【3章】フォーリンラブin室町
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町にはずっと行きたかった。
欲しいものは沢山あるが、持っている銭はそう多くはないので慎重に使わないと。
でも一方で町に来られる回数は少ないから、決断力も必要だ。
買いたい物とその優先順位、持っている銭とのバランスを考えないと。
でも問題は、どれがどれぐらいの値段がするかイマイチ市場価格を掴めないでいた。
だから今日は物の値段を把握することを目標に土井先生についてきた。
本音を言うと本当は今日は一日学園で大人しくしていたかったけど、忙しい先生が合間を縫ってくれてるのだから贅沢は言えない。
それにしても就職祝いを買ってくれるなんて、優しい……。
そういえば土井先生にはまだお礼を何もしてなかったことを思い出した。
土井先生って何が好きなんだろ?
現代と違って、娯楽自体が少ないのでそもそも贈り物のレパートリーがそんなに無い。
大人の男性にあげるもの…ってなったらお酒とか消え物になりそうだ。
でもお酒って高そう…。
買えるかな…。
就職祝いを買ってくれると言っても、物の相場がよくわからないので、希望を言ってそれが物凄く高いものだったら申し訳ない。
一軒目で覗いたお店の手ぬぐいが可愛かった。
桜の花びらが天の川のように流れていて、櫛の柄とお揃いになる。
値段も多分手頃……なはず。
しかし土井先生は他にも見ようと言ってくれた。
女の買い物に付き合える男性って素敵。
土井先生って穏やかだし、育児のエキスパートだし、くのたまちゃん達が言う優良物件って土井先生も充分入るのでは?と思った。
いや……土井先生が優良物件でも、出自が室町ですらない私が不良物件か。つら。
そんなことを考えていると、土井先生に突然腕を掴まれて、路地裏まで引っ張られた。
人気のない細い道。
急にどうしたんだろう?と首を傾げたら、赤い顔をした土井先生が戸惑った様子で言いにくそうに私に尋ねた。
「……肌小袖着てないのかい?」
その一言で全てを察した。
私は慌てて小袖の合わせをギュッと締めた。
「(み、見えちゃったんだ…!)」
肌小袖は現代でいうところのインナー。
室町はブラが無いから肌小袖で透けないようにカバーしているわけだが、借りている物が二枚なので、雨の日が続いたり、トラブルで汚れたりでタイミングが合わないと小袖一枚で過ごさざるを得ないことがあった。
今まではブラと併用して上手いことやり過ごしていたのだが、そのブラはもう使えなくなってしまった。
「私……洗濯の仕方が下手くそで…。絞りが甘いと乾くのに時間かかっちゃって…。天気の読みも下手だからせっかく干しても濡れちゃったり……」
忍術学園は山の中にあるから天気が変わりやすい。
しかも天気予報なんて便利なものもない。
皆は空の様子を見て予測を立てられても、私は飛行機雲が出たら明日は雨かな?ぐらいしか分からない。
あとは皆が取り込み始めるのを目撃したら、合わせて私も取り込んだり。
だから実は洗濯にかなり苦戦してる。
ブラが無くなってから、小袖一枚で過ごす日が増えて、観察眼の鋭い皆には気づかれるんじゃないかってヒヤヒヤしていた。
小袖自体借り物でサイズが微妙に合ってないし、着慣れてない私は気を抜いたら合わせがすぐ緩んでしまう。
「(やっぱり学園で大人しくしてればよかった…)」
中を見られた恥ずかしさと、上手く着回せていない自分の不器用さでじんわり目に涙が浮かんだ。
「あ…の。やっぱり、今日はもう学園に戻りたいです」
申し訳ないけど、もう通りに出てお店を見て回る気持ちになれなかった。
家賃も払ったし…。
早く帰りたい。
俯いていると、土井先生は私の手を引いて路地裏を進んだ。
欲しいものは沢山あるが、持っている銭はそう多くはないので慎重に使わないと。
でも一方で町に来られる回数は少ないから、決断力も必要だ。
買いたい物とその優先順位、持っている銭とのバランスを考えないと。
でも問題は、どれがどれぐらいの値段がするかイマイチ市場価格を掴めないでいた。
だから今日は物の値段を把握することを目標に土井先生についてきた。
本音を言うと本当は今日は一日学園で大人しくしていたかったけど、忙しい先生が合間を縫ってくれてるのだから贅沢は言えない。
それにしても就職祝いを買ってくれるなんて、優しい……。
そういえば土井先生にはまだお礼を何もしてなかったことを思い出した。
土井先生って何が好きなんだろ?
現代と違って、娯楽自体が少ないのでそもそも贈り物のレパートリーがそんなに無い。
大人の男性にあげるもの…ってなったらお酒とか消え物になりそうだ。
でもお酒って高そう…。
買えるかな…。
就職祝いを買ってくれると言っても、物の相場がよくわからないので、希望を言ってそれが物凄く高いものだったら申し訳ない。
一軒目で覗いたお店の手ぬぐいが可愛かった。
桜の花びらが天の川のように流れていて、櫛の柄とお揃いになる。
値段も多分手頃……なはず。
しかし土井先生は他にも見ようと言ってくれた。
女の買い物に付き合える男性って素敵。
土井先生って穏やかだし、育児のエキスパートだし、くのたまちゃん達が言う優良物件って土井先生も充分入るのでは?と思った。
いや……土井先生が優良物件でも、出自が室町ですらない私が不良物件か。つら。
そんなことを考えていると、土井先生に突然腕を掴まれて、路地裏まで引っ張られた。
人気のない細い道。
急にどうしたんだろう?と首を傾げたら、赤い顔をした土井先生が戸惑った様子で言いにくそうに私に尋ねた。
「……肌小袖着てないのかい?」
その一言で全てを察した。
私は慌てて小袖の合わせをギュッと締めた。
「(み、見えちゃったんだ…!)」
肌小袖は現代でいうところのインナー。
室町はブラが無いから肌小袖で透けないようにカバーしているわけだが、借りている物が二枚なので、雨の日が続いたり、トラブルで汚れたりでタイミングが合わないと小袖一枚で過ごさざるを得ないことがあった。
今まではブラと併用して上手いことやり過ごしていたのだが、そのブラはもう使えなくなってしまった。
「私……洗濯の仕方が下手くそで…。絞りが甘いと乾くのに時間かかっちゃって…。天気の読みも下手だからせっかく干しても濡れちゃったり……」
忍術学園は山の中にあるから天気が変わりやすい。
しかも天気予報なんて便利なものもない。
皆は空の様子を見て予測を立てられても、私は飛行機雲が出たら明日は雨かな?ぐらいしか分からない。
あとは皆が取り込み始めるのを目撃したら、合わせて私も取り込んだり。
だから実は洗濯にかなり苦戦してる。
ブラが無くなってから、小袖一枚で過ごす日が増えて、観察眼の鋭い皆には気づかれるんじゃないかってヒヤヒヤしていた。
小袖自体借り物でサイズが微妙に合ってないし、着慣れてない私は気を抜いたら合わせがすぐ緩んでしまう。
「(やっぱり学園で大人しくしてればよかった…)」
中を見られた恥ずかしさと、上手く着回せていない自分の不器用さでじんわり目に涙が浮かんだ。
「あ…の。やっぱり、今日はもう学園に戻りたいです」
申し訳ないけど、もう通りに出てお店を見て回る気持ちになれなかった。
家賃も払ったし…。
早く帰りたい。
俯いていると、土井先生は私の手を引いて路地裏を進んだ。
