【1章】さよなら令和、ようこそ室町
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あれから一週間が経ち、私の足はすっかり良くなった。
「うん、もう包帯を取っても大丈夫そうですね」
伊作くんの許可も下りた。
一週間居たらわりとこの生活にも慣れてしまった。
自分の適応力の高さにビビる。
だってみんないい人なんだもん。
不満があるとしたらクリームたっぶりのふわふわパンケーキが食べられないことぐらい。
あ、あとスマホをチェックしたい。
「でも私ってこれからどうなるんだろう・・・」
足が治ったら今まで通りというわけにもいかない。
私としても、学園としても。
「多分今まで通りここに居られるはずです。足が治っても記憶が戻っていませんし。今先生方や利吉さんが情報を集めてくれていると思います」
「利吉さん?」
初めて聞く名前に首を傾げた。
「山田先生のご子息でフリーのプロ忍者です」
「へー・・・」
情報を集めるって普通に警察に行くのはダメなの?
と言いつつ薄々私は気づいている。
外の状態が私の知っているそれとは違うのではということを。
伊作くんが嘘を言っているとは思えない。
だが、やはり自分の目で見るまでは信じられない。
「ねぇ、街に行ってみたいんだけど・・・。何か思い出せるかもしれないし」
「うーん。外出許可下りるかなぁ・・・」
「その心配ならいらない」
「あ、仙蔵くん!」
伊作くんと仙蔵くんとはこの一週間で随分仲良くなれたと思う。
砕けた話し方ができるようになったのもその証拠だ。
「名前さん、鉢屋三郎を連れてきました」
「鉢屋くん?」
鉢屋くんとは初めて会う。
面長で寝ぼけ眼が特徴な彼は会釈して入ってきた。
「初めまして。五年ろ組の鉢屋三郎です」
「初めまして。名字名前です」
自己紹介を終えると、仙蔵くんが切り出した。
「鉢屋は変装の名人なのです。ですから名前さんの顔を変えてもらって町へ行きましょう」
「変装・・・」
鉢屋くんは私が瞬きした瞬間に仙蔵くんに化けた。
「え!?仙蔵くんが2人!?」
「目を瞑ってください」
鉢屋くんに促されて目を瞑った。
「開けていいですよ。さあ、どっちが本物でしょう?」
目を開けると2人が並んでいた。
「え~?そっくり・・・。何か喋ってみて」
「私が本物です」
「私が本物です」
「いや、一緒だわ」
私は立ち上がって顔を近づけた。
「うーん・・・。身長が微妙に左の人の方が高いけど、どっちが高かったかなんて見てなかったし・・・。ほんとそっくり・・・」
限界まで近づいて顔や体をまじまじ見ていると、ほんのり2人の顔が赤らんでいる。
「反応までそっくりなんだ」
「(それは偶々だ)」
「んー、じゃあ・・・私とお風呂に一緒に入った仙蔵くんはどっち?」
「「はあ!!??」」
「名前さん!」
「あ、左が仙蔵くんだ」
伊作くんと右の仙蔵くんが驚いているのに対して、左の仙蔵くんだけが私を叱責した。
「ふふ、髪を洗ってもらっただけだよ」
仙蔵くんに洗ってもらった翌日は、宣言通りサラサラとした指通りになっていて感動した。
「あまりからかいがすぎると町に連れていきませんよ」
ムスッとした仙蔵くんが私に言った。
「え、やだ!連れてって!」
ごめんね、と謝ると許してくれた。
「で、余興はこの辺にして、今からこの鉢屋に貴方の顔を変えてもらいましょう」
変装なんて、初体験。
すごく楽しみ。
わくわくしながら私は目を閉じた。
「うん、もう包帯を取っても大丈夫そうですね」
伊作くんの許可も下りた。
一週間居たらわりとこの生活にも慣れてしまった。
自分の適応力の高さにビビる。
だってみんないい人なんだもん。
不満があるとしたらクリームたっぶりのふわふわパンケーキが食べられないことぐらい。
あ、あとスマホをチェックしたい。
「でも私ってこれからどうなるんだろう・・・」
足が治ったら今まで通りというわけにもいかない。
私としても、学園としても。
「多分今まで通りここに居られるはずです。足が治っても記憶が戻っていませんし。今先生方や利吉さんが情報を集めてくれていると思います」
「利吉さん?」
初めて聞く名前に首を傾げた。
「山田先生のご子息でフリーのプロ忍者です」
「へー・・・」
情報を集めるって普通に警察に行くのはダメなの?
と言いつつ薄々私は気づいている。
外の状態が私の知っているそれとは違うのではということを。
伊作くんが嘘を言っているとは思えない。
だが、やはり自分の目で見るまでは信じられない。
「ねぇ、街に行ってみたいんだけど・・・。何か思い出せるかもしれないし」
「うーん。外出許可下りるかなぁ・・・」
「その心配ならいらない」
「あ、仙蔵くん!」
伊作くんと仙蔵くんとはこの一週間で随分仲良くなれたと思う。
砕けた話し方ができるようになったのもその証拠だ。
「名前さん、鉢屋三郎を連れてきました」
「鉢屋くん?」
鉢屋くんとは初めて会う。
面長で寝ぼけ眼が特徴な彼は会釈して入ってきた。
「初めまして。五年ろ組の鉢屋三郎です」
「初めまして。名字名前です」
自己紹介を終えると、仙蔵くんが切り出した。
「鉢屋は変装の名人なのです。ですから名前さんの顔を変えてもらって町へ行きましょう」
「変装・・・」
鉢屋くんは私が瞬きした瞬間に仙蔵くんに化けた。
「え!?仙蔵くんが2人!?」
「目を瞑ってください」
鉢屋くんに促されて目を瞑った。
「開けていいですよ。さあ、どっちが本物でしょう?」
目を開けると2人が並んでいた。
「え~?そっくり・・・。何か喋ってみて」
「私が本物です」
「私が本物です」
「いや、一緒だわ」
私は立ち上がって顔を近づけた。
「うーん・・・。身長が微妙に左の人の方が高いけど、どっちが高かったかなんて見てなかったし・・・。ほんとそっくり・・・」
限界まで近づいて顔や体をまじまじ見ていると、ほんのり2人の顔が赤らんでいる。
「反応までそっくりなんだ」
「(それは偶々だ)」
「んー、じゃあ・・・私とお風呂に一緒に入った仙蔵くんはどっち?」
「「はあ!!??」」
「名前さん!」
「あ、左が仙蔵くんだ」
伊作くんと右の仙蔵くんが驚いているのに対して、左の仙蔵くんだけが私を叱責した。
「ふふ、髪を洗ってもらっただけだよ」
仙蔵くんに洗ってもらった翌日は、宣言通りサラサラとした指通りになっていて感動した。
「あまりからかいがすぎると町に連れていきませんよ」
ムスッとした仙蔵くんが私に言った。
「え、やだ!連れてって!」
ごめんね、と謝ると許してくれた。
「で、余興はこの辺にして、今からこの鉢屋に貴方の顔を変えてもらいましょう」
変装なんて、初体験。
すごく楽しみ。
わくわくしながら私は目を閉じた。