【2章】室町パニック
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あー、恥ずかしい。
どんな顔して土井先生に会ったらいいんだろう。
横になりながら土井先生の胸に顔を埋めて、その温もりに身も心も温かくなった。
話したいことだけ話して、あとは聞かないでね、という私のわがままも全部受け入れてくれて。
安心した私はいつの間にか眠ってしまった。
起きたら土井先生は居なくなってた。
朝日が差し込み、また今日も1日が始まる。
壁の向こうででカタンと音がして、身体が跳ねた。
土井先生起きたのかな?
どきどきしながら視線を壁に向けると、山田先生と何かボソボソ会話しているようだ。
「よし」
今日も1日頑張ろう。
私は顔を洗うために井戸に来た。
いつものように鶴瓶を落とそうとしたとき、パタパタと複数の足音が駆けてきた。
「名前さーん!!」
「あ、乱太郎くん、きり丸くん、しんべヱくん」
「僕達お手伝いしまーす!!」
「え?」
「土井先生が、名前さんが困っている時はお手伝いするようにって」
「土井先生が?」
賑やか3人組は私が持っていた鶴瓶の縄に手を掛けた。
「お姫様なら井戸水汲むのも一苦労でしょう?私達に任せてください」
「え?お姫様?」
「あれ?違いました?みんなそう言ってます!」
そんな噂がもう回っているのか。
「かもしれないってだけだよ。私記憶ないから。あはは」と濁して答えた。
「力仕事代わるかわりに、簡単な内職手伝って欲しいなぁーなんて」
「もう、きりちゃん!!」
「内職?うん、お手伝いするよ」
「やったぁ!!!」
むしろ力仕事をこんな小さな子供たちに代わってもらうなんて、なんて情けない話なんだ。
苦笑している間に、鶴瓶を3人は引き上げてくれた。
「ありがとう」
「みんなで顔を洗いましょう!」
4人並んでパシャパシャと顔を洗った。
*********************
廊下を歩いていたら、仙蔵くんが見えた。
ひらひらと手を振ると、わずかに口元を緩ませて私の元へやってきた。
「今日の放課後、時間ありますか?」
「いつでもありますよ?」
仙蔵くんはその答えが分かっていたのだろう。
一つ頷いて外に目をやった。
「今日は天気がいいので。放課後、作法委員会にまで御出願えますか?」
「うん、わかった。何したらいいの?」
「放課後のお楽しみです」
お楽しみ、ということは何かお手伝いをして欲しいわけじゃないのかな?
これ以上聞くのは無粋だと思い、私はただ放課後を楽しみに1日を過ごした。
********************
「作法委員会ってここだったよね」
前に生首フィギュアのお手入れのお手伝いをしたときに訪れていた。
「失礼します」
中を覗くと仙蔵くんが何やら準備していた。
「お待ちしてました。こちらへどうぞ」
「もしかして…」
促された場所へ座ると、目の前には化粧道具が並べられていた。
「ええ。本日は名前さんに化粧をさせて頂きたいのです」
「えー、嬉しい!」
可愛らしい貝殻の中には紅が入っていた。
「希望はありますか?」
「え、なんだろ。可愛くしてください」
「ふふ。承知しました」
仙蔵くんは細くて長い指を私の顔に這わせた。
目を開けたままでいると、仙蔵くんの綺麗な目が私の唇を見ているのだとありありと分かって恥ずかしい。
目、閉じようかな。
そっと閉じると、頬に添えていた指がぴくりと動いた。
「まるで口づけをする前のようだ」
「ええっ!?」
「あ、動かないでください」
「仙蔵くんが変なこと言うから!」
バチッと目を開けたら、仙蔵くんがクスクス笑っていた。
「この間の仕返しです」
この間って…まさか仙蔵くんと鉢屋くんを見抜く時に言ったあれをまだ根に持ってたの!?
