【3章】フォーリンラブin室町
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そうは言っても、利吉さんの指導はとても優しく丁寧だった。
利吉ママが言う通り、教師も向いていそうだと思った。
「だいぶ上手くなってきましたね」
小一時間練習して、少し手首が疲れてきた。
「じゃあ、テストをしましょう」
「テスト!?」
「ええ。間違ったら罰があります」
「ええっ」
悪そうに口角を上げた利吉さんは、もう一本筆を出した。
「間違えたら、墨を塗りますよ」
「羽子板じゃないんですから!」
私の抗議は受理されず、筆に墨を含ませ始めた利吉さん。
「ちょっ。まだ間違ってないです」
「どうせ間違いますよ」
「生徒のこと全然信じてない!」
「ははは」
全問正解してやる!と私は筆を握りなおした。
「では、一問目。❝みたらし団子❞って書いてください」
「ええっ!習ってないです」
「さっき教えたのを組み合わせればできます」
「いきなり応用すぎる・・・」
ええーっと・・・こうかな?
私はさっき習ったことと、以前利吉さんと食べたお団子屋さんのお品書きを思い出した。
思い描いた形を筆で滑らせた。
「不正解です」
「でしょうね・・・」
さっきまでの優しい利吉さんはどこへ行ったのか。
いきなりのスパルタ指導に私は肩を落とした。
「でも、惜しいです。ここはこうで・・・」
上から正解を教えてくれるのを、私は聞き漏らさないようにした。
「では、間違えたので・・・」
利吉さんが墨のついた筆を私に向けた。
「ちょっと待ってください!私が正解したら利吉さんに書いていいですか?」
「もちろん」
それなら・・・。
近づいてくる筆を黙って受け入れた。
頬に丸が書かれる感触。
筆先がくすぐったかった。
「ふふ、こしょばいです」
「・・・じゃあ次いきましょうか。二問目・・・」
利吉さんはうーんと考えた後、パッと閃いた顔をした。
「二問目は❝忍術学園❞で」
「ちょっと待ったーーー!!」
私は納得がいかなくて待ったをかけた。
「利吉さん、私に正解させる気ありますか!?」
「ありますあります」
絶対ないって!
私は頬を膨らませた。
「こんなに一方的なゲーム楽しくないです」
元々文字のお勉強のはずだったのに趣旨がずれているのは置いておいて。
やっぱり勝負するからにはゲームバランスは大事だと思う。
唇を尖らせていると、利吉さんはクスクス笑った。
「意外と負けず嫌いなんですね」
「当たり前です!やられてばかりは納得できません」
「じゃあ・・・二問目は❝花❞はどうでしょう」
「それなら分かるかも・・・」
私は筆を半紙に滑らせた。
「正解です」
「やった!」
私はそのまま自分が持っていた筆で利吉さんの頬に丸を書いた。
「これでお揃いですね」
プニ、と頬を指先で突かれた。
頬から離れた利吉さんの指先に少し墨がついていた。
利吉ママが言う通り、教師も向いていそうだと思った。
「だいぶ上手くなってきましたね」
小一時間練習して、少し手首が疲れてきた。
「じゃあ、テストをしましょう」
「テスト!?」
「ええ。間違ったら罰があります」
「ええっ」
悪そうに口角を上げた利吉さんは、もう一本筆を出した。
「間違えたら、墨を塗りますよ」
「羽子板じゃないんですから!」
私の抗議は受理されず、筆に墨を含ませ始めた利吉さん。
「ちょっ。まだ間違ってないです」
「どうせ間違いますよ」
「生徒のこと全然信じてない!」
「ははは」
全問正解してやる!と私は筆を握りなおした。
「では、一問目。❝みたらし団子❞って書いてください」
「ええっ!習ってないです」
「さっき教えたのを組み合わせればできます」
「いきなり応用すぎる・・・」
ええーっと・・・こうかな?
私はさっき習ったことと、以前利吉さんと食べたお団子屋さんのお品書きを思い出した。
思い描いた形を筆で滑らせた。
「不正解です」
「でしょうね・・・」
さっきまでの優しい利吉さんはどこへ行ったのか。
いきなりのスパルタ指導に私は肩を落とした。
「でも、惜しいです。ここはこうで・・・」
上から正解を教えてくれるのを、私は聞き漏らさないようにした。
「では、間違えたので・・・」
利吉さんが墨のついた筆を私に向けた。
「ちょっと待ってください!私が正解したら利吉さんに書いていいですか?」
「もちろん」
それなら・・・。
近づいてくる筆を黙って受け入れた。
頬に丸が書かれる感触。
筆先がくすぐったかった。
「ふふ、こしょばいです」
「・・・じゃあ次いきましょうか。二問目・・・」
利吉さんはうーんと考えた後、パッと閃いた顔をした。
「二問目は❝忍術学園❞で」
「ちょっと待ったーーー!!」
私は納得がいかなくて待ったをかけた。
「利吉さん、私に正解させる気ありますか!?」
「ありますあります」
絶対ないって!
私は頬を膨らませた。
「こんなに一方的なゲーム楽しくないです」
元々文字のお勉強のはずだったのに趣旨がずれているのは置いておいて。
やっぱり勝負するからにはゲームバランスは大事だと思う。
唇を尖らせていると、利吉さんはクスクス笑った。
「意外と負けず嫌いなんですね」
「当たり前です!やられてばかりは納得できません」
「じゃあ・・・二問目は❝花❞はどうでしょう」
「それなら分かるかも・・・」
私は筆を半紙に滑らせた。
「正解です」
「やった!」
私はそのまま自分が持っていた筆で利吉さんの頬に丸を書いた。
「これでお揃いですね」
プニ、と頬を指先で突かれた。
頬から離れた利吉さんの指先に少し墨がついていた。
