【1章】さよなら令和、ようこそ室町
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
続く彼らの会話にぼーっと耳を傾ける。
「それにお前らも見ただろう。彼女は私の竹筒に迷いなく口づけた。間者なら毒が塗られている可能性も考えて直接口はつけないはずだ」
なるほど。
だからあの時皆こっちを凝視してたのね。
というか・・・。
「(やっぱりおかしい・・・)」
ずっと今の状況に対してなんとか整合性を取ろうとしていたけど、冷静になればなるほどおかしなことだらけだ。
第一、この規模の宗教集落が存在していたら、今の日本だとあっという間にスクープものだ。
毎日ニュースを見る習慣があるので、知らないはずがない。
もしここが宗教で統治された集落ではなく、現実に起こりうる範囲による仮定という条件を撤廃したならば真っ先に思いつくのは・・・。
「(タイムスリップ・・・)」
戦とか、間者とか、毒とかなんとか・・・。
とにかく彼らの会話に出てくる単語は物騒なのだ。
そう、まるで・・・。
「(戦国時代じゃん・・・)」
そんな馬鹿な。
今は夏なのに足先が凍えるように冷たかった。
「なんかよお。姫か間者の2択になってっけど、両方ハズレの可能性だってあるだろ」
今までで一番いい線をついたのは食満くんだ。
「じゃあ他に何が考えられる?」
「それは・・・わかんねえ」
「使えない奴だな」
「んだと、文次郎!外へ出ろ!」
「うるさい!!起きちゃうだろ!」
もう起きてます。
結局、彼らの話し合いは食満くんと潮江くんの喧嘩によって中断された。
「とにかく!明日から交代で彼女と過ごす。その中で各々分かったことや意見を都度持ち寄ることで何者なのかを探っていこう。じゃあ解散」
人の気配がなくなり、私もとりあえずもう一度寝ようと瞼を閉じた。
するとカタンと衝立がわずかに動く音がした。
「(伊作くん・・・?)」
目を閉じているのでわからないが、おそらく伊作くんが私の傍に腰を下ろした。
「僕・・・きっと忍者に向いてないんだろうな」
目を開けようとしたが、小さな独り言を呟いたのでタイミングを見失ってしまった。
「さっきはああ言ったけど、僕は本気で貴方のことを姫なのではないかって思ってる」
足に巻かれた包帯をそっと撫でられた。
「初めてです。こんなに美しいと思う人に出会ったのは」
ええええ!!!
美しいなんて初めて言われた!!
女性を見たことないんじゃないの、伊作くん。
「ふ、ふふふ」
心の中で小躍りをしていたら、伊作くんが突然笑い出した。
「そうやって一生懸命寝たふりしているのも可愛くて」
伊作くんの言葉でガバリと上体を起こした。
「か、からかったの!?」
ひどい、ひどすぎる。
私の喜びを返せ!
そう思って恥ずかしさで睨みつけた。
「嘘じゃないです。貴方を姫だと思っていることも、美しいと思っていることも」
布団を握っている手の上から伊作くんのそれが重ねられた。
「手は傷一つなく、筋肉はまるでついていない。こんな華奢な身体では間者はおろか井戸の釣瓶さえ引き上げられるか怪しい」
そりゃ、水は蛇口捻れば出るし、なんなら最近は手を翳すだけで出てくるからね・・・。
心の中でツッコミは忘れずに、でも重ねられた手に胸が高鳴った。
「それは文次郎もわかっているはずなんです。ですが、保守的な彼は自分で理解できない、説明ができないことを受け入れられないのだと思います」
そのやり場のない混乱した気持ちを私にぶつけられても困るけど、そこは年上としてドンと受け止めましょう。
「だから僕が貴方を守ります。不条理な敵意から」
「どうしてそこまでしてくれるんですか・・・?」
「先ほど申した通り、僕は貴方を姫だと思ってる。それに困っている人を救いたいんです。こんな戦乱の世の中だから・・・」
「え?」
今・・・なんて言った?
