【2章】室町パニック
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お金が欲しい。
大事なことだから2回言う。
お金が欲しい。
最初は生活に慣れるため、必死だったので3食付いててお部屋も貸してもらえて本当にありがたかった。
しかしちょっと生活に慣れたら、やはり借り物だけでは厳しいと思うときがある。
あと今までお世話になってる、特に土井先生、伊作くん、仙蔵くんには何か贈り物がしたい。
そのためバイト的なものがしたいのだが、そもそも学園から出られない私には難しい。
「名前さん、ちょっといいっすか?」
今日は学園がお休みで、やることがない私は縁側に座っていた。
「どうしたの?きり丸くん」
「実は、今日は誰も内職手伝ってくれる人がいなくて、もし暇なら手伝ってもらえないかなぁーって」
「いいよ!」
井戸の鶴瓶を上げてくれたり、私が苦手なことを沢山手伝ってもらっているので、今度は私が恩を返す番だ。
きり丸くんに連れられて部屋に着くと、筆の材料が机に置かれていた。
「筆を作る内職なんですけど…」
「どうやってやるか教えてもらっていい?」
きり丸くんは、素早く手本を見せてくれた。
「わかった!やってみるね」
黙々と机に向かって作業する。
そして途中で思った。
私も内職で稼げないかな?
きり丸くんに紹介料払って。
うーん、でも1年生にそんなことさせるなんて良くないかな。
「どうかしましたか?」
じーっときり丸くんを見続けてしまった。
「ううん、何でもない」
もうちょっと悩もう。
そう思い、再び黙々と手を動かした。
しばらく没頭していると、向かいで作業していたきり丸くんが私の横に腰を下ろした。
「あのー…非常に言いづらいんスけど」
「なに?」
「もうちょっと…こう、まっすぐに…」
きり丸くんは一生懸命言葉を選んでいたが、言いたいことがすぐにわかった。
下手くそってことだ。
「ご、ごめん…」
きり丸くんが作ったやつを見ると、私のより格段に綺麗だ。
適当にやったわけではない。
「おーい、きり丸、そっちはどんな感じだ?」
障子を開けて入ってきた土井先生は背中に赤ちゃんを背負っていた。
「え!?!?」
驚きすぎて持っていた筆を落としてしまった。
慌てて拾うと、土井先生の表情も慌てていた。
「あっ、これは!アルバイトで預かった赤ん坊で」
「土井先生、は組で忙しいのに、アルバイトまでしてるんですか…」
忍者ってそんなに安月給なの?
私が驚いていると、きり丸くんがちょんちょんと私の小袖を引っ張った。
「俺のアルバイトを手伝ってもらってるんです」
余計にこんがらがった。
担任の先生が、生徒のアルバイト手伝うの?
自由すぎない?
現代なら考えられない構図だ。
「あはは。まぁ…そういうことです」
うん、室町なら普通の光景なんだろう。
きっとそう。
深く考えるのはやめにした。
「土井先生、名前さんの方手伝ってください」
「大丈夫?」
きり丸くんは自分の机に戻り、土井先生は私の隣に腰を下ろした。
「ごめんなさい、上手く巻けなくて…」
「最初は難しいよ。こうやって、ここを押さえるとやりやすい」
土井先生は私の手の上から被せて指南してくれた。
「あ、ほんとだ」
「だろ?」
土井先生が手伝ってくれた筆はさっきより格段に綺麗だった。
次の筆を手に取ったとき、土井先生が背負っていた赤ちゃんが泣き出した。
「おしめかな」
土井先生はその場に下ろすと手早く赤ちゃんのおしめを変えた。
「(そっか…こっちは紙オムツが無いんだ)」
その後は飴湯と呼ばれる赤ちゃん用の飲み物をあげていたり、現代人の私は初めて見る光景だった。
赤ちゃんを預かるアルバイトなんて私には到底できそうもない。
小さな生命に責任を持つ自信がなかった。
赤ちゃんを寝かしつけた土井先生は布団に下ろして、再び私の隣に座った。
次々量産されていく筆。
私の倍程のスピードで、かつ見比べても圧倒的に土井先生が作ったやつの方が上手い。
内職ならできるかも…って思った自分が甘かった。
請け負うからには自分一人で完遂させることが前提だ。
これらの内職を、求められるクオリティで自分一人で期日までに仕上げる自信は到底なかった。
「(内職もダメか…)」
私の中できり丸くんに内職を紹介してもらう案が消えた瞬間だった。
大事なことだから2回言う。
お金が欲しい。
最初は生活に慣れるため、必死だったので3食付いててお部屋も貸してもらえて本当にありがたかった。
しかしちょっと生活に慣れたら、やはり借り物だけでは厳しいと思うときがある。
あと今までお世話になってる、特に土井先生、伊作くん、仙蔵くんには何か贈り物がしたい。
そのためバイト的なものがしたいのだが、そもそも学園から出られない私には難しい。
「名前さん、ちょっといいっすか?」
今日は学園がお休みで、やることがない私は縁側に座っていた。
「どうしたの?きり丸くん」
「実は、今日は誰も内職手伝ってくれる人がいなくて、もし暇なら手伝ってもらえないかなぁーって」
「いいよ!」
井戸の鶴瓶を上げてくれたり、私が苦手なことを沢山手伝ってもらっているので、今度は私が恩を返す番だ。
きり丸くんに連れられて部屋に着くと、筆の材料が机に置かれていた。
「筆を作る内職なんですけど…」
「どうやってやるか教えてもらっていい?」
きり丸くんは、素早く手本を見せてくれた。
「わかった!やってみるね」
黙々と机に向かって作業する。
そして途中で思った。
私も内職で稼げないかな?
