【2章】室町パニック
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「一体どこにいるんだ…」
走っても走っても見つからない。
賊に攫われたのでは?
嫌な予感が脳内を支配した。
「(落ち着け、落ち着け……)」
一度立ち止まり逸る心臓に手を当てた。
もし、通りで待っている間に賊に攫われたなら人の往来がまだあったから騒ぎになるはず。
迷子になったとしたら、名前さんならどう動くか。
以前森へ僕を追いかけた時に迷子になった名前さんを思い出した。
「(あの時は、無闇に動かず、崖を拠点にして動いてた…)」
そもそも、彼女があの店から遠く離れたところに僕を置いて一人で行ってしまうとは思えない。
「もしかして…」
僕は思い違いをしていた。
あの時彼女はまだ近くに居て、勘違いして動揺した僕が名前さんを置いて離れてしまったのではないか。
サァァと血の気が引いた。
急いで戻らないと!
あの櫛の店に走って戻った。
途中、小石に蹴躓いても、足を止めることなく必死に動かした。
「あっ!お前さん!」
「え!?」
すれ違ったおじさんに呼び止められて振り向いた。
「伊作くんかい?」
「はい、そうですけど…」
「恋仲の子がずっと待ってるよ」
「え!?」
恋仲って名前さんのこと?
いいな、その響き……じゃなくて!!!
「本当ですか!?」
おじさんに場所を聞くと、やはり当初の店の前から動いてなかったのだ。
どうしてこう、僕は空回りしてしまうんだ。
「ありがとうございます!」
教えてくれたおじさんに別れを告げて、全力で走った。
******************
「(戻ってきてくれるよね…?)」
薬屋のおじさんと別れを告げた後、より一層不安が襲ってきた。
通りに立っているから変な人に絡まれないか、目の前を人が通る度にびくびくしてしまう。
でも隠れたら伊作くんとまたすれ違ってしまうかもしれないし。
なるべく人と目を合わせないように俯いた。
「名前さん!!」
焦がれていた人の声が聞こえて、顔を上げてそっちを見た。
「伊作くん!」
私も走って、伊作くんの傍に駆け寄った。
「良かった、会えた…」
不安から解き放たれて、伊作くんの胸に思わず飛び込んでしまった。
彼はしっかり私を受け止めると、背中に腕を回してきつく抱き締めてくれた。
「本当にごめんなさい。僕、勘違いして名前さんを探しに行ってしまったんです」
「ううん。私の方こそ隣のお店見るって言えばよかった」
ぎゅうっと力を込めて彼の存在を確かめた。
すっかり日が暮れてしまった帰り道。
私達はもう逸れてしまわないように、しっかり手を繋いだ。
学園に近づいた頃、伊作くんは足を止めて風呂敷から買ってくれた櫛を手渡してくれた。
「ありがとう。大事にするね」
受け取った後、私も例の薬屋さんで買った物を出した。
「あの、これ伊作くんに」
「僕に?」
「待ってる間にこれ買ってたの」
渡したのは厄除けのお守りだった。
「神社で買ったものじゃないから、効くかわからないんだけど…」
薬屋さんの端っこで健康祈願とかそういうお守りが置いてあったのが目についたのだ。
正直、薬屋だし…効果は期待してない。
でも不運に見舞われる伊作くんにどうしても渡したかったのだ。
伊作くんはパアアと目を輝かせていた。
「ありがとうございます!肌身放さず持ってます!」
そんなに喜んで貰えたならよかった。
ニコニコと笑顔の伊作くんに、私まで笑顔になる。
プレゼント交換を終えたところで、学園の戸を潜ろうとしたとき、中から戸が開いた。
「ぶっ!!!」
戸が伊作くんに当たって、倒れてしまった。
「い、伊作!?すまない。大丈夫か?」
中から出てきたのは土井先生だった。
「二人が遅いから、また何かに巻き込まれたんじゃないかと思って探しに行こうと思ってたんだ」
「だ、だいじょうぶれす…」
赤くなった顔を擦りながら、伊作くんは学園内に足を踏み入れた。
やっぱり神社で買えばよかった…。
走っても走っても見つからない。
賊に攫われたのでは?
