【3章】フォーリンラブin室町
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肌小袖が贈り物なんて変かもしれないけれど。
やはり本人が欲しい物をあげるに限る。
さっきまでの不安そうな表情は一変して、にこにこと笑顔の名前さんを見て本当に欲しいものをあげられてよかったと思った。
「本当にありがとうございます」
さっきからもう三度もお礼の言葉を聞いた。
もうお礼は言わなくていいよ。
なぜならお礼を言われるたびに、手ぬぐい屋で見てしまった彼女のふっくらした双丘が脳裏に再生されるのだ。
ブワッと蘇っては慌てて搔き消して。
「土井先生?」
また思い出してしまった。
何か他の話題を…と思っていたら、先程の手ぬぐい屋の前をまた通りかかった。
「あ、そうだ」
その件とは別のことを思い出した。
私は再び手ぬぐい屋に入って、さっきは買わずに戻した手ぬぐいを店主に渡した。
「これください」
「土井先生?」
「こっちはおまけ」
手ぬぐいだって何枚あっても困るものじゃないだろう。
「そんな!二つも贈り物貰えないですよ」
「もうお会計しちゃったから」
そう言えば、名前さんは引き下がった。
「あ……これ」
名前さんは別の手ぬぐいを手に取った。
「さっきのやつの色違いですね」
青い桜が川のように流れているそれは、先程私が店主に渡したものと色違いだった。
「土井先生は…桜好きですか?」
「うん。好きだよ」
「それはねぇ、元々これと合わせて売ってたんだよ」
会計を終えた店主が包みを私に渡して、名前さんに話しかけた。
「あの…これください」
名前さんは青い桜の手ぬぐいを店主に渡した。
「青い方は私が土井先生に贈りたいです。私とお揃いでもいいですか?」
お揃いの手ぬぐいを持つなんて、まるで恋仲みたいだと思った。
「でも、名前さんは他に入り用の物も多いし、私に使うぐらいなら取っておいた方が…」
「もうお会計しちゃいました」
名前さんは意外と頑固なところがある。
しかしよく考えたら私も名前さんに対して同じ事をしている。
青い方の会計を終えると、私にその手ぬぐいを渡してくれた。
「土井先生とお揃い、嬉しいです」
桃色の方の包を大事そうに抱えた彼女がそう言った。
「私も…嬉しいよ」
この手ぬぐい、なかなか使えそうにないな。
きっと使う度に今日のことを思い出すだろう。
誰かに贈り物をすることも、されることも近頃は無かったので、なんだかこそばゆい。
は組に振り回されている私の日常に、名前さんは新しい色をつけてくれた。
きり丸とは違う、また別の情愛が私の中で確かに灯っていた。
やはり本人が欲しい物をあげるに限る。
さっきまでの不安そうな表情は一変して、にこにこと笑顔の名前さんを見て本当に欲しいものをあげられてよかったと思った。
「本当にありがとうございます」
さっきからもう三度もお礼の言葉を聞いた。
もうお礼は言わなくていいよ。
なぜならお礼を言われるたびに、手ぬぐい屋で見てしまった彼女のふっくらした双丘が脳裏に再生されるのだ。
ブワッと蘇っては慌てて搔き消して。
「土井先生?」
また思い出してしまった。
何か他の話題を…と思っていたら、先程の手ぬぐい屋の前をまた通りかかった。
「あ、そうだ」
その件とは別のことを思い出した。
私は再び手ぬぐい屋に入って、さっきは買わずに戻した手ぬぐいを店主に渡した。
「これください」
「土井先生?」
「こっちはおまけ」
手ぬぐいだって何枚あっても困るものじゃないだろう。
「そんな!二つも贈り物貰えないですよ」
「もうお会計しちゃったから」
そう言えば、名前さんは引き下がった。
「あ……これ」
名前さんは別の手ぬぐいを手に取った。
「さっきのやつの色違いですね」
青い桜が川のように流れているそれは、先程私が店主に渡したものと色違いだった。
「土井先生は…桜好きですか?」
「うん。好きだよ」
「それはねぇ、元々これと合わせて売ってたんだよ」
会計を終えた店主が包みを私に渡して、名前さんに話しかけた。
「あの…これください」
名前さんは青い桜の手ぬぐいを店主に渡した。
「青い方は私が土井先生に贈りたいです。私とお揃いでもいいですか?」
お揃いの手ぬぐいを持つなんて、まるで恋仲みたいだと思った。
「でも、名前さんは他に入り用の物も多いし、私に使うぐらいなら取っておいた方が…」
「もうお会計しちゃいました」
名前さんは意外と頑固なところがある。
しかしよく考えたら私も名前さんに対して同じ事をしている。
青い方の会計を終えると、私にその手ぬぐいを渡してくれた。
「土井先生とお揃い、嬉しいです」
桃色の方の包を大事そうに抱えた彼女がそう言った。
「私も…嬉しいよ」
この手ぬぐい、なかなか使えそうにないな。
きっと使う度に今日のことを思い出すだろう。
誰かに贈り物をすることも、されることも近頃は無かったので、なんだかこそばゆい。
は組に振り回されている私の日常に、名前さんは新しい色をつけてくれた。
きり丸とは違う、また別の情愛が私の中で確かに灯っていた。
