【3章】フォーリンラブin室町
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「えっと……何を話せばいいの?」
「うーん…女について!」
ざ、ざっくりすぎる。
「相手を騙そうとしている女の特徴とか?」
「そんなのわかるわけないよ…」
うーん…現代に置き換えて考えると、要は結婚詐欺師が使う手法ってこと?ハニートラップ。
純粋な愛じゃなくて、裏があるってことだよね。
忍の場合は、相手の目的がお金じゃなくて情報を得るため。
私はさして良くもない頭を捻った。
「私の考えだけど……最初から疑わなくてもいいと思うんだよね…」
「と、言いますと?」
「だって、しんどくない?お近づきになる人、なる人、この人は間者かもって疑ってたら人間不信になっちゃう」
疑ってばかりの人生って楽しいのだろうか。
時代が違えども、みんな幸せになる権利はあると思う。
「私は皆に幸せになってほしい。好きな人と一緒になる機会があったら逃してほしくない」
娯楽が少ないこの時代は、人間同士の結びつきは現代よりも人生の豊かさに直結しているように思えた。
現代は一人でも生きていけるシステムになっている。
おひとりさまなんて言葉があるぐらい、本人が望めば一人でも充分楽しい人生が送れる。
でもこっちは違う。
この時代で、己のみで人生を豊かにする方法が私には見つからない。
こっちに来てから、私の心を満たしてくれるのは人との結びつきだった。
「情報を漏らさないって強い心さえあれば、最初からずっと相手を疑わなくてもいいんじゃないかなぁ……って思うのは甘すぎるかな?」
そもそも忍びのイロハを知らない私が適切なアドバイスなどできるはずもない。
言いたいことだけ伝えると、伊作くんが「幸せかぁ…」とポツリと呟いた。
「一流の忍びになることばっかり考えてて、幸せについてなんて考えたことなかったな」
同室の食満くんが伊作くんの呟きを拾った。
「名前さんは恋仲が欲しいのか?」
七松くんが私に尋ねた。
「ええっ?」
「だってもういい歳だろ?」
「小平太!」
スパーンと潮江くんの平手が七松くんの後頭部に入った。
い、いい歳……。
グサリときたが、そうか…いい歳なのか、私は。
「欲しい……といえば欲しいかも」
最近生活も落ち着いてきて、潮江くんと和解してから心に余裕もできた。
タイムスリップしているという事実を横に置いておけば(いや、置いて置けるほど小さな問題ではないか)、一緒に寄り添える人は欲しい。
「そ、そうなんですか?」
伊作くんが目を丸くして尋ねた。
「えっ。皆は欲しくないの?」
「好きな人と結ばれたい…とは思いますね」
え、仙蔵くんの回答、百点満点すぎる。
「仙蔵、お前好きな人いるのか!?」
ギョッと目を見開いたのは同室の潮江くんだった。
「知らなかったぞ!」
「言ってないからな」
「ど、どんな人か聞いてもいい?」
仙蔵くんの好きな人……気になる。
ちょっと胸につかえるものも感じるが、好奇心から尋ねた。
「内緒です」
少し恥ずかしそうに、でも相変わらず綺麗な笑みを浮かべた仙蔵くんにドキリとした。
「仙蔵……」
伊作くんがなんとも言い難い表情を浮かべていた。
「ところでこの中で女の身体見たことある奴いるのか?」
身内は無しな!と七松くんが笑って続けた。
え!?このまま猥談に突入するの!?
動揺半分、興味本位半分で、私は空気になるつもりで座り直した。
七松くんの問い全員沈黙する。
「えっ!?誰もないの!?」
私は驚いて、空気になるどころか突っ込んでしまった。
「逆に何であると思ってるんですか」
「いや…なんかみんなモテそうだし」
「十歳からこの環境に身を置いてるんですよ」
「そっか……」
よく考えたら、現代にある動画とかそういうのこっちにはないんだ。
いわゆる春画がそういう本になるんだろうけど、絵は絵だし…。
そっか…。
恋仲が居ないと、異性の裸体を目にすることってないんだ…。
なんか不思議。
現代だと指先一つでそういうサイトにアクセスできちゃう時代だし、18禁といいつつ結局無法地帯な部分もある。
彼らぐらいの年齢でも画面越しに女性の裸を見たことある男の子の方が多いのではないだろうか。
つまり、全く免疫がない状態での実習…。
「(それはキツイわ…)」
なんとかしてあげたいけど…。
そりゃ、みんな何とも言い難い表情にもなるわ。
「(実習から帰ってくる日おにぎりでも作って待ってようかな)」
こんなことぐらいしかできない自分が歯がゆい。
「あとずっと思ってたんだが、何で伊作と仙蔵だけ名前で呼ばれてるんだ?なんかずるい!」
「え?特に理由は無いけど…」
「私も名前で呼んでほしい!」
実はずっと私も皆のこと名前で呼びたいと思っていた。
七松くんのおかげできっかけができて、全員名前呼びできるようになった。
