【3章】フォーリンラブin室町
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「先に砂を水で落とそう」
「ごめんなさい…」
「どうして怪我したの?」
「手裏剣が落ちてきてしまって…」
土井先生は井戸の水を汲んで、私の手に掛けてくれた。
「心配させないで」
「すみません……」
初日から怪我して心配かけてしまった。
優しく洗い流してくれるのをボーっと見つめていると、ふとさっきの彼が脳裏に過ぎった。
「そういえばさっきの人は…?」
「ああ。諸泉尊奈門くんだよ。タソガレドキ城の忍なんだ」
「へー…。そのタソガレドキ城は忍術学園と仲いいんですか?」
「いや」
そっか。
思い返したらさっき土井先生に襲いかかってたもんね。
「じゃあこれからは見かけたら出ていってもらった方がいいんですよね?」
小松田さんは皆通しちゃうから私がしっかりしないと。
さっきの人の顔を忘れないように脳内にメモした。
「いや、名前さんはもし曲者を見かけても、絶対何もしないで。危ないから」
「でも……」
「だめ。約束して」
土井先生が持っていた手ぬぐいでそっと私の傷を包んでくれた。
じんわり手ぬぐいが赤に染まった。
「あ…」
汚れちゃう。
そう思ったが、土井先生はそれを見て辛そうな表情を浮かべた。
「心配なんだ。お願いだから、約束して」
二回言われてしまったので、私は頷いた。
「約束します」
小指を出すと、土井先生も小指を出してくれた。
「土井先生とは約束してばかりですね」
「忘れないでくれよ」
さぁ保健室に行こう、と土井先生は私を立ち上がらせてくれた。
保健室に向かう途中、ヘムヘムが次の授業の開始を知らせる鐘をついた。
「土井先生、次の授業行ってください!」
「しかし…」
「保健室は目の前なので」
私はもうすぐそこに見える保健室を指差した。
「分かった。ちゃんと手当てしてもらうんだよ?」
「分かってますよ」
もう、土井先生は心配性なんだから。
苦笑しながら先生を見送って、保健室の戸を引いた。
「え…?」
中には新野先生ではなく、さっきの諸泉尊奈門さんと彼と同じ茶色の忍装束を着た背の高い男性がいた。
「えっ…あの…」
思わず一歩後ずさって、さっき別れた土井先生を呼ぼうと廊下を振り返ったが、もう居なくなっていた。
逃げようと思い、踵を返した。
「あのっ!さっきはすみませんでした」
「え?」
諸泉さんが私に向かって頭を下げた。
「傷の手当てをしにきたんですよね。今誰も居ないので、お詫びに手当てさせてください」
「えっ…あ、の…」
「尊奈門がすまないね。危害を加えるつもりはないよ」
危害を加えるつもりはないって……そんな口上信じてもいいのだろうか。
しかし、ここは忍術学園で、確かに敵地で忍びでも何でもない私に危害を加えるメリットもないだろう。
それに諸泉尊奈門って人、そんなに悪い人には見えなかった。
「じゃあ……お願いします……」
私は赤く染まった手ぬぐいに視線を落とした。
「ごめんなさい…」
「どうして怪我したの?」
「手裏剣が落ちてきてしまって…」
土井先生は井戸の水を汲んで、私の手に掛けてくれた。
「心配させないで」
「すみません……」
初日から怪我して心配かけてしまった。
優しく洗い流してくれるのをボーっと見つめていると、ふとさっきの彼が脳裏に過ぎった。
「そういえばさっきの人は…?」
「ああ。諸泉尊奈門くんだよ。タソガレドキ城の忍なんだ」
「へー…。そのタソガレドキ城は忍術学園と仲いいんですか?」
「いや」
そっか。
思い返したらさっき土井先生に襲いかかってたもんね。
「じゃあこれからは見かけたら出ていってもらった方がいいんですよね?」
小松田さんは皆通しちゃうから私がしっかりしないと。
さっきの人の顔を忘れないように脳内にメモした。
「いや、名前さんはもし曲者を見かけても、絶対何もしないで。危ないから」
「でも……」
「だめ。約束して」
土井先生が持っていた手ぬぐいでそっと私の傷を包んでくれた。
じんわり手ぬぐいが赤に染まった。
「あ…」
汚れちゃう。
そう思ったが、土井先生はそれを見て辛そうな表情を浮かべた。
「心配なんだ。お願いだから、約束して」
二回言われてしまったので、私は頷いた。
「約束します」
小指を出すと、土井先生も小指を出してくれた。
「土井先生とは約束してばかりですね」
「忘れないでくれよ」
さぁ保健室に行こう、と土井先生は私を立ち上がらせてくれた。
保健室に向かう途中、ヘムヘムが次の授業の開始を知らせる鐘をついた。
「土井先生、次の授業行ってください!」
「しかし…」
「保健室は目の前なので」
私はもうすぐそこに見える保健室を指差した。
「分かった。ちゃんと手当てしてもらうんだよ?」
「分かってますよ」
もう、土井先生は心配性なんだから。
苦笑しながら先生を見送って、保健室の戸を引いた。
「え…?」
中には新野先生ではなく、さっきの諸泉尊奈門さんと彼と同じ茶色の忍装束を着た背の高い男性がいた。
「えっ…あの…」
思わず一歩後ずさって、さっき別れた土井先生を呼ぼうと廊下を振り返ったが、もう居なくなっていた。
逃げようと思い、踵を返した。
「あのっ!さっきはすみませんでした」
「え?」
諸泉さんが私に向かって頭を下げた。
「傷の手当てをしにきたんですよね。今誰も居ないので、お詫びに手当てさせてください」
「えっ…あ、の…」
「尊奈門がすまないね。危害を加えるつもりはないよ」
危害を加えるつもりはないって……そんな口上信じてもいいのだろうか。
しかし、ここは忍術学園で、確かに敵地で忍びでも何でもない私に危害を加えるメリットもないだろう。
それに諸泉尊奈門って人、そんなに悪い人には見えなかった。
「じゃあ……お願いします……」
私は赤く染まった手ぬぐいに視線を落とした。
