【2章】室町パニック
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やってしまった…。
名前さんの悲しそうな表情が脳裏に焼き付いている。
紅がひかれただけでも彼女の魅力は一段と増して見えた。
ただその入手経路を聞かされて胸につっかえるものを感じたのだ。
利吉くんの紹介だから安全な忍務だとは思っていたけれど、それでも気になって、名前さんが出ていった後は大丈夫だろうかと気がそぞろになっていた。
本来忍務の内容は極秘であると分かっているが、名前さんなら素直に教えてくれそうだと思い、つついてみたら、しばらく考えた後想定通り教えてくれた。
内容は想定外だったが。
まさか利吉くんがそんなことを彼女に頼んでいただなんて。
忍務のお礼に…ならまだギリギリ理解できるが、その内容が名前さんとの逢瀬となると話が変わってくる。
ただのお礼だとは思えない。
まさか利吉くんも彼女のことを…?
接点と言えば利吉くんが学園に来た時に挨拶をするぐらいだと認識していた。
それに利吉くんは女性から人気があるので、素性があやふやな名前さんのことを気に留めるとは思えなかったのだ。
伊作が名前さんに好意を寄せていそうだとは思っていたが。
まさかの伏兵に内心動揺した。
名前さんの唇にのった紅が他の男からの贈り物だと知ったら、先程はあんなに綺麗だと思っていたのに嫉妬の感情が生まれた。
名前さんを綺麗にしたのは彼なのだと。
昨日の逢瀬で2人の距離がどこまで近づいたのかわからない…。
まさか恋仲になってないよな?
紅なら私が新しく買ってあげるから。
だから、その紅は落としてほしくて。
素直にそう言えばよかったのに。
捻くれた言い方で伝えてしまった結果、悲しませてしまった。
***************
その日の夜。
私は利吉さんに貰った紅の前で溜息を吐いた。
あの後、井戸水で口を拭い紅を落とした。
紅と一緒に私の朝のテンションも洗い流されてしまった。
せっかく貰ったのになぁ。
学園でつけちゃだめってなると、使い所が無い。
お洒落したかった。
たかが紅、されど紅。
せっかく買ってくれた利吉さんにも申し訳ない。
このまま使わずに居たら、だめになってしまうだろう。
現代の紅とは違って傷みやすいはずだ。
自室だけだったらきっといいよね?
今日はもうあと寝るだけ。
土井先生の主張だと、生徒に会わなきゃいいんだから。
私は小指に紅をのせると薄く引いた。
蝋燭の灯りを頼りに、借りている手鏡で上手く引けているか確認する。
「うん、やっぱり綺麗な色」
本当はこれをつけて外に出たいけど。
特に仙蔵くんに見てほしい。
彼は化粧に詳しいから。
でもそれは叶わない。
つけたまま寝たら唇が傷んでしまうだろうから、皆が寝た後、誰にも見られないように落としに行かなきゃ。
そう思っていたら、コンコンと障子の木枠をノックする音が聞こえた。
「はい」
障子を開けると土井先生が立っていた。
先生は私の顔を見たら驚いた様子で。
「あっ」と思わず口元に手をやった。
「あの、これは…。部屋でだけだったらいいかなって思って…。後で皆が寝た後に、誰にも会わないように気をつけて落としに行きます。だから…」
もうちょっとだけこのままでいたいです。
せっかく今つけたばかりなのに、すぐに落としに行けって言われたら悲しい。
だからペラペラと言い訳しながら懇願した。
「名前さんは…」
土井先生を見上げると、眉を寄せて少し苦々しい表情をしていた。
「そんなに利吉くんのことを想っているのかい?」
「え?」
また注意されちゃうかもって思っていた私は、想定していない問いかけに間抜けな声が出た。
名前さんの悲しそうな表情が脳裏に焼き付いている。
紅がひかれただけでも彼女の魅力は一段と増して見えた。
ただその入手経路を聞かされて胸につっかえるものを感じたのだ。
利吉くんの紹介だから安全な忍務だとは思っていたけれど、それでも気になって、名前さんが出ていった後は大丈夫だろうかと気がそぞろになっていた。
本来忍務の内容は極秘であると分かっているが、名前さんなら素直に教えてくれそうだと思い、つついてみたら、しばらく考えた後想定通り教えてくれた。
内容は想定外だったが。
まさか利吉くんがそんなことを彼女に頼んでいただなんて。
忍務のお礼に…ならまだギリギリ理解できるが、その内容が名前さんとの逢瀬となると話が変わってくる。
ただのお礼だとは思えない。
まさか利吉くんも彼女のことを…?
接点と言えば利吉くんが学園に来た時に挨拶をするぐらいだと認識していた。
それに利吉くんは女性から人気があるので、素性があやふやな名前さんのことを気に留めるとは思えなかったのだ。
伊作が名前さんに好意を寄せていそうだとは思っていたが。
まさかの伏兵に内心動揺した。
名前さんの唇にのった紅が他の男からの贈り物だと知ったら、先程はあんなに綺麗だと思っていたのに嫉妬の感情が生まれた。
名前さんを綺麗にしたのは彼なのだと。
昨日の逢瀬で2人の距離がどこまで近づいたのかわからない…。
まさか恋仲になってないよな?
紅なら私が新しく買ってあげるから。
だから、その紅は落としてほしくて。
素直にそう言えばよかったのに。
捻くれた言い方で伝えてしまった結果、悲しませてしまった。
***************
その日の夜。
私は利吉さんに貰った紅の前で溜息を吐いた。
あの後、井戸水で口を拭い紅を落とした。
紅と一緒に私の朝のテンションも洗い流されてしまった。
せっかく貰ったのになぁ。
学園でつけちゃだめってなると、使い所が無い。
お洒落したかった。
たかが紅、されど紅。
せっかく買ってくれた利吉さんにも申し訳ない。
このまま使わずに居たら、だめになってしまうだろう。
現代の紅とは違って傷みやすいはずだ。
自室だけだったらきっといいよね?
今日はもうあと寝るだけ。
土井先生の主張だと、生徒に会わなきゃいいんだから。
私は小指に紅をのせると薄く引いた。
蝋燭の灯りを頼りに、借りている手鏡で上手く引けているか確認する。
「うん、やっぱり綺麗な色」
本当はこれをつけて外に出たいけど。
特に仙蔵くんに見てほしい。
彼は化粧に詳しいから。
でもそれは叶わない。
つけたまま寝たら唇が傷んでしまうだろうから、皆が寝た後、誰にも見られないように落としに行かなきゃ。
そう思っていたら、コンコンと障子の木枠をノックする音が聞こえた。
「はい」
障子を開けると土井先生が立っていた。
先生は私の顔を見たら驚いた様子で。
「あっ」と思わず口元に手をやった。
「あの、これは…。部屋でだけだったらいいかなって思って…。後で皆が寝た後に、誰にも会わないように気をつけて落としに行きます。だから…」
もうちょっとだけこのままでいたいです。
せっかく今つけたばかりなのに、すぐに落としに行けって言われたら悲しい。
だからペラペラと言い訳しながら懇願した。
「名前さんは…」
土井先生を見上げると、眉を寄せて少し苦々しい表情をしていた。
「そんなに利吉くんのことを想っているのかい?」
「え?」
また注意されちゃうかもって思っていた私は、想定していない問いかけに間抜けな声が出た。
