【3章】フォーリンラブin室町
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伊作くんのことしか見ていないと思っていた、と言われて驚いてしまった。
確かに、目に見えて落ち込んでいる伊作くんのことばかり心配してしまったように思う。
仙蔵くんはだって表に出さないだけで、本当はこの実習に思うところがあっただろうに。
クールで飄々と何でもこなすからって、感情の波が無いわけじゃない。
むしろ仙蔵くんの方が嫌なものは嫌とハッキリしているタイプだ。
私は仙蔵くんにきちんと気を配れなかったことを後悔した。
抱き締められながらも、私はおにぎりが気になってもぞもぞ動き腕を外に出して包みを避難させた。
「伊作とは…何を話していたんですか?」
「えっと……」
伊作くんは童貞を奪われる心配をしていた……というのをめっちゃオブラートに包んで、同じ心配をしていたらダメだから仙蔵くんにもそこは大丈夫だと伝えた。
「当たり前だろ…。あいつは何を心配してるんだ……」
仙蔵くんは初めからその心配はしていなかったようで、ホッとした。
「私も安心しちゃった。二人の貞操は守られるって」
「そんなものなのですか……?」
「え?」
仙蔵くんは意外だと言いたそうな表情をしていた。
「女性は経験のある男の方がいいと思ってました。だから一層のこと、この実習で学べるものは学んでやろうと気持ちを切り替えていたのですが…」
まあ、実際には全然切り替えられていないんですけど…と視線を外された。
「うーん……。そういうのって、好きっていう感情の先にある行為だから、経験あってもなくてもどっちでもいいって私は思ってるんだけど…」
まあ、こういうのは人によってだいぶ考え方違うからね。
「名前さんの考えが聞けてよかったです」
仙蔵くんは私の身体をそっと離した。
「ぎゃ、逆に…仙蔵くんは相手は初めての子じゃないと嫌…とかあるの?」
「そりゃあ……まあ、初めての方が嬉しいですね」
「そっか…」
そうだよね、室町の貞操観で考えると結婚するまで純潔守ってる人の方が多いと思う。
避妊具無いし、結婚も十代が普通だし。
私は自分で聞いておいて、少しだけ傷ついた。
「だって嫌じゃないですか。前の男と比べられたら」
「比べないよ!あ……」
私は思わぬ形で自分が経験者だと暴露してしまい、肩を落とした。
「でも……」
仙蔵くんはクスリと笑った。
「好きな人ならどっちでもいいです」
心の奥底では本当は気づき始めている。
仙蔵くんと伊作くんは……もしかしたら、私のこと…。
******************
名前さんは年上だし、もしかしたら経験があるかもしれないと思ったが、実際初めてではないとわかると、言いしれぬ感情が自分の中で沸き立った。
一体どういう男なのか。
顔も知らない相手に宝禄火矢を投げつけたくなったが、私と出会う前のことなのだからどうしようもない。
そして、母親だけでなく、昔の男の記憶もあるとなるといよいよ…。
実は失言していることに気づいていない呑気な彼女に口元が緩む。
名前さんが何者であっても私は受け入れる。
むしろ、彼女の正体がわかった時、離れる男が居たらその方が私にとっては都合がいい。
そして、このまま自分が初めての女しか眼中にない狭量な男だと誤解されても困る。
初めてじゃないからといって、名前さんのことを好きだという感情が失われること決してない。
私の発言に落ち込んでいる名前さんを見て、それは私が貴方の眼中に入っているから傷つくのですか?と聞いてしまいたくなった。
今回の実習は気乗りしないが…。
やはり前の男と無意識の内に比べられるのは悔しいので、学べることは学んでやろうと思った。
確かに、目に見えて落ち込んでいる伊作くんのことばかり心配してしまったように思う。
仙蔵くんはだって表に出さないだけで、本当はこの実習に思うところがあっただろうに。
クールで飄々と何でもこなすからって、感情の波が無いわけじゃない。
むしろ仙蔵くんの方が嫌なものは嫌とハッキリしているタイプだ。
私は仙蔵くんにきちんと気を配れなかったことを後悔した。
抱き締められながらも、私はおにぎりが気になってもぞもぞ動き腕を外に出して包みを避難させた。
「伊作とは…何を話していたんですか?」
「えっと……」
伊作くんは童貞を奪われる心配をしていた……というのをめっちゃオブラートに包んで、同じ心配をしていたらダメだから仙蔵くんにもそこは大丈夫だと伝えた。
「当たり前だろ…。あいつは何を心配してるんだ……」
仙蔵くんは初めからその心配はしていなかったようで、ホッとした。
「私も安心しちゃった。二人の貞操は守られるって」
「そんなものなのですか……?」
「え?」
仙蔵くんは意外だと言いたそうな表情をしていた。
「女性は経験のある男の方がいいと思ってました。だから一層のこと、この実習で学べるものは学んでやろうと気持ちを切り替えていたのですが…」
まあ、実際には全然切り替えられていないんですけど…と視線を外された。
「うーん……。そういうのって、好きっていう感情の先にある行為だから、経験あってもなくてもどっちでもいいって私は思ってるんだけど…」
まあ、こういうのは人によってだいぶ考え方違うからね。
「名前さんの考えが聞けてよかったです」
仙蔵くんは私の身体をそっと離した。
「ぎゃ、逆に…仙蔵くんは相手は初めての子じゃないと嫌…とかあるの?」
「そりゃあ……まあ、初めての方が嬉しいですね」
「そっか…」
そうだよね、室町の貞操観で考えると結婚するまで純潔守ってる人の方が多いと思う。
避妊具無いし、結婚も十代が普通だし。
私は自分で聞いておいて、少しだけ傷ついた。
「だって嫌じゃないですか。前の男と比べられたら」
「比べないよ!あ……」
私は思わぬ形で自分が経験者だと暴露してしまい、肩を落とした。
「でも……」
仙蔵くんはクスリと笑った。
「好きな人ならどっちでもいいです」
心の奥底では本当は気づき始めている。
仙蔵くんと伊作くんは……もしかしたら、私のこと…。
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名前さんは年上だし、もしかしたら経験があるかもしれないと思ったが、実際初めてではないとわかると、言いしれぬ感情が自分の中で沸き立った。
一体どういう男なのか。
顔も知らない相手に宝禄火矢を投げつけたくなったが、私と出会う前のことなのだからどうしようもない。
そして、母親だけでなく、昔の男の記憶もあるとなるといよいよ…。
実は失言していることに気づいていない呑気な彼女に口元が緩む。
名前さんが何者であっても私は受け入れる。
むしろ、彼女の正体がわかった時、離れる男が居たらその方が私にとっては都合がいい。
そして、このまま自分が初めての女しか眼中にない狭量な男だと誤解されても困る。
初めてじゃないからといって、名前さんのことを好きだという感情が失われること決してない。
私の発言に落ち込んでいる名前さんを見て、それは私が貴方の眼中に入っているから傷つくのですか?と聞いてしまいたくなった。
今回の実習は気乗りしないが…。
やはり前の男と無意識の内に比べられるのは悔しいので、学べることは学んでやろうと思った。
