【3章】フォーリンラブin室町
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六年生の皆と解散した後、私は一人になった伊作くんを捕まえた。
「待って」
「名前さん?」
深緑の忍装束の端っこをギュッと握った。
「大丈夫…?」
私の問いかけに伊作くんは眉を下げて微笑んだ。
「僕の悩みなんて大した事ないです」
「そんな…。悩みに大小なんてないよ。私で良かったら話してみて?」
彼は視線を左右に彷徨わせながら、小さく口を開いた。
「いや……やっぱり初めて肌に触れる相手は好きな人が良かったなぁ…なんて」
ポリポリ頬を掻きながら恥ずかしそうにそう言った。
「女々しいですよね、僕」
「そんなことないよ!」
私は大きな声で否定した。
自分でも思ったより大きな声が出てしまい驚いたが、伊作くんはもっと驚いていた。
「その気持ち、大事にしていいんだよ。私、やっぱり先生に抗議してくる!」
とんでもない実習を組んでいる学園に対して沸々と怒りに似た感情が湧いてきた。
一事務員が何言ってんだ、と思われても。
ここは引いちゃいけないと思った。
「ま、待ってください!」
踵を返した私の腕を伊作くんががっちり掴んだ。
「この実習の必要性は僕自身理解してます。だから…名前さんは何もしないでください」
「わかった…」
伊作くんに何もするなと言われたら私は何もできない。
「私にできること…何かない?」
「……実習の日は夕方に学園を出ます。その前に…少し会えませんか?」
「うん、わかった」
何が何でも予定空けるわ。
その日は曲者が来ても通しちゃう。
道中食べられるようにおにぎり握っておくね、と伝えたら伊作くんは嬉しそうに微笑んだ。
……とはいっても。
なんとかしてあの実習無くせないかな…?
伊作くんと別れた後、自室に籠もってうんうんと唸っていた。
でもいい案が思いつかない。
うーん…と腕組みしながら考えているとコンコンと木枠をノックする音が聞こえた。
「はい」
戸を引くと、土井先生がお茶を二つ淹れたお盆を持って立っていた。
「良かったら、お茶一緒に飲まない?」
「ありがとうございます」
中へ招いて、土井先生からお盆を受け取り机に置いた。
まだ湯気が立っていて熱そうだ。
「大丈夫?」
「え?」
フーフーしながらお茶を冷ましていると、向かいに座った土井先生が心配そうに私に尋ねてきた。
「何か悩んでいるみたいだから」
指摘されて「あっ…」と声が漏れた。
その声に対して「やっぱり」と土井先生が反応した。
「ち、違うんです。私のことで悩んでるわけじゃなくて……」
伊作くんには止められたけど、抗議じゃなくて相談という形で土井先生に話した。
「待って」
「名前さん?」
深緑の忍装束の端っこをギュッと握った。
「大丈夫…?」
私の問いかけに伊作くんは眉を下げて微笑んだ。
「僕の悩みなんて大した事ないです」
「そんな…。悩みに大小なんてないよ。私で良かったら話してみて?」
彼は視線を左右に彷徨わせながら、小さく口を開いた。
「いや……やっぱり初めて肌に触れる相手は好きな人が良かったなぁ…なんて」
ポリポリ頬を掻きながら恥ずかしそうにそう言った。
「女々しいですよね、僕」
「そんなことないよ!」
私は大きな声で否定した。
自分でも思ったより大きな声が出てしまい驚いたが、伊作くんはもっと驚いていた。
「その気持ち、大事にしていいんだよ。私、やっぱり先生に抗議してくる!」
とんでもない実習を組んでいる学園に対して沸々と怒りに似た感情が湧いてきた。
一事務員が何言ってんだ、と思われても。
ここは引いちゃいけないと思った。
「ま、待ってください!」
踵を返した私の腕を伊作くんががっちり掴んだ。
「この実習の必要性は僕自身理解してます。だから…名前さんは何もしないでください」
「わかった…」
伊作くんに何もするなと言われたら私は何もできない。
「私にできること…何かない?」
「……実習の日は夕方に学園を出ます。その前に…少し会えませんか?」
「うん、わかった」
何が何でも予定空けるわ。
その日は曲者が来ても通しちゃう。
道中食べられるようにおにぎり握っておくね、と伝えたら伊作くんは嬉しそうに微笑んだ。
……とはいっても。
なんとかしてあの実習無くせないかな…?
伊作くんと別れた後、自室に籠もってうんうんと唸っていた。
でもいい案が思いつかない。
うーん…と腕組みしながら考えているとコンコンと木枠をノックする音が聞こえた。
「はい」
戸を引くと、土井先生がお茶を二つ淹れたお盆を持って立っていた。
「良かったら、お茶一緒に飲まない?」
「ありがとうございます」
中へ招いて、土井先生からお盆を受け取り机に置いた。
まだ湯気が立っていて熱そうだ。
「大丈夫?」
「え?」
フーフーしながらお茶を冷ましていると、向かいに座った土井先生が心配そうに私に尋ねてきた。
「何か悩んでいるみたいだから」
指摘されて「あっ…」と声が漏れた。
その声に対して「やっぱり」と土井先生が反応した。
「ち、違うんです。私のことで悩んでるわけじゃなくて……」
伊作くんには止められたけど、抗議じゃなくて相談という形で土井先生に話した。