私が喜んでいる一方……。
さっきから考え込んでしまっている伊作くんが気になって仕方なかった。
「うーん…女について!」
ざ、ざっくりすぎる。
「相手を騙そうとしている女の特徴とか?」
「そんなのわかるわけないよ…」
うーん…現代に置き換えて考えると、要は結婚詐欺師が使う手法ってこと?ハニートラップ。
純粋な愛じゃなくて、裏があるってことだよね。
忍の場合は、相手の目的がお金じゃなくて情報を得るため。
私はさして良くもない頭を捻った。
「私の考えだけど……最初から疑わなくてもいいと思うんだよね…」
「と、言いますと?」
「だって、しんどくない?お近づきになる人、なる人、この人は間者かもって疑ってたら人間不信になっちゃう」
疑ってばかりの人生って楽しいのだろうか。
時代が違えども、みんな幸せになる権利はあると思う。
「私は皆に幸せになってほしい。好きな人と一緒になる機会があったら逃してほしくない」
娯楽が少ないこの時代は、人間同士の結びつきは現代よりも人生の豊かさに直結しているように思えた。
現代は一人でも生きていけるシステムになっている。
おひとりさまなんて言葉があるぐらい、本人が望めば一人でも充分楽しい人生が送れる。
でもこっちは違う。
この時代で、己のみで人生を豊かにする方法が私には見つからない。
こっちに来てから、私の心を満たしてくれるのは人との結びつきだった。
「情報を漏らさないって強い心さえあれば、最初からずっと相手を疑わなくてもいいんじゃないかなぁ……って思うのは甘すぎるかな?」
そもそも忍びのイロハを知らない私が適切なアドバイスなどできるはずもない。
言いたいことだけ伝えると、伊作くんが「幸せかぁ…」とポツリと呟いた。
「一流の忍びになることばっかり考えてて、幸せについてなんて考えたことなかったな」
同室の食満くんが伊作くんの呟きを拾った。
「名前さんは恋仲が欲しいのか?」
七松くんが私に尋ねた。
「ええっ?」
「だってもういい歳だろ?」
「小平太!」
スパーンと潮江くんの平手が七松くんの後頭部に入った。
い、いい歳……。
グサリときたが、そうか…いい歳なのか、私は。
「欲しい……といえば欲しいかも」
最近生活も落ち着いてきて、潮江くんと和解してから心に余裕もできた。
タイムスリップしているという事実を横に置いておけば(いや、置いて置けるほど小さな問題ではないか)、一緒に寄り添える人は欲しい。
「そ、そうなんですか?」
伊作くんが目を丸くして尋ねた。
「えっ。皆は欲しくないの?」
「好きな人と結ばれたい…とは思いますね」
え、仙蔵くんの回答、百点満点すぎる。
「仙蔵、お前好きな人いるのか!?」
ギョッと目を見開いたのは同室の潮江くんだった。
「知らなかったぞ!」
「言ってないからな」
「ど、どんな人か聞いてもいい?」
仙蔵くんの好きな人……気になる。
ちょっと胸につかえるものも感じるが、好奇心から尋ねた。
「内緒です」
少し恥ずかしそうに、でも相変わらず綺麗な笑みを浮かべた仙蔵くんにドキリとした。
「仙蔵……」
伊作くんがなんとも言い難い表情を浮かべていた。
「ところでこの中で女の身体見たことある奴いるのか?」
身内は無しな!と七松くんが笑って続けた。
え!?このまま猥談に突入するの!?
動揺半分、興味本位半分で、私は空気になるつもりで座り直した。
七松くんの問い全員沈黙する。
「えっ!?誰もないの!?」
私は驚いて、空気になるどころか突っ込んでしまった。
「逆に何であると思ってるんですか」
「いや…なんかみんなモテそうだし」
「十歳からこの環境に身を置いてるんですよ」
「そっか……」
よく考えたら、現代にある動画とかそういうのこっちにはないんだ。
いわゆる春画がそういう本になるんだろうけど、絵は絵だし…。
そっか…。
恋仲が居ないと、異性の裸体を目にすることってないんだ…。
なんか不思議。
現代だと指先一つでそういうサイトにアクセスできちゃう時代だし、18禁といいつつ結局無法地帯な部分もある。
彼らぐらいの年齢でも画面越しに女性の裸を見たことある男の子の方が多いのではないだろうか。
つまり、全く免疫がない状態での実習…。
「(それはキツイわ…)」
なんとかしてあげたいけど…。
そりゃ、みんな何とも言い難い表情にもなるわ。
「(実習から帰ってくる日おにぎりでも作って待ってようかな)」
こんなことぐらいしかできない自分が歯がゆい。
「あとずっと思ってたんだが、何で伊作と仙蔵だけ名前で呼ばれてるんだ?なんかずるい!」
「え?特に理由は無いけど…」
「私も名前で呼んでほしい!」
実はずっと私も皆のこと名前で呼びたいと思っていた。
七松くんのおかげできっかけができて、全員名前呼びできるようになった。
私が喜んでいる一方……。
さっきから考え込んでしまっている伊作くんが気になって仕方なかった。
