【2章】室町パニック
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私の気分は最高潮だった。
お金は得られなかったけど、あんなに素敵な紅が手元にあるだけでテンション上がる。
翌朝、私はさっそく貰った紅をつけた。
「これぐらい…かな」
やはりそれは上品な色合いで、つけた瞬間に自分の女度合いがぐっと上がった気がした。
朝の掃き掃除をしようと障子を開けて廊下に出た。
すると、隣の障子も開いた。
「おはよう、名前さん」
「土井先生、おはようございます」
土井先生は私が紅をつけていることにすぐに気づいてくれた。
「素敵な紅だね。とても似合ってる。昨日買ったの?」
「はい。利吉さんが買ってくださいました」
「利吉くんが?忍務で貰った銭で買ったんじゃなくて?」
「あ、忍務(?)は報酬頂くほどのものじゃなくて…。断ったら、この紅を代わりに贈ってくださったんです」
「へえ…」
私何か変なこと言ったかな?
土井先生は少し眉を寄せた。
「結局…忍務ってどんなものだったんだい?」
利吉さんは忍務の内容は人に話しちゃいけないって言ってたけど、あれは結局忍務じゃなかったわけだし…。
私の外出許可を取る方便だったんだよね?
隠しておくような内容かと聞かれたら、そうでもない気がする。
口止めされてもないから大丈夫かな…。
「利吉さん、忍務でお疲れだから癒やして欲しいって頼まれて」
「ええ!?」
そうだよね、私も最初はびっくりした。
「ただ町をぶらぶらしただけです。お団子も食べさせてもらっちゃいました」
みたらし団子美味しかったなぁ…。
思い出したらお腹が空いてくる。
ずっと学園に居た私にとっては、とてもいい息抜きになった。
それに、思い返したら結局のところ、利吉さんとただデートしたってことだよね?
あんな素敵な男性とデートできるなんてこの先ないかもしれない。
メソメソしてないでもっとデート楽しめばよかったかも…と今更ながらに思えた。
「そう、だったんだね」
土井先生はなんとも言えない表情をしていた。
「あ、ごめんなさい。お手伝いサボってしまって」
そりゃ他の皆勤務中なのに、忍務に行ったはずの私がサボって団子食べて買い物してたって分かったら良い気しないよね。
やっぱり内緒にすべきだった。
「いや、そうしゃないんだ。楽しかったならいいんだ。うん…。でも、そうだな」
土井先生はモゴモゴと何か言いたそうにしている。
「ゴホン。ここは学舎で、五·六年生は多感な年頃だから、そういうのは控えた方がいいかな」
咳払いをして、想像していなかった言葉が出てきた。
そっか…。
シナ先生はばっちり化粧してるし、皆女装の授業で普通に化粧してるから勝手にいいものだと思ってた。
「それに名前さんに化粧は必要無いと思う」
多分、優しい土井先生は私を傷つける意図なんてないと思う。
わかってるけど…。
「ごめんなさい…。落としてきます」
私は土井先生に背を向けて井戸に向かった。
お金は得られなかったけど、あんなに素敵な紅が手元にあるだけでテンション上がる。
翌朝、私はさっそく貰った紅をつけた。
「これぐらい…かな」
やはりそれは上品な色合いで、つけた瞬間に自分の女度合いがぐっと上がった気がした。
朝の掃き掃除をしようと障子を開けて廊下に出た。
すると、隣の障子も開いた。
「おはよう、名前さん」
「土井先生、おはようございます」
土井先生は私が紅をつけていることにすぐに気づいてくれた。
「素敵な紅だね。とても似合ってる。昨日買ったの?」
「はい。利吉さんが買ってくださいました」
「利吉くんが?忍務で貰った銭で買ったんじゃなくて?」
「あ、忍務(?)は報酬頂くほどのものじゃなくて…。断ったら、この紅を代わりに贈ってくださったんです」
「へえ…」
私何か変なこと言ったかな?
土井先生は少し眉を寄せた。
「結局…忍務ってどんなものだったんだい?」
利吉さんは忍務の内容は人に話しちゃいけないって言ってたけど、あれは結局忍務じゃなかったわけだし…。
私の外出許可を取る方便だったんだよね?
隠しておくような内容かと聞かれたら、そうでもない気がする。
口止めされてもないから大丈夫かな…。
「利吉さん、忍務でお疲れだから癒やして欲しいって頼まれて」
「ええ!?」
そうだよね、私も最初はびっくりした。
「ただ町をぶらぶらしただけです。お団子も食べさせてもらっちゃいました」
みたらし団子美味しかったなぁ…。
思い出したらお腹が空いてくる。
ずっと学園に居た私にとっては、とてもいい息抜きになった。
それに、思い返したら結局のところ、利吉さんとただデートしたってことだよね?
あんな素敵な男性とデートできるなんてこの先ないかもしれない。
メソメソしてないでもっとデート楽しめばよかったかも…と今更ながらに思えた。
「そう、だったんだね」
土井先生はなんとも言えない表情をしていた。
「あ、ごめんなさい。お手伝いサボってしまって」
そりゃ他の皆勤務中なのに、忍務に行ったはずの私がサボって団子食べて買い物してたって分かったら良い気しないよね。
やっぱり内緒にすべきだった。
「いや、そうしゃないんだ。楽しかったならいいんだ。うん…。でも、そうだな」
土井先生はモゴモゴと何か言いたそうにしている。
「ゴホン。ここは学舎で、五·六年生は多感な年頃だから、そういうのは控えた方がいいかな」
咳払いをして、想像していなかった言葉が出てきた。
そっか…。
シナ先生はばっちり化粧してるし、皆女装の授業で普通に化粧してるから勝手にいいものだと思ってた。
「それに名前さんに化粧は必要無いと思う」
多分、優しい土井先生は私を傷つける意図なんてないと思う。
わかってるけど…。
「ごめんなさい…。落としてきます」
私は土井先生に背を向けて井戸に向かった。
