も彼の卒業を心待ちにしているのである。
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