【2章】室町パニック
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自分のことで精一杯な私は、土井先生達が心を痛めていたことに気づかなかった。
小松田さんと布団の中でおしゃべりしていたら、あれだけ冴えていた目も少し眠くなってきた。
まるでお泊まり会みたい。
「小松田さん、ありがとう」
「ん?」
「私を庇ってくれて」
「当たり前だよ!だって名前ちゃんも僕のこと、出茂鹿之介さんから庇ってくれたじゃない!」
そういえばそんなこともあったなぁ…と正直顔さえ思い出せない人のことを回顧した。
「あのとき、僕嬉しかったんだぁ」
勇気出してよかった。
人に味方になってもらえるってこんなに嬉しいことなんだ。
「でも…大丈夫?私の味方して、学園で立場悪くなったりしない…?」
小松田さんが居づらくなったら申し訳ない。
それは私が望むところではなかった。
だんだん暗闇に目が慣れてきて、小松田さんがきょとりとしている顔が見えた。
「大丈夫!だって僕、名前ちゃんと同じぐらい、学園の人達のことも信じてるから」
「ね、土井先生?」と小松田くんが少し身体を起こして私の隣にいる土井先生に尋ねた。
「ああ、もちろん」
土井先生の声色は優しくて。
よく考えたら、彼らは私が持っていた物を追求してこない。
さっき何気なく小松田さんと話してしまったから、もうバレてるとは思うけど…。
持ち込んではいけないものを持ち込んだ非は私にあるのに、それも責めたりなんてしなかった。
少し気持ちが落ち着いた今、やっぱり私は彼らに甘えすぎているのだ、と反省した。
「食堂のおばちゃん見てたらね、お母さんに会いたくなっちゃった」
「名前ちゃんのお母さんはどんな人なの?」
「うーん・・・普通だよ。本当に普通」
「わかるよ。僕も兄ちゃんに会いたくなってきた」
小松田さんと話していると気が緩んでしまう。
だから土井先生と仙蔵くん、伊作くんが私が母親の記憶があることに内心驚いていたことに気が付かなかった。
「あの・・・みんな、ごめんね」
冷静になったら自分にも落ち度があったと思う。
「せめてシナ先生に、自己申告していればこうはならなかったよね。ここが忍の学校だってこと、ちゃんと理解できてなかった」
「名前さんが謝ることは何もないです」
仙蔵くんは間髪入れずにフォローしてくれた。
「あと・・・さっきの私の発言もちょっと間違ってたのかもって思って」
私が上体を起こすと、土井先生、仙蔵くん、伊作くんも身体を起こした。
隣の小松田さんは・・・いつの間にか寝てる。
さっきまで喋ってたのに。
すやすや眠る彼の顔を見たらクスリと笑いが漏れた。
「三人は❝私を疑った❞んじゃなくて、❝潮江くんを信じた❞んだよね」
土井先生の初めての担任は今の六年生が一年生の時だと以前聞いていた。
そして六年生だって厳しい環境の中彼と六年も寝食を共にしてきているのだ。
そもそもポッと出の私が同等に天秤に掛けてもらえることすら烏滸がましい状況の中で、過程がどうであれ、彼らは最終的に今私に寄り添ってくれているのだ。
そう思ったら、悲しむのではなく感謝しなければと思えた。
「潮江くんが訳もなくひどいことする人じゃないって皆はそう信じてたんだよね?」
小松田さんの言葉で気づいた。
でもそれを私に言うのは酷だから黙っていてくれているのだ。
三人共、私を傷つけない言葉を探すために無言になっていた。
無言は肯定。
実際、潮江くんは私が間者であることだけを追求していて、決して乱暴目的ではなかったことは私自身理解していた。
「・・・・・・明日がちょっと怖いな」
気持ちが落ち着いてきた今、次に考えるのは明日のことだ。
今まで通りの生活が送れるのだろうか。
「さっきも言ったけど、そこは私に任せてほしい」
土井先生が意味ありげに私に告げた。
