【4章】今も未来も
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「大丈夫ですか!?」
落とし穴を覗き込んだ伊作くんと目が合った。
彼はいつも私を助けてくれる。
「あんまり大丈夫じゃないかも・・・」
「すぐに助けます!何か掴まれるものを持ってくるので・・・うわあっ!!」
なんかそんな気がした。
伊作くんの足元が崩れて、私の方へ落ちてきた。
ドサリ、と私の上に落ちてきた伊作くん。
咄嗟に私を押しつぶさないように避けようとしたのが余計に悪かった。避けきれずに落ちてきた上、位置がずれて、私の胸元に顔が埋まっている。
「ご、ごめんなさい!!!」
崖から落ちた帰り道も似たようなことがあったなぁ…と回顧した。
「あのっ。わざとじゃないんですけど……いや、言い訳してごめんなさい。あの……」
黙り込んでしまった私が怒っていると勘違いした伊作くんは顔を青くして弁解していた。
「ううん、違うの。似たことがあったなぁ…って懐かしくなっただけ」
「ほんと…二回も…ごめんなさい」
私は首を横に振った。
「全然大丈夫。気にしないで」
「あっ!怪我は!?」
伊作くんは私の身体に怪我がないか隈なく探してくれた。
「捻ったりしてないですか?」
足首や手首を確認してくれた。
「うん、平気」
「でも、さっき大丈夫じゃないって…」
「それは……心の方」
「余計に心配ですよ!それってやっぱりさっきの…?」
宴会場での私の奇行を言っているのだろう。
「あの…。僕は土井先生や利吉さん、仙蔵みたいに頼りにならないかもしれないですが…」
伊作くんはぎゅっと私の手を握った。
「名前さんを想う気持ちなら誰にも負けないです!」
伊作くんの手首には私があげたミサンガが巻かれていた。
「僕は!名前さんのことが好きだから……だから貴方の力になりたいんです」
いつでも優しい伊作くん。
初対面の私を迷うことなく助けてくれた彼に私が惹かれるのは自然の摂理だと思う。
私にとって、伊作くんははじめから特別な人だった。
「私も……伊作くんが好き」
ぽろりと想いが零れ落ちた。
*********************
まだ酔いが冷めきってないのをいいことに、僕は勢いのまま名前さんに想いを伝えた。
受け止めてもらえなくても、知ってくれるだけでよかった。
貴方の絶対的味方が居るのだと、安心して欲しくて。
そうしたら名前さんは僕の想いに応えてくれた。
はじめは都合のいいように聞こえただけかと思ったが、僕を見る名前さんの目が、僕が名前さんを見る目と同じであることに気づいた。
自分の想いが成就したのだ。
「ぼ、僕…不運なんですけど、それでもいいですか」
「私なんて、現代から数百年飛ばされたんだよ。これ以上の不運ある?」
確かに、僕と言えども時代を遡ったことは無い。
「でも…そのおかげで伊作くんと出会えたから、幸運だったのかも」
名前さんがそんな嬉しいことを言ってくれるので、僕は思わず抱擁してしまった。
「僕、一生の運を使い果たしてしまったかもしれません」
名前さんと両想いになれるだなんて、僕の欠片ほどしかない運を全て集めても足りない気がした。
「伊作くんって実は不運じゃないのかもよ」
そう言われたらそうかも。
じゃないと今の状況の説明がつかない。
「私は伊作くんと一緒にいられたら、幸運でも不運でもどっちでもいいよ」
そんなの……。
「僕も同じです」
何回野生動物に遭遇し、何回罠に引っかかって、何回転んでも。
名前さんと一緒なら全てが笑い話になる。
「大好きです」
「私も。……あ、雨」
せっかく両思いになって幸せな気分に浸っていたというのに。
空は僕たちの幸せを妬んでいるかのように、突然曇り出し、雨を降らせた。
「は、早く出ないと!」
