【3章】フォーリンラブin室町
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小さな声で「学園に戻りたいです…」とお願いする名前さん。
小袖の合わせをキュッと握る手は不安に包まれていた。
なぜ名前さんが私達を避けていたのか、思わぬ形で分かってしまった。
遠慮しがちな名前さんが、衣の数が足りないからもっと貸してほしいなんて言えるわけない。
このまま学園に帰ったところで問題が解決するわけでもなければ、今日私との外出は嫌な思い出として彼女の中で残ってしまうだろう。
それは私が嫌だった。
私は名前さんの手を引いて路地裏を進んだ。
路地から顔を出し、通りに人がいないことを確認した。
「名前さん、こっち」
不思議そうについてくる彼女を長屋の前に連れて行った。
「ここが私の家なんだ」
「あ、そうなんですか」
自分の家を軽く紹介すると、そこには入らず隣の戸を叩いた。
「隣のおばちゃん!いる?」
中から人の気配がするので居ると分かっていた。
ガラガラと戸が開くと、隣のおばちゃんは鬼の形相をしていた。
「半助!あんたまたドブ掃除サボって・・・おや?」
「す、すみません。忙しくて・・・」
いつもの怒声に、いつものように頭を下げた。
しかし今日は名前さんがいる。
予想通り、おばちゃんの怒りは瞬時に鳴りを潜めた。
「この子は、さっき大家さんが言ってた子かい?」
そしてこちらも想定通り、すでに名前さんの存在を大家さんが話していた。
「実は・・・彼女に肌小袖を貸してもらえないかと思って来たんです」
「肌小袖?半助、あんた・・・まさか!!!」
「ちょっ、誤解です!!」
おばちゃんは何か良くない誤解をしたらしい。
再び眉毛が吊り上がった。
「可哀想に!!いくら盛り上がったからって肌小袖を破くなんて・・・!!こんなに不安そうな顔してるじゃないかい!」
「だからっ!誤解ですってば!」
「こっちおいで。貸してあげるから」
おばちゃんは名前さんだけを家に押し込んで、私の前でピシャリと戸を閉めた。
*******************
隣のおばちゃん(?)と呼ばれた方は私の背中に手を当てて家に入れてくれた。
「あったあった。これがまだ比較的新しいやつだね」
おばちゃんは肌小袖を出して私に手渡してくれた。
「あの・・・ありがとうございます。初対面なのに・・・」
「いいんだよ。困った時はお互い様さ」
こっちの時代の人は人間としての温かさがあった。
初対面の私にも優しくしてくれる。
肌小袖をお借りして、衣を整えた。
「ところで・・・貴方は半助の恋仲かい?」
「えっ、違います」
首を横に振ったら、おばちゃんはきょとりと目を丸くした。
「恋仲じゃないのに、肌小袖を・・・?半助の奴・・・!あとでしっかり叱っておくよ!あんたも、嫌なことされたら引っ叩いていいんだからね!」
「あっいえ。そういうのじゃなくて・・・」
土井先生の名誉のためにも、きちんと訂正しておかねば。
ヒートアップしていたおばちゃんも、私の説明を聞いて納得してくれた。
「十分な肌小袖が買えないほど苦労してるんだね・・・」
かいつまんで説明したけど、多分おばちゃんは私が戦災を受けたと思っている。
違うけど、もうここはそういうことにしておこう。
「今は、半助さんの職場に居候させてもらっていて」
「そうかいそうかい」
現代で職場に居候となると「どういうこと?」ってなるが、この時代は多少の無茶な説明でも納得してしまうぐらいの時代背景があった。
おばちゃんは、うんうんと頷いていた。
「また困ったことがあったら私に言いな。隣で半助が待ってるから行っておやり」
背中を押してくれるおばちゃんに、深く「ありがとうございました」とお礼をし、土井先生の家に移動した。
小袖の合わせをキュッと握る手は不安に包まれていた。
なぜ名前さんが私達を避けていたのか、思わぬ形で分かってしまった。
遠慮しがちな名前さんが、衣の数が足りないからもっと貸してほしいなんて言えるわけない。
このまま学園に帰ったところで問題が解決するわけでもなければ、今日私との外出は嫌な思い出として彼女の中で残ってしまうだろう。
それは私が嫌だった。
私は名前さんの手を引いて路地裏を進んだ。
路地から顔を出し、通りに人がいないことを確認した。
「名前さん、こっち」
不思議そうについてくる彼女を長屋の前に連れて行った。
「ここが私の家なんだ」
「あ、そうなんですか」
自分の家を軽く紹介すると、そこには入らず隣の戸を叩いた。
「隣のおばちゃん!いる?」
中から人の気配がするので居ると分かっていた。
ガラガラと戸が開くと、隣のおばちゃんは鬼の形相をしていた。
「半助!あんたまたドブ掃除サボって・・・おや?」
「す、すみません。忙しくて・・・」
いつもの怒声に、いつものように頭を下げた。
しかし今日は名前さんがいる。
予想通り、おばちゃんの怒りは瞬時に鳴りを潜めた。
「この子は、さっき大家さんが言ってた子かい?」
そしてこちらも想定通り、すでに名前さんの存在を大家さんが話していた。
「実は・・・彼女に肌小袖を貸してもらえないかと思って来たんです」
「肌小袖?半助、あんた・・・まさか!!!」
「ちょっ、誤解です!!」
おばちゃんは何か良くない誤解をしたらしい。
再び眉毛が吊り上がった。
「可哀想に!!いくら盛り上がったからって肌小袖を破くなんて・・・!!こんなに不安そうな顔してるじゃないかい!」
「だからっ!誤解ですってば!」
「こっちおいで。貸してあげるから」
おばちゃんは名前さんだけを家に押し込んで、私の前でピシャリと戸を閉めた。
*******************
隣のおばちゃん(?)と呼ばれた方は私の背中に手を当てて家に入れてくれた。
「あったあった。これがまだ比較的新しいやつだね」
おばちゃんは肌小袖を出して私に手渡してくれた。
「あの・・・ありがとうございます。初対面なのに・・・」
「いいんだよ。困った時はお互い様さ」
こっちの時代の人は人間としての温かさがあった。
初対面の私にも優しくしてくれる。
肌小袖をお借りして、衣を整えた。
「ところで・・・貴方は半助の恋仲かい?」
「えっ、違います」
首を横に振ったら、おばちゃんはきょとりと目を丸くした。
「恋仲じゃないのに、肌小袖を・・・?半助の奴・・・!あとでしっかり叱っておくよ!あんたも、嫌なことされたら引っ叩いていいんだからね!」
「あっいえ。そういうのじゃなくて・・・」
土井先生の名誉のためにも、きちんと訂正しておかねば。
ヒートアップしていたおばちゃんも、私の説明を聞いて納得してくれた。
「十分な肌小袖が買えないほど苦労してるんだね・・・」
かいつまんで説明したけど、多分おばちゃんは私が戦災を受けたと思っている。
違うけど、もうここはそういうことにしておこう。
「今は、半助さんの職場に居候させてもらっていて」
「そうかいそうかい」
現代で職場に居候となると「どういうこと?」ってなるが、この時代は多少の無茶な説明でも納得してしまうぐらいの時代背景があった。
おばちゃんは、うんうんと頷いていた。
「また困ったことがあったら私に言いな。隣で半助が待ってるから行っておやり」
背中を押してくれるおばちゃんに、深く「ありがとうございました」とお礼をし、土井先生の家に移動した。