きり丸くんに紹介料払って。
うーん、でも1年生にそんなことさせるなんて良くないかな。
「どうかしましたか?」
じーっときり丸くんを見続けてしまった。
「ううん、何でもない」
もうちょっと悩もう。
そう思い、再び黙々と手を動かした。
しばらく没頭していると、向かいで作業していたきり丸くんが私の横に腰を下ろした。
「あのー…非常に言いづらいんスけど」
「なに?」
「もうちょっと…こう、まっすぐに…」
きり丸くんは一生懸命言葉を選んでいたが、言いたいことがすぐにわかった。
下手くそってことだ。
「ご、ごめん…」
きり丸くんが作ったやつを見ると、私のより格段に綺麗だ。
適当にやったわけではない。
「おーい、きり丸、そっちはどんな感じだ?」
障子を開けて入ってきた土井先生は背中に赤ちゃんを背負っていた。
「え!?!?」
驚きすぎて持っていた筆を落としてしまった。
慌てて拾うと、土井先生の表情も慌てていた。
「あっ、これは!アルバイトで預かった赤ん坊で」
「土井先生、は組で忙しいのに、アルバイトまでしてるんですか…」
忍者ってそんなに安月給なの?
私が驚いていると、きり丸くんがちょんちょんと私の小袖を引っ張った。
「俺のアルバイトを手伝ってもらってるんです」
余計にこんがらがった。
担任の先生が、生徒のアルバイト手伝うの?
自由すぎない?
現代なら考えられない構図だ。
「あはは。まぁ…そういうことです」
うん、室町なら普通の光景なんだろう。
きっとそう。
深く考えるのはやめにした。
「土井先生、名前さんの方手伝ってください」
「大丈夫?」
きり丸くんは自分の机に戻り、土井先生は私の隣に腰を下ろした。
「ごめんなさい、上手く巻けなくて…」
「最初は難しいよ。こうやって、ここを押さえるとやりやすい」
土井先生は私の手の上から被せて指南してくれた。
「あ、ほんとだ」
「だろ?」
土井先生が手伝ってくれた筆はさっきより格段に綺麗だった。
次の筆を手に取ったとき、土井先生が背負っていた赤ちゃんが泣き出した。
「おしめかな」
土井先生はその場に下ろすと手早く赤ちゃんのおしめを変えた。
「(そっか…こっちは紙オムツが無いんだ)」
その後は飴湯と呼ばれる赤ちゃん用の飲み物をあげていたり、現代人の私は初めて見る光景だった。
赤ちゃんを預かるアルバイトなんて私には到底できそうもない。
小さな生命に責任を持つ自信がなかった。
赤ちゃんを寝かしつけた土井先生は布団に下ろして、再び私の隣に座った。
次々量産されていく筆。
私の倍程のスピードで、かつ見比べても圧倒的に土井先生が作ったやつの方が上手い。
内職ならできるかも…って思った自分が甘かった。
請け負うからには自分一人で完遂させることが前提だ。
これらの内職を、求められるクオリティで自分一人で期日までに仕上げる自信は到底なかった。
「(内職もダメか…)」
私の中できり丸くんに内職を紹介してもらう案が消えた瞬間だった。
