【2章】室町パニック
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
潮江くん、何言ってるの。
それブラジャーのワイヤーだよ。
と言いたくても言葉が詰まって出てこない。
だって、私には当たり前の物でも、こっちでは異物でしかなくて。
あんきって何か分からなかったけど、武器とか凶器って意味合いであることはわかった。
そして、誰にも話さずにこっそり持っていたという事実がさらに疑いを強めてしまった。
「う、そ…ですよね?名前さん」
伊作くんの動揺した声が耳に届いた。
その隣にいる仙蔵くんも目を見開いてる。
土井先生は潮江くんと私を交互に視線を向けて、どう動くか判断しかねているように見えた。
ああ……私、疑われてる。
素直に話して信じてもらえるのだろうか。
だって、事実ワイヤーが目の前にあるのだ。
あれがその気になれば人を傷つけられると言われたら反論できない。
みんなが私を疑ってる。
潮江くんに乱暴されたことよりも、さっきまで一緒に笑い合っていた彼らに疑われていることが何よりも悲しかった。
涙が溢れて、布団を汚した。
それがまた潮江くんを苛立たせてしまった。
「何か言え!」
何から言えばいいのかわからない。
気持ちがぐちゃぐちゃで、早く弁明しないといけないのに、私は口をパクパク開いては閉じてを繰り返すだけだった。
もう、無理かも。
この世界で頑張れないかも。
諦めそうになったそのとき、私と潮江くんの間に人が飛び込んできた。
「名前ちゃんをいじめないでくださーーーい!!!!」
私達の間に小松田さんが飛び込んで、両手を広げて潮江くんと対峙した。
「こ、まつださん…?」
「潮江くん何言ってるの!」
「小松田さん、そこ退いてください。そいつは暗器を隠し持っていたんです」
小松田さんにワイヤーを見せた。
いつもはニコニコしている小松田さんが眉間に皺を寄せているの初めて見た。
そしてキッと潮江くんを睨みつけた。
「それが暗器なのかは僕にはわからないよ。でも……」
小松田さんは振り返って私を見下ろした。
「名前ちゃんが暗器を使うような子じゃないっていうのは僕知ってる!!!」
小松田さん……。
私を無条件に信じてくれる人がいた。
今度は嬉しくて、涙が止まらなかった。
小松田さんは私の前にしゃがみこんだ。
「名前ちゃん、大丈夫?」
こてん、と首を横に傾げる小松田さんに、私は素直に首を横に振った。
「こ、わかった…」
両手を伸ばすと、彼はぎゅうっと抱き締めて背中を擦ってくれた。
「ちょっといいかしら」
廊下から部屋に入ってきたのは食堂のおばちゃんだった。
「私も小松田くんの意見に賛成だわ。名前ちゃんはそんな子じゃない。ちょっとそれ貸して」
おばちゃんは潮江くんから破かれた下着を受け取ると、私の前に腰を下ろした。
「これが何か私に教えてくれる?」
おばちゃんの目は優しくて。
私のことを疑っていないことが伝わった。
「それは……」
やっと私はこれの本来の機能を伝えることができた。
それブラジャーのワイヤーだよ。
と言いたくても言葉が詰まって出てこない。
だって、私には当たり前の物でも、こっちでは異物でしかなくて。
あんきって何か分からなかったけど、武器とか凶器って意味合いであることはわかった。
そして、誰にも話さずにこっそり持っていたという事実がさらに疑いを強めてしまった。
「う、そ…ですよね?名前さん」
伊作くんの動揺した声が耳に届いた。
その隣にいる仙蔵くんも目を見開いてる。
土井先生は潮江くんと私を交互に視線を向けて、どう動くか判断しかねているように見えた。
ああ……私、疑われてる。
素直に話して信じてもらえるのだろうか。
だって、事実ワイヤーが目の前にあるのだ。
あれがその気になれば人を傷つけられると言われたら反論できない。
みんなが私を疑ってる。
潮江くんに乱暴されたことよりも、さっきまで一緒に笑い合っていた彼らに疑われていることが何よりも悲しかった。
涙が溢れて、布団を汚した。
それがまた潮江くんを苛立たせてしまった。
「何か言え!」
何から言えばいいのかわからない。
気持ちがぐちゃぐちゃで、早く弁明しないといけないのに、私は口をパクパク開いては閉じてを繰り返すだけだった。
もう、無理かも。
この世界で頑張れないかも。
諦めそうになったそのとき、私と潮江くんの間に人が飛び込んできた。
「名前ちゃんをいじめないでくださーーーい!!!!」
私達の間に小松田さんが飛び込んで、両手を広げて潮江くんと対峙した。
「こ、まつださん…?」
「潮江くん何言ってるの!」
「小松田さん、そこ退いてください。そいつは暗器を隠し持っていたんです」
小松田さんにワイヤーを見せた。
いつもはニコニコしている小松田さんが眉間に皺を寄せているの初めて見た。
そしてキッと潮江くんを睨みつけた。
「それが暗器なのかは僕にはわからないよ。でも……」
小松田さんは振り返って私を見下ろした。
「名前ちゃんが暗器を使うような子じゃないっていうのは僕知ってる!!!」
小松田さん……。
私を無条件に信じてくれる人がいた。
今度は嬉しくて、涙が止まらなかった。
小松田さんは私の前にしゃがみこんだ。
「名前ちゃん、大丈夫?」
こてん、と首を横に傾げる小松田さんに、私は素直に首を横に振った。
「こ、わかった…」
両手を伸ばすと、彼はぎゅうっと抱き締めて背中を擦ってくれた。
「ちょっといいかしら」
廊下から部屋に入ってきたのは食堂のおばちゃんだった。
「私も小松田くんの意見に賛成だわ。名前ちゃんはそんな子じゃない。ちょっとそれ貸して」
おばちゃんは潮江くんから破かれた下着を受け取ると、私の前に腰を下ろした。
「これが何か私に教えてくれる?」
おばちゃんの目は優しくて。
私のことを疑っていないことが伝わった。
「それは……」
やっと私はこれの本来の機能を伝えることができた。