仙蔵くんは私の顎を掬うと指先でツウ…と唇を撫でた。
「やはり橙系が似合いますね」
紅をのせてくれているらしい。
しかし、その指がわざと扇情的に動かされている気がする。
「ん…」
恥ずかしくなって再び目を閉じた。
こんなに緊張しているのは私だけだろう。
とにかく仙蔵くんの作業が終わるのをひたすら動かずに待った。
どんな顔して土井先生に会ったらいいんだろう。
横になりながら土井先生の胸に顔を埋めて、その温もりに身も心も温かくなった。
話したいことだけ話して、あとは聞かないでね、という私のわがままも全部受け入れてくれて。
安心した私はいつの間にか眠ってしまった。
起きたら土井先生は居なくなってた。
朝日が差し込み、また今日も1日が始まる。
壁の向こうででカタンと音がして、身体が跳ねた。
土井先生起きたのかな?
どきどきしながら視線を壁に向けると、山田先生と何かボソボソ会話しているようだ。
「よし」
今日も1日頑張ろう。
私は顔を洗うために井戸に来た。
いつものように鶴瓶を落とそうとしたとき、パタパタと複数の足音が駆けてきた。
「名前さーん!!」
「あ、乱太郎くん、きり丸くん、しんべヱくん」
「僕達お手伝いしまーす!!」
「え?」
「土井先生が、名前さんが困っている時はお手伝いするようにって」
「土井先生が?」
賑やか3人組は私が持っていた鶴瓶の縄に手を掛けた。
「お姫様なら井戸水汲むのも一苦労でしょう?私達に任せてください」
「え?お姫様?」
「あれ?違いました?みんなそう言ってます!」
そんな噂がもう回っているのか。
「かもしれないってだけだよ。私記憶ないから。あはは」と濁して答えた。
「力仕事代わるかわりに、簡単な内職手伝って欲しいなぁーなんて」
「もう、きりちゃん!!」
「内職?うん、お手伝いするよ」
「やったぁ!!!」
むしろ力仕事をこんな小さな子供たちに代わってもらうなんて、なんて情けない話なんだ。
苦笑している間に、鶴瓶を3人は引き上げてくれた。
「ありがとう」
「みんなで顔を洗いましょう!」
4人並んでパシャパシャと顔を洗った。
*********************
廊下を歩いていたら、仙蔵くんが見えた。
ひらひらと手を振ると、わずかに口元を緩ませて私の元へやってきた。
「今日の放課後、時間ありますか?」
「いつでもありますよ?」
仙蔵くんはその答えが分かっていたのだろう。
一つ頷いて外に目をやった。
「今日は天気がいいので。放課後、作法委員会にまで御出願えますか?」
「うん、わかった。何したらいいの?」
「放課後のお楽しみです」
お楽しみ、ということは何かお手伝いをして欲しいわけじゃないのかな?
これ以上聞くのは無粋だと思い、私はただ放課後を楽しみに1日を過ごした。
********************
「作法委員会ってここだったよね」
前に生首フィギュアのお手入れのお手伝いをしたときに訪れていた。
「失礼します」
中を覗くと仙蔵くんが何やら準備していた。
「お待ちしてました。こちらへどうぞ」
「もしかして…」
促された場所へ座ると、目の前には化粧道具が並べられていた。
「ええ。本日は名前さんに化粧をさせて頂きたいのです」
「えー、嬉しい!」
可愛らしい貝殻の中には紅が入っていた。
「希望はありますか?」
「え、なんだろ。可愛くしてください」
「ふふ。承知しました」
仙蔵くんは細くて長い指を私の顔に這わせた。
目を開けたままでいると、仙蔵くんの綺麗な目が私の唇を見ているのだとありありと分かって恥ずかしい。
目、閉じようかな。
そっと閉じると、頬に添えていた指がぴくりと動いた。
「まるで口づけをする前のようだ」
「ええっ!?」
「あ、動かないでください」
「仙蔵くんが変なこと言うから!」
バチッと目を開けたら、仙蔵くんがクスクス笑っていた。
「この間の仕返しです」
この間って…まさか仙蔵くんと鉢屋くんを見抜く時に言ったあれをまだ根に持ってたの!?
仙蔵くんは私の顎を掬うと指先でツウ…と唇を撫でた。
「やはり橙系が似合いますね」
紅をのせてくれているらしい。
しかし、その指がわざと扇情的に動かされている気がする。
「ん…」
恥ずかしくなって再び目を閉じた。
こんなに緊張しているのは私だけだろう。
とにかく仙蔵くんの作業が終わるのをひたすら動かずに待った。