【2章】室町パニック
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布団は正直ペラペラで、暖房器具も無いのでとにかく寒かった。
もこもこルームウェアはいらないからエアコンが欲しい。
ストーブでも可。
この際贅沢言わないからカイロでも…。
芋虫のように布団に包まって足を擦り合わせた。
「さ、寒い…」
はぁっと手に息を吹きかけて気持ちばかり寒さを凌ぐ。
寝たいのに寒すぎて寝られない。
というか、今寝たら凍死する気がする。
ガクガクと震える身体をぎゅっと縮こませたとき、障子の向こうから声が聞こえた。
「名前さん。入ってもいいですか?」
「土井先生?ど、どうぞ」
身体を起こして返事をした。
障子を開けたとき、サァッと風が入ってきて「寒っ」と思わず声に出してしまった。
土井先生は私の反応を見て慌てて障子を閉めた。
「くしゃみが止まらないみたいだから…。しょうが湯を入れて来たんだけど飲むかい?」
「あ、ありがとうございます」
蝋燭に火を点けて、わずかばかりの明かりを灯した。
しょうが湯を受け取ったとき、目の前に胡座をかいて座った土井先生と目が合った。
「…っ!唇が真っ青じゃないか!」
鏡がないので自分の唇がどうなっているかわからないが、土井先生かそういうならそうなんだろう。
「ちょっと寒くて…。しょうが湯とっても温かいです。生き返ります」
「ちゃんと湯船に浸かったのか?」
「途中で火が消えてしまったみたいで」
土井先生は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「やはり待っていればよかったな。すまない」
「いえいえ!土井先生が謝ることなんて何もないです」
土井先生は巻き込まれただけなのに。
いい人すぎる。
しょうが湯が入った湯飲みを持っていた両手に土井先生の大きな手が重ねられた。
「指先も冷たいな」
「元々冷え性なんです」
苦笑いすると今度は布団に視線が移った。
「足先も?」
「結構冷たいと思います」
眉を下げて答えると土井先生は手を布団の中に潜り込ませて私の足先を触った。
「冷たい。冷たすぎる」
骨張った指の感覚が足先に走った。
「マッサージして血行を良くしたら少しは良くなるかも」
そう言うと土井先生は私の返事を待たずに両腕を布団に入れて足のマッサージを始めた。
片方の手で左足を固定し、もう片方で足首を回してくれた。
ある程度回したら足の指一本一本を丁寧にほぐしてくれる。
伊作くんにも触られたことはあるが、あのときは怪我の治療で、足が痛かった。
今は足が痛くない分、足先に意識が集中してしまう。
しょうが湯が身体の内側から温めてくれたけど、今少し火照っているのはそれだけではないだろう。
布団に隠れて土井先生の腕の動きが見えない分、足先に伝わる感覚が研ぎ澄まされた。
「(ど、どきどきする…)」
両足とも一通り揉み終わった土井先生が顔を上げた。
「こんなもんでどうかな…。さっきよりは足先がだいぶ温かくなったと思うんだけど」
「す、すごく温まりました。ありがとうございます!!」
恥ずかしさで顔が熱い。
でも……。
「(土井先生の手ってすごく安心する)」
私の返事を聞いて、土井先生はスッと腕を布団から抜いた。
安心していた温もりが去ったことで少し寂しさが湧き上がってきた。
ついさっきまで恥ずかしいと思っていたのに。
自分のわがままさに辟易する。
「くしゅん!」
「やっぱりまだ寒い?」
「や、えっと…」
大丈夫です、そう言おうと思ったが、さっきの温もりがもう恋しくなってしまったのでコクンと控えめに頷いた。
「そう…だな。名前さんさえ嫌じゃなければ…人肌で暖を取る方法もあるけど…」
「ひ、人肌!?」
「もちろん、衣は着たままだよ!?」
それってギュッと抱きしめてくれるってことかな?
