【3章】フォーリンラブin室町
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「確かここに…」
「なんで保健室の備品に詳しいんですか?」
「たまにくるからね」
「……?」
あまり友好的ではないと聞いていたが、わりと出入りしている印象を受ける。
関係性がよくわからなくて、首を傾げた。
「ああ、尊奈門がいつも土井先生にお世話になっててね。私は監視と暇つぶし」
「組頭!」
「どうして土井先生を狙ってるんですか?」
「それは…」
「ちょっと因縁があるんです!」
「へぇ…?」
因縁…?と疑問に思っていたら、組頭と呼ばれた人が土井先生に教材でボコボコにされた過去を耳打ちしてくれた。
そして今まで勝負を挑んでは毎回返り討ちに遭っていることも教えてくれた。
「もお…組頭…」
バラされた諸泉さんはむくれている。
最初は傍迷惑な人だな、と思ったがなんか忍たまみたいで可愛いかもしれない。
土井先生も心の底から邪険にしてなかったし。
「ふふ、頑張ってくださいね」
土井先生の方が圧倒的に強いから大丈夫、とコソッと言われて安心した。
敵ながら、ちょっとエールを送りたくなる相手だった。
「えっ……あの…」
「だめだよ、お嬢さん。尊奈門は女性の免疫ないからコロッと落ちちゃう」
「ちょっと!組頭!変なこと言わないでください!」
「あの……私は名字名前と言います」
綺麗に巻いてもらった包帯を見て、そういえば名乗ってなかったなと思った。
「私は諸泉尊奈門です」
「雑渡昆奈門だよ」
「ざっとこんなもんさん…?」
「うん、発音大事ね」
雑渡さんは…火傷しちゃったのかな?
タイムリーな怪我ではなさそうだけど、大変な過去があることはすぐにわかった。
「ところで、君は最近ここに入ったの?」
「はい、事務員として雇って頂いてます」
「募集あったんだ」
「そうなんです」
忍術学園に来た経緯をそのまま話すのは良くないと思い、咄嗟に話を合わせた。
あまり深く突っ込まれたら困る…と思っていたら、ヘムヘムが授業の終わりを告げる鐘を鳴らした。
「もう、そんな時間だったんだ…」
小松田さん、倉庫の片付け終わったかな。
もしかしたらもっとぐちゃぐちゃになってたりして…。
ありえる…。
私ももうそろそろ戻ろうと思った時、保健室の戸が引かれた。
「名前さん…!?」
入ってきたのは伊作くんで、私の肩を引き寄せて雑渡さんと私の間に入り込んだ。
「……何もしてないよ」
両手を挙げてアピールする雑渡さんに、私は伊作くんの袖を引っ張った。
「傷の手当してくれたの」
「傷…?」
「怪我しちゃって」
伊作くんに巻いてもらった包帯を見せると、顔を歪めた。
「初日から怪我なんてしないでください…」
「ごめんなさい」
また心配かけちゃった。
「じゃあ、私達はもうそろそろ行くよ」
雑渡さんは諸泉さんを引き連れて帰っていった。
二人が居なくなった後、伊作くんは私に心配そうに尋ねた。
「名前さんがここに来た話って…」
「してない。普通に事務員で就職したってことにした」
伊作くんは安心したように息を吐いた。
「タソガレドキの城主は南蛮かぶれなんです」
「へぇ…」
余計に言わなくてよかった。
変な興味もたれても困る。
私は忍術学園の人以外と話すときは気をつけないと。
*******************
私は隣を歩くこの男が、いつもより地に足がついていないことに気づいた。
「あの子はやめておいた方がいいと思うけど…」
「へっ!?」
「確かに可愛かったもんね」
「組頭!そんなんじゃないです」
「実はあの子……記憶喪失の南蛮姫らしいよ」
「ええっ!?誰に聞いたんですか!?」
「一年生」
私にその情報を教えてくれた小さな彼を思い出した。
❝最近、ここに記憶喪失の南蛮のお姫様が住んでるんですよ〜。スリルとサスペンス〜❞
「(あの子がねぇ…)」
そうは見えなかったけど。
しかし、どこか浮き世離れした雰囲気は感じた。
少なくとも、嘘をつかれたのは確かだ。
「どうなることやら……」
「もうっ!組頭!そんなんじゃないですよ!」
