【2章】室町パニック
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伊作くんに櫛をもらった翌朝。
私は手鏡を立てて、その前で苦戦していた。
「うーん、もうちょいこっちの方がいいかな」
髪の毛を梳くのに使うのもいいが、たまにこういう櫛を髪の毛に挿してる人いるよね。
洋服が主流の現代では見かけないが、こっちではたまに見かけた。
「うん、こんな感じかな」
髪紐で髪をまとめてから挿した。
上手く出来てるかわからないが、変ではないだろう。
最近身だしなみを整える物を貰う機会が多かったので、スッピンでみすぼらしかった自分が懐かしい。
私は朝食を食べるために食堂に向かった。
いつも早めに来て一人で食べるのだが、今日はくのたまちゃん達が実習で外出するらしく、かち合ってしまった。
でもくのたまちゃん達とは打ち解けたし、もう一緒になっても大丈夫。
「わぁ!名前さん、素敵な櫛!とっても似合ってます」
「えへへ。ありがとう」
「誰かに貰ったんですか?」
トモミちゃんにそう聞かれて、隠す必要がないので素直に伊作くんに貰ったことを話した。
「え…?土井先生じゃなくて?」
「え?うん」
ユキちゃん、トモミちゃん、おしげちゃんの三人は顔を見合わせた。
「「「ええー!!!」」」
食堂で大きな声を出したので、おばちゃんの目がキラリと光った。
それに気づいた私が、三人に「しーっ!!」と人差し指を口に当てて静かにするように促す。
「えっ、だって…ねえ?」
「でも、誰と恋仲になるかは名前さんが決めることだから…」
「おしげ達はてっきり土井先生とお付き合いするものだと思ってました!」
「ちょ、ちょっと待って」
なんで、櫛一つでそんな恋仲になるならないまで話が発展するのよ。
騒ぐ彼女達に私はたじたじだ。
「早く行かないとシナ先生に叱られるわよ」
一人の声で、くのたまちゃん達はバタバタと食堂を出ていった。
「(嵐みたいだった…)」
入れ替わりで土井先生が食堂に入ってきた。
「おはよう」
「おはようございます」
土井先生はお盆を持って、私が腰掛けていた椅子の前に自然と腰を下ろした。
「その櫛は昨日買ったの?」
仙蔵くんとアルバイトしたことを報告したので土井先生は私が今少しお金を持っていることを知っていた。
「これは、伊作くんに貰いました」
「ええっ!?」
土井先生が大きな声を上げたことで、またおばちゃんの目がキラリと光る。
慌てて口を噤んだ土井先生が声を潜めた。
土井先生の慌てぶりに私は首を傾げた。
「櫛をもらったって…その……」
「は、い…?」
彼は握っている箸に力がこもっていて、私も思わず緊張して前のめりになり土井先生の言葉に耳を傾けた。
「二人は…………将来を誓い合ったってことなのかい?」
「え?」
私の口から間抜けな声が漏れた。
「もー…。くのたまちゃん達といい、土井先生まで…」
みんな櫛一つで大げさすぎない?と呆れていたら、土井先生が考え込む様子を見せた。
「そうか…。名前さんは知らないんだね」
「何がですか?」
「櫛を男性が贈る時は求婚する意味合いがあるんだ」
「ええっ!?」
「やっぱり、知らなかったんだね」
初耳だ。
えっ、ちょっと待って…。
それってつまり?
現代で言うところの婚約指輪!?
