【2章】室町パニック
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「土井先生、お忙しいのにすみません」
「それは全然。無事でよかった」
寝衣を取りに行った後、くノ一長屋にお風呂を借りに行く道すがら。
この件に全く関係のない土井先生の手を煩わせてしまって申し訳ない。
「さっきは何を2人でそんなに謝っていたんだい?」
土井先生から出てきた何気ない質問。
2人して土下座しながら謝っている光景は傍から見たら異様だっただろう。
せっかく土井先生の登場で薄っすら忘れかけていたのに、ぶり返してしまった。
頬に再び熱が籠る。
「(い、言えない。バストトップが伊作くんの口に接触したなんて・・・!)」
小松田さんの件といい、私は痴女なのか!?と頭を抱えたくなった。
この世界には現代の下着が存在しない。
こっちに来た時に身に着けていた物をこっそり隠し持って使っているのだが、いかんせん1つしかないため洗って干している間は何も付けられない。
「(今日に限って・・・)」
がっくり項垂れている私に土井先生は首を傾げた。
*******************
「うん、薪はまだ大丈夫そうだな」
パチパチと燃えているのを確認して土井先生は私にお風呂に入ってくるように言った。
「外で待ってるよ」
「いえ!それは悪いので先に戻っていてください」
「大丈夫・・・?」
「はい!帰り方は分かりますので」
「分かった。困ったことがあればくノ一の誰かがいると思うから呼ぶといいよ」
土井先生が去っていく後ろ姿を確認して、私は風呂の戸を引いた。
「誰もいない」
もう皆お風呂は入り終わったらしい。
小袖を脱いで足をつけた。
「んー!あったかい」
冷え切った身体が温まった。
ぬくぬくと肩まで浸かった。
「・・・あれ?」
はじめは温かく感じていた風呂のお湯がものの5分で冷たく感じてきた。
「え、もしかして」
格子窓から背伸びして顔を目いっぱい出してみたが、薪がどうなっているか分からない。
「火消えちゃった?」
みるみる下がっていくお湯の温度。
「やばい・・・早く上がろう」
困ったらくノ一を呼べとは言われたが、こんな自己都合で呼ぶのは憚られた。
ぱぱぱっと身体と頭を洗い、風呂場を後にした。
*******************
「さ、寒い・・・」
まだ季節は秋口に入ったところで、夜はそこまで冷え込まない。
・・・こっちの世界の人にとっては。
温暖化が進んだ現代はもっと暑いので、現代の暑さに慣れている私からすると、夜はとても寒く感じた。
加えて寝衣は襦袢1枚。
「(寒すぎ…)」
ジェ〇ピケのもこもこルームウェアが欲しい。
薪が消えるという不運に見舞われ、マッハで身体を洗って出たものの、全然温まれなかった。
足が治ってからは教員長屋の一室をお借りしている。
足早に戻ってくると障子を開けて自室へ入った。
「くしゅん!」
さっきからくしゃみが止まらない。
早く寝てしまおう。
布団を引っ張り出して頭まで被った。
*******************
は組のテストを採点中。
予想はしていたがあまりの点数に胃がきりきり痛んだ。
そんなに私の教え方が悪いのか?
