【3章】フォーリンラブin室町
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私も利吉さんもお風呂が終わり、あとは寝るだけとなった。
「では、おやすみなさい」
昨日と同じように利吉さんに声をかけて客間へ移動しようとしたとき「待ってください」と引き留められた。
「あの……。気の所為だったらすみません。何か元気がないように思えて」
……気づかれるほど態度に出てしまっていたのだろうか。
きっと、ここで何でもないと言っても利吉さんは気にし続けてくれるだろう。
素直に胸中を話すことにした。
「山田家が温かいから。家族っていいなぁ…って羨ましくなってしまって」
本当はちょっと違う。
家族に会いたくなってしまった。
時々訪れるホームシック。
帰りたい。
でも帰るが怖い。
二つの気持ちが私の中でせめぎ合っていた。
今のところ、不確かなタイムスリップが怖いからここに留まりたいと思っている。
でも帰らない選択をするということは、もう二度と家族に会えないというわけで。
考えだしたら憂鬱な気分になった。
確かにこの休暇は息抜きになっているが、同時に考える時間ができたことで、今まで目を背けてきた問題に直面している。
誰かに相談したいけど、相談するためには全部話さないといけない。
山田家はとても居心地がよかった。
ずっとここに居たいとさえ思った。
でも、ここに居たら寂しくなるから早く土井先生のお家に行きたいとも思った。
「なりますか?私と家族に」
「え…?」
予想外の返答に私は固まってしまった。
冗談かな…?と思ったけど、私のこの気持ちにチャチャを入れる人ではないと分かっていた。
「私は本気です。経済的にも自立してますし、結婚してもおかしくない歳です」
「ちょ、ちょっと待ってください」
室町の結婚ってこんな感じなの?
色々すっ飛ばしていきなり結婚?
ゼロ日婚が主流なの?
まあお見合いがあるぐらいだからそういうものなのか…?
「結婚って…こう。お互いが想い合っている男女がするものだと思ってるんですけど…」
「ええ」
利吉さんは私の目を見て微笑んだ。
そして、そっと私の手を取った。
「私は貴方をお慕い申し上げております」
驚いた。
驚いたけど、意外では無かった。
だって、利吉さんは私に特別優しかったから。
私だって利吉さんの行動一つ一つに胸が高鳴り、男性として気になる存在だ。
しかし身勝手なことに、気になるのは利吉さんだけではないのだ。
しかも、今の私にはこの手を取るには問題が多すぎた。
「あのっ…。私……」
「分かってます。貴方はまず自分のことを考えてください。ただ、どうしようもなくなったときにこの選択肢があることを覚えておいてほしいのです」
利吉さんは自嘲して肩を竦めた。
「なんて、今はまだ振られるのが怖いんです」
だから今はこのままで、そう言われて私はホッとしてしまった。
利吉さんのことを完全に断る勇気も持てていなかったから。
利吉さんは「それから…」と続けた。
「名前さんの身辺調査も忘れていませんよ。ご家族に会えるように頑張りますから」
利吉さんの発言に胸が苦しくなった。
「では、おやすみなさい」
昨日と同じように利吉さんに声をかけて客間へ移動しようとしたとき「待ってください」と引き留められた。
「あの……。気の所為だったらすみません。何か元気がないように思えて」
……気づかれるほど態度に出てしまっていたのだろうか。
きっと、ここで何でもないと言っても利吉さんは気にし続けてくれるだろう。
素直に胸中を話すことにした。
「山田家が温かいから。家族っていいなぁ…って羨ましくなってしまって」
本当はちょっと違う。
家族に会いたくなってしまった。
時々訪れるホームシック。
帰りたい。
でも帰るが怖い。
二つの気持ちが私の中でせめぎ合っていた。
今のところ、不確かなタイムスリップが怖いからここに留まりたいと思っている。
でも帰らない選択をするということは、もう二度と家族に会えないというわけで。
考えだしたら憂鬱な気分になった。
確かにこの休暇は息抜きになっているが、同時に考える時間ができたことで、今まで目を背けてきた問題に直面している。
誰かに相談したいけど、相談するためには全部話さないといけない。
山田家はとても居心地がよかった。
ずっとここに居たいとさえ思った。
でも、ここに居たら寂しくなるから早く土井先生のお家に行きたいとも思った。
「なりますか?私と家族に」
「え…?」
予想外の返答に私は固まってしまった。
冗談かな…?と思ったけど、私のこの気持ちにチャチャを入れる人ではないと分かっていた。
「私は本気です。経済的にも自立してますし、結婚してもおかしくない歳です」
「ちょ、ちょっと待ってください」
室町の結婚ってこんな感じなの?
色々すっ飛ばしていきなり結婚?
ゼロ日婚が主流なの?
まあお見合いがあるぐらいだからそういうものなのか…?
「結婚って…こう。お互いが想い合っている男女がするものだと思ってるんですけど…」
「ええ」
利吉さんは私の目を見て微笑んだ。
そして、そっと私の手を取った。
「私は貴方をお慕い申し上げております」
驚いた。
驚いたけど、意外では無かった。
だって、利吉さんは私に特別優しかったから。
私だって利吉さんの行動一つ一つに胸が高鳴り、男性として気になる存在だ。
しかし身勝手なことに、気になるのは利吉さんだけではないのだ。
しかも、今の私にはこの手を取るには問題が多すぎた。
「あのっ…。私……」
「分かってます。貴方はまず自分のことを考えてください。ただ、どうしようもなくなったときにこの選択肢があることを覚えておいてほしいのです」
利吉さんは自嘲して肩を竦めた。
「なんて、今はまだ振られるのが怖いんです」
だから今はこのままで、そう言われて私はホッとしてしまった。
利吉さんのことを完全に断る勇気も持てていなかったから。
利吉さんは「それから…」と続けた。
「名前さんの身辺調査も忘れていませんよ。ご家族に会えるように頑張りますから」
利吉さんの発言に胸が苦しくなった。