ええーっと、現代で言い換えると、薬指にダイヤのついた指輪をした友達がいて「彼氏と婚約したの?」って聞いたら「男友達に買ってもらったの、てへ」とか言われたら、そりゃびっくりするわ。
私は慌てて櫛を髪の毛から抜いた。
「ど、どうしましょう…。くのたまちゃん達に伊作くんから貰ったって言っちゃいました」
噂好きの彼女達が電光石火の早さで伊作くんと婚約したって間違った噂流さないだろうか。
ふ、不安……。
「わ、私がなんとかするよ」
「なんとかってどうやって…?」
いつもいつも関係ない土井先生巻き込んで申し訳ない。
「いや、絶対に何とかするから」
私は櫛を手に持ちながら頷いた。
私は手鏡を立てて、その前で苦戦していた。
「うーん、もうちょいこっちの方がいいかな」
髪の毛を梳くのに使うのもいいが、たまにこういう櫛を髪の毛に挿してる人いるよね。
洋服が主流の現代では見かけないが、こっちではたまに見かけた。
「うん、こんな感じかな」
髪紐で髪をまとめてから挿した。
上手く出来てるかわからないが、変ではないだろう。
最近身だしなみを整える物を貰う機会が多かったので、スッピンでみすぼらしかった自分が懐かしい。
私は朝食を食べるために食堂に向かった。
いつも早めに来て一人で食べるのだが、今日はくのたまちゃん達が実習で外出するらしく、かち合ってしまった。
でもくのたまちゃん達とは打ち解けたし、もう一緒になっても大丈夫。
「わぁ!名前さん、素敵な櫛!とっても似合ってます」
「えへへ。ありがとう」
「誰かに貰ったんですか?」
トモミちゃんにそう聞かれて、隠す必要がないので素直に伊作くんに貰ったことを話した。
「え…?土井先生じゃなくて?」
「え?うん」
ユキちゃん、トモミちゃん、おしげちゃんの三人は顔を見合わせた。
「「「ええー!!!」」」
食堂で大きな声を出したので、おばちゃんの目がキラリと光った。
それに気づいた私が、三人に「しーっ!!」と人差し指を口に当てて静かにするように促す。
「えっ、だって…ねえ?」
「でも、誰と恋仲になるかは名前さんが決めることだから…」
「おしげ達はてっきり土井先生とお付き合いするものだと思ってました!」
「ちょ、ちょっと待って」
なんで、櫛一つでそんな恋仲になるならないまで話が発展するのよ。
騒ぐ彼女達に私はたじたじだ。
「早く行かないとシナ先生に叱られるわよ」
一人の声で、くのたまちゃん達はバタバタと食堂を出ていった。
「(嵐みたいだった…)」
入れ替わりで土井先生が食堂に入ってきた。
「おはよう」
「おはようございます」
土井先生はお盆を持って、私が腰掛けていた椅子の前に自然と腰を下ろした。
「その櫛は昨日買ったの?」
仙蔵くんとアルバイトしたことを報告したので土井先生は私が今少しお金を持っていることを知っていた。
「これは、伊作くんに貰いました」
「ええっ!?」
土井先生が大きな声を上げたことで、またおばちゃんの目がキラリと光る。
慌てて口を噤んだ土井先生が声を潜めた。
土井先生の慌てぶりに私は首を傾げた。
「櫛をもらったって…その……」
「は、い…?」
彼は握っている箸に力がこもっていて、私も思わず緊張して前のめりになり土井先生の言葉に耳を傾けた。
「二人は…………将来を誓い合ったってことなのかい?」
「え?」
私の口から間抜けな声が漏れた。
「もー…。くのたまちゃん達といい、土井先生まで…」
みんな櫛一つで大げさすぎない?と呆れていたら、土井先生が考え込む様子を見せた。
「そうか…。名前さんは知らないんだね」
「何がですか?」
「櫛を男性が贈る時は求婚する意味合いがあるんだ」
「ええっ!?」
「やっぱり、知らなかったんだね」
初耳だ。
えっ、ちょっと待って…。
それってつまり?
現代で言うところの婚約指輪!?
ええーっと、現代で言い換えると、薬指にダイヤのついた指輪をした友達がいて「彼氏と婚約したの?」って聞いたら「男友達に買ってもらったの、てへ」とか言われたら、そりゃびっくりするわ。
私は慌てて櫛を髪の毛から抜いた。
「ど、どうしましょう…。くのたまちゃん達に伊作くんから貰ったって言っちゃいました」
噂好きの彼女達が電光石火の早さで伊作くんと婚約したって間違った噂流さないだろうか。
ふ、不安……。
「わ、私がなんとかするよ」
「なんとかってどうやって…?」
いつもいつも関係ない土井先生巻き込んで申し訳ない。
「いや、絶対に何とかするから」
私は櫛を手に持ちながら頷いた。
