【2章】室町パニック
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不安な気持ちを抱えながら寝付いた昨夜。
朝起きたら小松田さん以外居なくなっていた。
寝ている小松田さんを揺すって起こした。
「起きて、小松田さん」
「ん~?朝ぁ?」
まだ眠そうな目をごしごし擦りながらゆっくり起き上がる彼。
「みんなは?」
「それが・・・居なくなってて」
「もう起きちゃったのかな?」
布団も綺麗さっぱり無くなっていた。
「起きたかい?」
「あっ、おはようございます」
隣の自室に戻っていたのだろう。
土井先生が顔を覗かせた。
「なんか・・・外騒がしくない?」
「そう言われてみれば・・・」
小松田さんに言われて耳を澄ますと、外から人の声が聞こえてきた。
その声は一人ではなさそうで。
大勢の声が塊になっているような感じだ。
「ふふ、覗きに行ってみるかい?」
土井先生はその正体を知っているらしい。
小松田さんは一度自室に戻り、私は小袖に着替えた。
準備が整ったので障子を開けると土井先生が待っていてくれた。
「こっちだよ」
土井先生に連れて来られたのは、学園長先生がいらっしゃる庵の前だった。
そこには忍たま、くのたまの皆が集まっていた。
「「「「「名前さんの追放、絶対はんたーい!!!」」」」」
「「「「「反対!反対!反対!」」」」」
「「「「「名前さんを正式に事務員に!!!」」」」」
木で作られたプラカードを皆が庵の前で掲げていた。
そこには私をここに留めるための文言が書かれていた。
「みんな・・・」
皆が私のために庵の前に集まってくれている。
何でこんなこと・・・?と思ったが、隣に立っている土井先生を見てハッとした。
「これ、土井先生がしてくれたんですか?」
「ん?私は、は組の子達に少し噂を流しただけだよ」
「噂?」
"お前たち、大変だ。名前さんがここから追い出されるかもしれない"
"えっ、何で!?"
"身元が怪しい彼女をここにはもう置いておけないとの判断らしい"
"そんなのひどいよ!"
"よし、は組で学園長に直談判しに行こう!"
"先輩達にも知らせに行こう!"
「前に名前さん言ってただろう?反対運動起こされたら困るって・・・」
あの寒かった日に土井先生に少し胸の内を打ち明けた時のことだ。
「それで思いついたんだ」
「あの・・・なんてお礼を言ったらいいか」
「私は何もしていない。こうなったのは日頃の名前さんの行動の結果だ」
「ありがとうございます」
私のために庵の前に集まってくれている子達を見て涙が出てきた。
「なんじゃ、なんじゃ」
外が騒がしいことに驚いた学園長が、庵からヘムヘムと出てきた。
「学園長!どうして名前さんのことを追い出すんですか!」
「一体何の話をしておるんじゃ」
困惑している学園長。
「ちょっと通してくださいね」
生徒達の合間を縫って一番前に出てきたのは吉野先生だ。
「学園長、これを受け取ってください」
「なんじゃこれは?」
「名前さんの事務員採用の推薦状です」
学園長は吉野先生から受け取った紙を広げた。
「名前さんに居なくなられて一番困るのはこの私です。小松田くんの尻ぬぐいが減ってやっと楽になったと思っていたのに」
土井先生はコソッと私に耳打ちした。
「私からの推薦状では駄目なんだ。名前さんに肩入れしすぎているから。だから吉野先生にも同じ噂を流したんだ」
そうしたらこれさ、と吉野先生を指差した。
小松田さんのお手伝いをしていただけで、吉野先生とあまり喋ったことなかったのにちゃんと見てくれていたんだ。
私の行動が認められていて嬉しかった。
「うーむ。なんでこうなっているのか全然わからんが・・・」
学園長はパッと扇子を広げて声高らかに宣言した。
「名前ちゃんを事務員として正式採用することにする!!!」
学園長先生の公表で、皆は一斉にプラカードを投げ捨て喜んでくれた。
「名前ちゃんはそれでいいかの?」
「はい、ありがとうございます」
学園長先生は満足げに頷いて庵へ戻っていった。