嫌な予感が脳内を支配した。
「(落ち着け、落ち着け……)」
一度立ち止まり逸る心臓に手を当てた。
もし、通りで待っている間に賊に攫われたなら人の往来がまだあったから騒ぎになるはず。
迷子になったとしたら、名前さんならどう動くか。
以前森へ僕を追いかけた時に迷子になった名前さんを思い出した。
「(あの時は、無闇に動かず、崖を拠点にして動いてた…)」
そもそも、彼女があの店から遠く離れたところに僕を置いて一人で行ってしまうとは思えない。
「もしかして…」
僕は思い違いをしていた。
あの時彼女はまだ近くに居て、勘違いして動揺した僕が名前さんを置いて離れてしまったのではないか。
サァァと血の気が引いた。
急いで戻らないと!
あの櫛の店に走って戻った。
途中、小石に蹴躓いても、足を止めることなく必死に動かした。
「あっ!お前さん!」
「え!?」
すれ違ったおじさんに呼び止められて振り向いた。
「伊作くんかい?」
「はい、そうですけど…」
「恋仲の子がずっと待ってるよ」
「え!?」
恋仲って名前さんのこと?
いいな、その響き……じゃなくて!!!
「本当ですか!?」
おじさんに場所を聞くと、やはり当初の店の前から動いてなかったのだ。
どうしてこう、僕は空回りしてしまうんだ。
「ありがとうございます!」
教えてくれたおじさんに別れを告げて、全力で走った。
******************
「(戻ってきてくれるよね…?)」
薬屋のおじさんと別れを告げた後、より一層不安が襲ってきた。
通りに立っているから変な人に絡まれないか、目の前を人が通る度にびくびくしてしまう。
でも隠れたら伊作くんとまたすれ違ってしまうかもしれないし。
なるべく人と目を合わせないように俯いた。
「名前さん!!」
焦がれていた人の声が聞こえて、顔を上げてそっちを見た。
「伊作くん!」
私も走って、伊作くんの傍に駆け寄った。
「良かった、会えた…」
不安から解き放たれて、伊作くんの胸に思わず飛び込んでしまった。
彼はしっかり私を受け止めると、背中に腕を回してきつく抱き締めてくれた。
「本当にごめんなさい。僕、勘違いして名前さんを探しに行ってしまったんです」
「ううん。私の方こそ隣のお店見るって言えばよかった」
ぎゅうっと力を込めて彼の存在を確かめた。
すっかり日が暮れてしまった帰り道。
私達はもう逸れてしまわないように、しっかり手を繋いだ。
学園に近づいた頃、伊作くんは足を止めて風呂敷から買ってくれた櫛を手渡してくれた。
「ありがとう。大事にするね」
受け取った後、私も例の薬屋さんで買った物を出した。
「あの、これ伊作くんに」
「僕に?」
「待ってる間にこれ買ってたの」
渡したのは厄除けのお守りだった。
「神社で買ったものじゃないから、効くかわからないんだけど…」
薬屋さんの端っこで健康祈願とかそういうお守りが置いてあったのが目についたのだ。
正直、薬屋だし…効果は期待してない。
でも不運に見舞われる伊作くんにどうしても渡したかったのだ。
伊作くんはパアアと目を輝かせていた。
「ありがとうございます!肌身放さず持ってます!」
そんなに喜んで貰えたならよかった。
ニコニコと笑顔の伊作くんに、私まで笑顔になる。
プレゼント交換を終えたところで、学園の戸を潜ろうとしたとき、中から戸が開いた。
「ぶっ!!!」
戸が伊作くんに当たって、倒れてしまった。
「い、伊作!?すまない。大丈夫か?」
中から出てきたのは土井先生だった。
「二人が遅いから、また何かに巻き込まれたんじゃないかと思って探しに行こうと思ってたんだ」
「だ、だいじょうぶれす…」
赤くなった顔を擦りながら、伊作くんは学園内に足を踏み入れた。
やっぱり神社で買えばよかった…。
