【2章】室町パニック
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私は甘く見ていたのかもしれない。
室町という時代を。
たかがうどん屋さんの給仕だと思ってた。
お尻触られるなんて、驚いたけど滅多にあることじゃないって思った。
ただ、ひどいお客さんがたまたま一人いるだけだって。
でもよく考えたら、一番はじめに土井先生に連れてきてもらったときだって、ちょっとぶつかっただけなのに絡まれたし。
「やめてください!」
また触られて、パシッ!と腕を払った。
「なんだよ、ちょっとぐらいいいじゃねぇか」
「お客様、ちょっと」
仙子ちゃんが私の身体を触った男の腕を捻り上げて、外に放り出した。
「せ、仙子ちゃん。困るよぉ。一応お客さんだからさぁ…」
「困るのはこっちですよ」
私が触られて、仙子ちゃんが追い出して、店主が仙子ちゃんを宥める…というやりとりをもう何度したことだろうか。
うどん屋なのにこんなに触られることある!?と思ったが、ここは時代が違う。
現代みたいにちゃんと警察が機能してないんだ。
だから多少の揉め事を覚悟で、好き勝手できるんだ。
現代は義務教育があるからある程度の常識は社会で叩き込まれる。
でもここはそういうのがないから無法者も多い。
仙子ちゃんが私を表に出すのを嫌がったのは、追手に見つかるとかそういうのもあるのかもしれないけど、こういった輩と引き合わせないためだったのかも…と今さら気づいた。
忍術学園がいかにまともな場所かよくわかった。
「名前さん、もうアルバイト切り上げましょう。店主に交渉してきます」
「でも…まだこんなにお客さんいるし、せっかくここまで頑張ったし。お昼時も過ぎたから、もうすぐ人が引くと思う。最後まで頑張るよ」
「ですが…」
仙子ちゃんは私の身体に視線を落とした。
「大丈夫!なんかもう触られるのも慣れてきたっていうか!」
ほんとは吐くほど嫌だけど、でも元々アルバイトしたいと言い出したのは私だ。
ここで諦めたら、諦め癖がつく気がする。
「わかりました。………名前さん、これを今から各机のお品書きに貼ってください」
仙子ちゃんは小さく切った半紙に何かを手早く書くと、それを私に渡した。
それをさらに何枚も作り始めた。
「わかった」
私は言われた通り、全てのお品書きに半紙を貼り付けた。
それからというもの…。
「(お触りがなくなった……)」
たまに触られていた不快感が全く無くなった。
仙子ちゃんが作ってくれたのはもしかして❝お触り禁止❞の注意書きだったのかな…?
あとでお礼言わないと…と思いながら、今席を立ったお客さんの机を拭いた。
空いた席にまたすぐに若い二人組の客が入った。
「何頼もうかなぁ」
「おっ!見てみろよ、ここ」
「おお。この店、お触りやってんのか」
ええ!?
男性客の会話に目を剥いた。
「にしてもたっけぇな」
「そりゃそうだろ。あの美人なねーちゃんの尻触れるんだから、これでも安いぐらいだろ」
二人の視線を追うと、仙子ちゃんが視界に入った。
もしかしてあの追加で貼った半紙に書かれてるのって…。
それから、給仕をこなしつつ、仙子ちゃんを観察すると、やはり今度は仙子ちゃんがお尻を触られていた。
そしてその場でお金を受け取って、懐にしまっていた。
やっぱり。
仙子ちゃんがお触り代を作って、犠牲になって守ってくれてるんだ。
私はギュッと布巾を握りしめた。
室町という時代を。
たかがうどん屋さんの給仕だと思ってた。
お尻触られるなんて、驚いたけど滅多にあることじゃないって思った。
ただ、ひどいお客さんがたまたま一人いるだけだって。
でもよく考えたら、一番はじめに土井先生に連れてきてもらったときだって、ちょっとぶつかっただけなのに絡まれたし。
「やめてください!」
また触られて、パシッ!と腕を払った。
「なんだよ、ちょっとぐらいいいじゃねぇか」
「お客様、ちょっと」
仙子ちゃんが私の身体を触った男の腕を捻り上げて、外に放り出した。
「せ、仙子ちゃん。困るよぉ。一応お客さんだからさぁ…」
「困るのはこっちですよ」
私が触られて、仙子ちゃんが追い出して、店主が仙子ちゃんを宥める…というやりとりをもう何度したことだろうか。
うどん屋なのにこんなに触られることある!?と思ったが、ここは時代が違う。
現代みたいにちゃんと警察が機能してないんだ。
だから多少の揉め事を覚悟で、好き勝手できるんだ。
現代は義務教育があるからある程度の常識は社会で叩き込まれる。
でもここはそういうのがないから無法者も多い。
仙子ちゃんが私を表に出すのを嫌がったのは、追手に見つかるとかそういうのもあるのかもしれないけど、こういった輩と引き合わせないためだったのかも…と今さら気づいた。
忍術学園がいかにまともな場所かよくわかった。
「名前さん、もうアルバイト切り上げましょう。店主に交渉してきます」
「でも…まだこんなにお客さんいるし、せっかくここまで頑張ったし。お昼時も過ぎたから、もうすぐ人が引くと思う。最後まで頑張るよ」
「ですが…」
仙子ちゃんは私の身体に視線を落とした。
「大丈夫!なんかもう触られるのも慣れてきたっていうか!」
ほんとは吐くほど嫌だけど、でも元々アルバイトしたいと言い出したのは私だ。
ここで諦めたら、諦め癖がつく気がする。
「わかりました。………名前さん、これを今から各机のお品書きに貼ってください」
仙子ちゃんは小さく切った半紙に何かを手早く書くと、それを私に渡した。
それをさらに何枚も作り始めた。
「わかった」
私は言われた通り、全てのお品書きに半紙を貼り付けた。
それからというもの…。
「(お触りがなくなった……)」
たまに触られていた不快感が全く無くなった。
仙子ちゃんが作ってくれたのはもしかして❝お触り禁止❞の注意書きだったのかな…?
あとでお礼言わないと…と思いながら、今席を立ったお客さんの机を拭いた。
空いた席にまたすぐに若い二人組の客が入った。
「何頼もうかなぁ」
「おっ!見てみろよ、ここ」
「おお。この店、お触りやってんのか」
ええ!?
男性客の会話に目を剥いた。
「にしてもたっけぇな」
「そりゃそうだろ。あの美人なねーちゃんの尻触れるんだから、これでも安いぐらいだろ」
二人の視線を追うと、仙子ちゃんが視界に入った。
もしかしてあの追加で貼った半紙に書かれてるのって…。
それから、給仕をこなしつつ、仙子ちゃんを観察すると、やはり今度は仙子ちゃんがお尻を触られていた。
そしてその場でお金を受け取って、懐にしまっていた。
やっぱり。
仙子ちゃんがお触り代を作って、犠牲になって守ってくれてるんだ。
私はギュッと布巾を握りしめた。