恥ずかしい…けど嫌じゃない。
むしろ私の心は暖を取るためでも勿論あるが、土井先生の安心感を欲していた。
「お願いしてもいいですか…?」
私が呟くと、土井先生はコクリと喉を上下させた。
もこもこルームウェアはいらないからエアコンが欲しい。
ストーブでも可。
この際贅沢言わないからカイロでも…。
芋虫のように布団に包まって足を擦り合わせた。
「さ、寒い…」
はぁっと手に息を吹きかけて気持ちばかり寒さを凌ぐ。
寝たいのに寒すぎて寝られない。
というか、今寝たら凍死する気がする。
ガクガクと震える身体をぎゅっと縮こませたとき、障子の向こうから声が聞こえた。
「名前さん。入ってもいいですか?」
「土井先生?ど、どうぞ」
身体を起こして返事をした。
障子を開けたとき、サァッと風が入ってきて「寒っ」と思わず声に出してしまった。
土井先生は私の反応を見て慌てて障子を閉めた。
「くしゃみが止まらないみたいだから…。しょうが湯を入れて来たんだけど飲むかい?」
「あ、ありがとうございます」
蝋燭に火を点けて、わずかばかりの明かりを灯した。
しょうが湯を受け取ったとき、目の前に胡座をかいて座った土井先生と目が合った。
「…っ!唇が真っ青じゃないか!」
鏡がないので自分の唇がどうなっているかわからないが、土井先生かそういうならそうなんだろう。
「ちょっと寒くて…。しょうが湯とっても温かいです。生き返ります」
「ちゃんと湯船に浸かったのか?」
「途中で火が消えてしまったみたいで」
土井先生は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「やはり待っていればよかったな。すまない」
「いえいえ!土井先生が謝ることなんて何もないです」
土井先生は巻き込まれただけなのに。
いい人すぎる。
しょうが湯が入った湯飲みを持っていた両手に土井先生の大きな手が重ねられた。
「指先も冷たいな」
「元々冷え性なんです」
苦笑いすると今度は布団に視線が移った。
「足先も?」
「結構冷たいと思います」
眉を下げて答えると土井先生は手を布団の中に潜り込ませて私の足先を触った。
「冷たい。冷たすぎる」
骨張った指の感覚が足先に走った。
「マッサージして血行を良くしたら少しは良くなるかも」
そう言うと土井先生は私の返事を待たずに両腕を布団に入れて足のマッサージを始めた。
片方の手で左足を固定し、もう片方で足首を回してくれた。
ある程度回したら足の指一本一本を丁寧にほぐしてくれる。
伊作くんにも触られたことはあるが、あのときは怪我の治療で、足が痛かった。
今は足が痛くない分、足先に意識が集中してしまう。
しょうが湯が身体の内側から温めてくれたけど、今少し火照っているのはそれだけではないだろう。
布団に隠れて土井先生の腕の動きが見えない分、足先に伝わる感覚が研ぎ澄まされた。
「(ど、どきどきする…)」
両足とも一通り揉み終わった土井先生が顔を上げた。
「こんなもんでどうかな…。さっきよりは足先がだいぶ温かくなったと思うんだけど」
「す、すごく温まりました。ありがとうございます!!」
恥ずかしさで顔が熱い。
でも……。
「(土井先生の手ってすごく安心する)」
私の返事を聞いて、土井先生はスッと腕を布団から抜いた。
安心していた温もりが去ったことで少し寂しさが湧き上がってきた。
ついさっきまで恥ずかしいと思っていたのに。
自分のわがままさに辟易する。
「くしゅん!」
「やっぱりまだ寒い?」
「や、えっと…」
大丈夫です、そう言おうと思ったが、さっきの温もりがもう恋しくなってしまったのでコクンと控えめに頷いた。
「そう…だな。名前さんさえ嫌じゃなければ…人肌で暖を取る方法もあるけど…」
「ひ、人肌!?」
「もちろん、衣は着たままだよ!?」
それってギュッと抱きしめてくれるってことかな?
恥ずかしい…けど嫌じゃない。
むしろ私の心は暖を取るためでも勿論あるが、土井先生の安心感を欲していた。
「お願いしてもいいですか…?」
私が呟くと、土井先生はコクリと喉を上下させた。