はあ~と長い溜息をこぼした。
「くしゅん!」
隣から小さく可愛らしいくしゃみの音が聞こえた。
「(名前さん・・・)」
ずっと空き室だった隣の部屋に足が治った名前さんがやって来た。
壁が薄いため、周囲の音がなくなる夜は隣の気配や音が強く感じられた。
「(さっきからずっとくしゃみしてるな・・・)」
川に落ちて風邪を引いてしまったのかもしれない。
様子を見に行くべきか迷う。
胃は痛むが採点は終わった。
しかしこんな夜更けに女性の部屋を訪ねてもいいものか。
うーん、と悩んでいたら再び隣から声が聞こえた。
「さ、寒い・・・」
布団に包まっているのだろう。
ゴロゴロと寝返りを打つ音が聞こえる。
続いて「はあっ」と手に息を吹きかけて暖をとっているようだ。
私は意を決して立ち上がった。
「それは全然。無事でよかった」
寝衣を取りに行った後、くノ一長屋にお風呂を借りに行く道すがら。
この件に全く関係のない土井先生の手を煩わせてしまって申し訳ない。
「さっきは何を2人でそんなに謝っていたんだい?」
土井先生から出てきた何気ない質問。
2人して土下座しながら謝っている光景は傍から見たら異様だっただろう。
せっかく土井先生の登場で薄っすら忘れかけていたのに、ぶり返してしまった。
頬に再び熱が籠る。
「(い、言えない。バストトップが伊作くんの口に接触したなんて・・・!)」
小松田さんの件といい、私は痴女なのか!?と頭を抱えたくなった。
この世界には現代の下着が存在しない。
こっちに来た時に身に着けていた物をこっそり隠し持って使っているのだが、いかんせん1つしかないため洗って干している間は何も付けられない。
「(今日に限って・・・)」
がっくり項垂れている私に土井先生は首を傾げた。
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「うん、薪はまだ大丈夫そうだな」
パチパチと燃えているのを確認して土井先生は私にお風呂に入ってくるように言った。
「外で待ってるよ」
「いえ!それは悪いので先に戻っていてください」
「大丈夫・・・?」
「はい!帰り方は分かりますので」
「分かった。困ったことがあればくノ一の誰かがいると思うから呼ぶといいよ」
土井先生が去っていく後ろ姿を確認して、私は風呂の戸を引いた。
「誰もいない」
もう皆お風呂は入り終わったらしい。
小袖を脱いで足をつけた。
「んー!あったかい」
冷え切った身体が温まった。
ぬくぬくと肩まで浸かった。
「・・・あれ?」
はじめは温かく感じていた風呂のお湯がものの5分で冷たく感じてきた。
「え、もしかして」
格子窓から背伸びして顔を目いっぱい出してみたが、薪がどうなっているか分からない。
「火消えちゃった?」
みるみる下がっていくお湯の温度。
「やばい・・・早く上がろう」
困ったらくノ一を呼べとは言われたが、こんな自己都合で呼ぶのは憚られた。
ぱぱぱっと身体と頭を洗い、風呂場を後にした。
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「さ、寒い・・・」
まだ季節は秋口に入ったところで、夜はそこまで冷え込まない。
・・・こっちの世界の人にとっては。
温暖化が進んだ現代はもっと暑いので、現代の暑さに慣れている私からすると、夜はとても寒く感じた。
加えて寝衣は襦袢1枚。
「(寒すぎ…)」
ジェ〇ピケのもこもこルームウェアが欲しい。
薪が消えるという不運に見舞われ、マッハで身体を洗って出たものの、全然温まれなかった。
足が治ってからは教員長屋の一室をお借りしている。
足早に戻ってくると障子を開けて自室へ入った。
「くしゅん!」
さっきからくしゃみが止まらない。
早く寝てしまおう。
布団を引っ張り出して頭まで被った。
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は組のテストを採点中。
予想はしていたがあまりの点数に胃がきりきり痛んだ。
そんなに私の教え方が悪いのか?
はあ~と長い溜息をこぼした。
「くしゅん!」
隣から小さく可愛らしいくしゃみの音が聞こえた。
「(名前さん・・・)」
ずっと空き室だった隣の部屋に足が治った名前さんがやって来た。
壁が薄いため、周囲の音がなくなる夜は隣の気配や音が強く感じられた。
「(さっきからずっとくしゃみしてるな・・・)」
川に落ちて風邪を引いてしまったのかもしれない。
様子を見に行くべきか迷う。
胃は痛むが採点は終わった。
しかしこんな夜更けに女性の部屋を訪ねてもいいものか。
うーん、と悩んでいたら再び隣から声が聞こえた。
「さ、寒い・・・」
布団に包まっているのだろう。
ゴロゴロと寝返りを打つ音が聞こえる。
続いて「はあっ」と手に息を吹きかけて暖をとっているようだ。
私は意を決して立ち上がった。