「伊作くん・・・今なんて・・・?」
「はい?」
戦乱の世・・・?
「それにお前らも見ただろう。彼女は私の竹筒に迷いなく口づけた。間者なら毒が塗られている可能性も考えて直接口はつけないはずだ」
なるほど。
だからあの時皆こっちを凝視してたのね。
というか・・・。
「(やっぱりおかしい・・・)」
ずっと今の状況に対してなんとか整合性を取ろうとしていたけど、冷静になればなるほどおかしなことだらけだ。
第一、この規模の宗教集落が存在していたら、今の日本だとあっという間にスクープものだ。
毎日ニュースを見る習慣があるので、知らないはずがない。
もしここが宗教で統治された集落ではなく、現実に起こりうる範囲による仮定という条件を撤廃したならば真っ先に思いつくのは・・・。
「(タイムスリップ・・・)」
戦とか、間者とか、毒とかなんとか・・・。
とにかく彼らの会話に出てくる単語は物騒なのだ。
そう、まるで・・・。
「(戦国時代じゃん・・・)」
そんな馬鹿な。
今は夏なのに足先が凍えるように冷たかった。
「なんかよお。姫か間者の2択になってっけど、両方ハズレの可能性だってあるだろ」
今までで一番いい線をついたのは食満くんだ。
「じゃあ他に何が考えられる?」
「それは・・・わかんねえ」
「使えない奴だな」
「んだと、文次郎!外へ出ろ!」
「うるさい!!起きちゃうだろ!」
もう起きてます。
結局、彼らの話し合いは食満くんと潮江くんの喧嘩によって中断された。
「とにかく!明日から交代で彼女と過ごす。その中で各々分かったことや意見を都度持ち寄ることで何者なのかを探っていこう。じゃあ解散」
人の気配がなくなり、私もとりあえずもう一度寝ようと瞼を閉じた。
するとカタンと衝立がわずかに動く音がした。
「(伊作くん・・・?)」
目を閉じているのでわからないが、おそらく伊作くんが私の傍に腰を下ろした。
「僕・・・きっと忍者に向いてないんだろうな」
目を開けようとしたが、小さな独り言を呟いたのでタイミングを見失ってしまった。
「さっきはああ言ったけど、僕は本気で貴方のことを姫なのではないかって思ってる」
足に巻かれた包帯をそっと撫でられた。
「初めてです。こんなに美しいと思う人に出会ったのは」
ええええ!!!
美しいなんて初めて言われた!!
女性を見たことないんじゃないの、伊作くん。
「ふ、ふふふ」
心の中で小躍りをしていたら、伊作くんが突然笑い出した。
「そうやって一生懸命寝たふりしているのも可愛くて」
伊作くんの言葉でガバリと上体を起こした。
「か、からかったの!?」
ひどい、ひどすぎる。
私の喜びを返せ!
そう思って恥ずかしさで睨みつけた。
「嘘じゃないです。貴方を姫だと思っていることも、美しいと思っていることも」
布団を握っている手の上から伊作くんのそれが重ねられた。
「手は傷一つなく、筋肉はまるでついていない。こんな華奢な身体では間者はおろか井戸の釣瓶さえ引き上げられるか怪しい」
そりゃ、水は蛇口捻れば出るし、なんなら最近は手を翳すだけで出てくるからね・・・。
心の中でツッコミは忘れずに、でも重ねられた手に胸が高鳴った。
「それは文次郎もわかっているはずなんです。ですが、保守的な彼は自分で理解できない、説明ができないことを受け入れられないのだと思います」
そのやり場のない混乱した気持ちを私にぶつけられても困るけど、そこは年上としてドンと受け止めましょう。
「だから僕が貴方を守ります。不条理な敵意から」
「どうしてそこまでしてくれるんですか・・・?」
「先ほど申した通り、僕は貴方を姫だと思ってる。それに困っている人を救いたいんです。こんな戦乱の世の中だから・・・」
「え?」
今・・・なんて言った?
「伊作くん・・・今なんて・・・?」
「はい?」
戦乱の世・・・?