こうして、私は正式に学園での居場所が確立したのであった。
朝起きたら小松田さん以外居なくなっていた。
寝ている小松田さんを揺すって起こした。
「起きて、小松田さん」
「ん~?朝ぁ?」
まだ眠そうな目をごしごし擦りながらゆっくり起き上がる彼。
「みんなは?」
「それが・・・居なくなってて」
「もう起きちゃったのかな?」
布団も綺麗さっぱり無くなっていた。
「起きたかい?」
「あっ、おはようございます」
隣の自室に戻っていたのだろう。
土井先生が顔を覗かせた。
「なんか・・・外騒がしくない?」
「そう言われてみれば・・・」
小松田さんに言われて耳を澄ますと、外から人の声が聞こえてきた。
その声は一人ではなさそうで。
大勢の声が塊になっているような感じだ。
「ふふ、覗きに行ってみるかい?」
土井先生はその正体を知っているらしい。
小松田さんは一度自室に戻り、私は小袖に着替えた。
準備が整ったので障子を開けると土井先生が待っていてくれた。
「こっちだよ」
土井先生に連れて来られたのは、学園長先生がいらっしゃる庵の前だった。
そこには忍たま、くのたまの皆が集まっていた。
「「「「「名前さんの追放、絶対はんたーい!!!」」」」」
「「「「「反対!反対!反対!」」」」」
「「「「「名前さんを正式に事務員に!!!」」」」」
木で作られたプラカードを皆が庵の前で掲げていた。
そこには私をここに留めるための文言が書かれていた。
「みんな・・・」
皆が私のために庵の前に集まってくれている。
何でこんなこと・・・?と思ったが、隣に立っている土井先生を見てハッとした。
「これ、土井先生がしてくれたんですか?」
「ん?私は、は組の子達に少し噂を流しただけだよ」
「噂?」
"お前たち、大変だ。名前さんがここから追い出されるかもしれない"
"えっ、何で!?"
"身元が怪しい彼女をここにはもう置いておけないとの判断らしい"
"そんなのひどいよ!"
"よし、は組で学園長に直談判しに行こう!"
"先輩達にも知らせに行こう!"
「前に名前さん言ってただろう?反対運動起こされたら困るって・・・」
あの寒かった日に土井先生に少し胸の内を打ち明けた時のことだ。
「それで思いついたんだ」
「あの・・・なんてお礼を言ったらいいか」
「私は何もしていない。こうなったのは日頃の名前さんの行動の結果だ」
「ありがとうございます」
私のために庵の前に集まってくれている子達を見て涙が出てきた。
「なんじゃ、なんじゃ」
外が騒がしいことに驚いた学園長が、庵からヘムヘムと出てきた。
「学園長!どうして名前さんのことを追い出すんですか!」
「一体何の話をしておるんじゃ」
困惑している学園長。
「ちょっと通してくださいね」
生徒達の合間を縫って一番前に出てきたのは吉野先生だ。
「学園長、これを受け取ってください」
「なんじゃこれは?」
「名前さんの事務員採用の推薦状です」
学園長は吉野先生から受け取った紙を広げた。
「名前さんに居なくなられて一番困るのはこの私です。小松田くんの尻ぬぐいが減ってやっと楽になったと思っていたのに」
土井先生はコソッと私に耳打ちした。
「私からの推薦状では駄目なんだ。名前さんに肩入れしすぎているから。だから吉野先生にも同じ噂を流したんだ」
そうしたらこれさ、と吉野先生を指差した。
小松田さんのお手伝いをしていただけで、吉野先生とあまり喋ったことなかったのにちゃんと見てくれていたんだ。
私の行動が認められていて嬉しかった。
「うーむ。なんでこうなっているのか全然わからんが・・・」
学園長はパッと扇子を広げて声高らかに宣言した。
「名前ちゃんを事務員として正式採用することにする!!!」
学園長先生の公表で、皆は一斉にプラカードを投げ捨て喜んでくれた。
「名前ちゃんはそれでいいかの?」
「はい、ありがとうございます」
学園長先生は満足げに頷いて庵へ戻っていった。
こうして、私は正式に学園での居場所が確立したのであった。
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