幸せの余韻に浸る暇もなく、僕達は慌てて落とし穴から這い出したのであった。
〜伊作ルート(サブ)Fin〜
落とし穴を覗き込んだ伊作くんと目が合った。
彼はいつも私を助けてくれる。
「あんまり大丈夫じゃないかも・・・」
「すぐに助けます!何か掴まれるものを持ってくるので・・・うわあっ!!」
なんかそんな気がした。
伊作くんの足元が崩れて、私の方へ落ちてきた。
ドサリ、と私の上に落ちてきた伊作くん。
咄嗟に私を押しつぶさないように避けようとしたのが余計に悪かった。避けきれずに落ちてきた上、位置がずれて、私の胸元に顔が埋まっている。
「ご、ごめんなさい!!!」
崖から落ちた帰り道も似たようなことがあったなぁ…と回顧した。
「あのっ。わざとじゃないんですけど……いや、言い訳してごめんなさい。あの……」
黙り込んでしまった私が怒っていると勘違いした伊作くんは顔を青くして弁解していた。
「ううん、違うの。似たことがあったなぁ…って懐かしくなっただけ」
「ほんと…二回も…ごめんなさい」
私は首を横に振った。
「全然大丈夫。気にしないで」
「あっ!怪我は!?」
伊作くんは私の身体に怪我がないか隈なく探してくれた。
「捻ったりしてないですか?」
足首や手首を確認してくれた。
「うん、平気」
「でも、さっき大丈夫じゃないって…」
「それは……心の方」
「余計に心配ですよ!それってやっぱりさっきの…?」
宴会場での私の奇行を言っているのだろう。
「あの…。僕は土井先生や利吉さん、仙蔵みたいに頼りにならないかもしれないですが…」
伊作くんはぎゅっと私の手を握った。
「名前さんを想う気持ちなら誰にも負けないです!」
伊作くんの手首には私があげたミサンガが巻かれていた。
「僕は!名前さんのことが好きだから……だから貴方の力になりたいんです」
いつでも優しい伊作くん。
初対面の私を迷うことなく助けてくれた彼に私が惹かれるのは自然の摂理だと思う。
私にとって、伊作くんははじめから特別な人だった。
「私も……伊作くんが好き」
ぽろりと想いが零れ落ちた。
*********************
まだ酔いが冷めきってないのをいいことに、僕は勢いのまま名前さんに想いを伝えた。
受け止めてもらえなくても、知ってくれるだけでよかった。
貴方の絶対的味方が居るのだと、安心して欲しくて。
そうしたら名前さんは僕の想いに応えてくれた。
はじめは都合のいいように聞こえただけかと思ったが、僕を見る名前さんの目が、僕が名前さんを見る目と同じであることに気づいた。
自分の想いが成就したのだ。
「ぼ、僕…不運なんですけど、それでもいいですか」
「私なんて、現代から数百年飛ばされたんだよ。これ以上の不運ある?」
確かに、僕と言えども時代を遡ったことは無い。
「でも…そのおかげで伊作くんと出会えたから、幸運だったのかも」
名前さんがそんな嬉しいことを言ってくれるので、僕は思わず抱擁してしまった。
「僕、一生の運を使い果たしてしまったかもしれません」
名前さんと両想いになれるだなんて、僕の欠片ほどしかない運を全て集めても足りない気がした。
「伊作くんって実は不運じゃないのかもよ」
そう言われたらそうかも。
じゃないと今の状況の説明がつかない。
「私は伊作くんと一緒にいられたら、幸運でも不運でもどっちでもいいよ」
そんなの……。
「僕も同じです」
何回野生動物に遭遇し、何回罠に引っかかって、何回転んでも。
名前さんと一緒なら全てが笑い話になる。
「大好きです」
「私も。……あ、雨」
せっかく両思いになって幸せな気分に浸っていたというのに。
空は僕たちの幸せを妬んでいるかのように、突然曇り出し、雨を降らせた。
「は、早く出ないと!」
幸せの余韻に浸る暇もなく、僕達は慌てて落とし穴から這い出したのであった。
〜伊作ルート(サブ)Fin〜