そんな赤い顔で否定されても。
前途多難な恋に落ちている部下に内心ため息を吐いた。
「なんで保健室の備品に詳しいんですか?」
「たまにくるからね」
「……?」
あまり友好的ではないと聞いていたが、わりと出入りしている印象を受ける。
関係性がよくわからなくて、首を傾げた。
「ああ、尊奈門がいつも土井先生にお世話になっててね。私は監視と暇つぶし」
「組頭!」
「どうして土井先生を狙ってるんですか?」
「それは…」
「ちょっと因縁があるんです!」
「へぇ…?」
因縁…?と疑問に思っていたら、組頭と呼ばれた人が土井先生に教材でボコボコにされた過去を耳打ちしてくれた。
そして今まで勝負を挑んでは毎回返り討ちに遭っていることも教えてくれた。
「もお…組頭…」
バラされた諸泉さんはむくれている。
最初は傍迷惑な人だな、と思ったがなんか忍たまみたいで可愛いかもしれない。
土井先生も心の底から邪険にしてなかったし。
「ふふ、頑張ってくださいね」
土井先生の方が圧倒的に強いから大丈夫、とコソッと言われて安心した。
敵ながら、ちょっとエールを送りたくなる相手だった。
「えっ……あの…」
「だめだよ、お嬢さん。尊奈門は女性の免疫ないからコロッと落ちちゃう」
「ちょっと!組頭!変なこと言わないでください!」
「あの……私は名字名前と言います」
綺麗に巻いてもらった包帯を見て、そういえば名乗ってなかったなと思った。
「私は諸泉尊奈門です」
「雑渡昆奈門だよ」
「ざっとこんなもんさん…?」
「うん、発音大事ね」
雑渡さんは…火傷しちゃったのかな?
タイムリーな怪我ではなさそうだけど、大変な過去があることはすぐにわかった。
「ところで、君は最近ここに入ったの?」
「はい、事務員として雇って頂いてます」
「募集あったんだ」
「そうなんです」
忍術学園に来た経緯をそのまま話すのは良くないと思い、咄嗟に話を合わせた。
あまり深く突っ込まれたら困る…と思っていたら、ヘムヘムが授業の終わりを告げる鐘を鳴らした。
「もう、そんな時間だったんだ…」
小松田さん、倉庫の片付け終わったかな。
もしかしたらもっとぐちゃぐちゃになってたりして…。
ありえる…。
私ももうそろそろ戻ろうと思った時、保健室の戸が引かれた。
「名前さん…!?」
入ってきたのは伊作くんで、私の肩を引き寄せて雑渡さんと私の間に入り込んだ。
「……何もしてないよ」
両手を挙げてアピールする雑渡さんに、私は伊作くんの袖を引っ張った。
「傷の手当してくれたの」
「傷…?」
「怪我しちゃって」
伊作くんに巻いてもらった包帯を見せると、顔を歪めた。
「初日から怪我なんてしないでください…」
「ごめんなさい」
また心配かけちゃった。
「じゃあ、私達はもうそろそろ行くよ」
雑渡さんは諸泉さんを引き連れて帰っていった。
二人が居なくなった後、伊作くんは私に心配そうに尋ねた。
「名前さんがここに来た話って…」
「してない。普通に事務員で就職したってことにした」
伊作くんは安心したように息を吐いた。
「タソガレドキの城主は南蛮かぶれなんです」
「へぇ…」
余計に言わなくてよかった。
変な興味もたれても困る。
私は忍術学園の人以外と話すときは気をつけないと。
*******************
私は隣を歩くこの男が、いつもより地に足がついていないことに気づいた。
「あの子はやめておいた方がいいと思うけど…」
「へっ!?」
「確かに可愛かったもんね」
「組頭!そんなんじゃないです」
「実はあの子……記憶喪失の南蛮姫らしいよ」
「ええっ!?誰に聞いたんですか!?」
「一年生」
私にその情報を教えてくれた小さな彼を思い出した。
❝最近、ここに記憶喪失の南蛮のお姫様が住んでるんですよ〜。スリルとサスペンス〜❞
「(あの子がねぇ…)」
そうは見えなかったけど。
しかし、どこか浮き世離れした雰囲気は感じた。
少なくとも、嘘をつかれたのは確かだ。
「どうなることやら……」
「もうっ!組頭!そんなんじゃないですよ!」
そんな赤い顔で否定されても。
前途多難な恋に落ちている部下に内心ため息を吐いた。