「よろしくお願いします」
「さあ、私達ももう寝よう」
土井先生の声で再び私達は布団の中に潜り込んだ。
小松田さんと布団の中でおしゃべりしていたら、あれだけ冴えていた目も少し眠くなってきた。
まるでお泊まり会みたい。
「小松田さん、ありがとう」
「ん?」
「私を庇ってくれて」
「当たり前だよ!だって名前ちゃんも僕のこと、出茂鹿之介さんから庇ってくれたじゃない!」
そういえばそんなこともあったなぁ…と正直顔さえ思い出せない人のことを回顧した。
「あのとき、僕嬉しかったんだぁ」
勇気出してよかった。
人に味方になってもらえるってこんなに嬉しいことなんだ。
「でも…大丈夫?私の味方して、学園で立場悪くなったりしない…?」
小松田さんが居づらくなったら申し訳ない。
それは私が望むところではなかった。
だんだん暗闇に目が慣れてきて、小松田さんがきょとりとしている顔が見えた。
「大丈夫!だって僕、名前ちゃんと同じぐらい、学園の人達のことも信じてるから」
「ね、土井先生?」と小松田くんが少し身体を起こして私の隣にいる土井先生に尋ねた。
「ああ、もちろん」
土井先生の声色は優しくて。
よく考えたら、彼らは私が持っていた物を追求してこない。
さっき何気なく小松田さんと話してしまったから、もうバレてるとは思うけど…。
持ち込んではいけないものを持ち込んだ非は私にあるのに、それも責めたりなんてしなかった。
少し気持ちが落ち着いた今、やっぱり私は彼らに甘えすぎているのだ、と反省した。
「食堂のおばちゃん見てたらね、お母さんに会いたくなっちゃった」
「名前ちゃんのお母さんはどんな人なの?」
「うーん・・・普通だよ。本当に普通」
「わかるよ。僕も兄ちゃんに会いたくなってきた」
小松田さんと話していると気が緩んでしまう。
だから土井先生と仙蔵くん、伊作くんが私が母親の記憶があることに内心驚いていたことに気が付かなかった。
「あの・・・みんな、ごめんね」
冷静になったら自分にも落ち度があったと思う。
「せめてシナ先生に、自己申告していればこうはならなかったよね。ここが忍の学校だってこと、ちゃんと理解できてなかった」
「名前さんが謝ることは何もないです」
仙蔵くんは間髪入れずにフォローしてくれた。
「あと・・・さっきの私の発言もちょっと間違ってたのかもって思って」
私が上体を起こすと、土井先生、仙蔵くん、伊作くんも身体を起こした。
隣の小松田さんは・・・いつの間にか寝てる。
さっきまで喋ってたのに。
すやすや眠る彼の顔を見たらクスリと笑いが漏れた。
「三人は❝私を疑った❞んじゃなくて、❝潮江くんを信じた❞んだよね」
土井先生の初めての担任は今の六年生が一年生の時だと以前聞いていた。
そして六年生だって厳しい環境の中彼と六年も寝食を共にしてきているのだ。
そもそもポッと出の私が同等に天秤に掛けてもらえることすら烏滸がましい状況の中で、過程がどうであれ、彼らは最終的に今私に寄り添ってくれているのだ。
そう思ったら、悲しむのではなく感謝しなければと思えた。
「潮江くんが訳もなくひどいことする人じゃないって皆はそう信じてたんだよね?」
小松田さんの言葉で気づいた。
でもそれを私に言うのは酷だから黙っていてくれているのだ。
三人共、私を傷つけない言葉を探すために無言になっていた。
無言は肯定。
実際、潮江くんは私が間者であることだけを追求していて、決して乱暴目的ではなかったことは私自身理解していた。
「・・・・・・明日がちょっと怖いな」
気持ちが落ち着いてきた今、次に考えるのは明日のことだ。
今まで通りの生活が送れるのだろうか。
「さっきも言ったけど、そこは私に任せてほしい」
土井先生が意味ありげに私に告げた。
「よろしくお願いします」
「さあ、私達ももう寝よう」
土井先生の声で再び私達は布団の中に潜り込んだ。