【3章】フォーリンラブin室町
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あれから数日が経ち、私にとっての日常が戻ってきた。
タソガレドキに囚われている間は、仕事がなかったのでぼんやりと考え事をする時間が多かった。
帰れるか不安な中、何度も私の脳裏に浮かんだのは、あの人の顔。
あの人に会いたい、と何度も願った。
タソガレドキでの出来事を経て、私の心はどこにあるのか……。
その答えが出た気がした。
下級生達が寝静まった頃、食堂には上級生と先生方が集まっていた。
「さ、遅ばせながら名前さんの歓迎会と、復帰祝ということで…飲みましょうか!」
おそらく私を元気づけてくれるために開いてくれたのであろう、この飲み会。
お酒なんてこっちに来てから初めて飲む。
「名前さん、どうぞ」
土井先生が傾けてくれたお酒をお猪口で受け取る。辺りを見回すがカクテルやワインみたいなものは無い。当たり前か。
あるのはおそらく米を原料としてるお酒ばかり。
「土井先生、私がお注ぎしますよ」
「ありがとう」
自分で入れようとする土井先生から受け取って、お猪口に注いだ。
コツン、とお猪口同士を合わせて頂いた。
「ん、美味しい」
現代みたいに酒の種類は豊富じゃないけど、私の人生で最も波乱な状況が落ち着いたこの場で飲むお酒は格別だった。
「名前さん、私もお注ぎします」
空になったお猪口に反対側に座っていた利吉さんが注いでくれた。実は、宴があると聞いた彼は忍務を調整して駆けつけてくれたのだ。
「ありがとうございます」
お猪口を差し出して、ぐいっと喉に流し込んだ。
「私も注ぎますね」
利吉さんに返杯すると、次は仙蔵くんがお酒を持って準備してくれていた。
「お前ら、名前さんを潰す気か?」
土井先生が苦笑した。
仙蔵くんの後ろには列をなして、みんなが私のお猪口にお酒を注ごうとしている。
「どこまで飲めるかわからないけど、頑張ってみる!」
なかなかこういった機会はないし、せっかくなので、みんなの分飲みたい。
「潰れたら僕が介抱します」
伊作くんがニコニコと笑顔でそう言ってくれるが、潰さないでおこうという発想ではないのが彼らしくなかった。
もしかして、もう酔っているのだろうか。
「お手柔らかにお願いします」
仙蔵くんとお猪口を合わせた。
宴もたけなわ。
みんな、まぁまぁ出来上がってる。
そういう私も、顔が赤いのが自分でも分かる。
「名前さーん。名前さんが居ない間、寂しかったです」
甘えたな伊作くんが、私の膝に寝転がっていた。
私はよしよしと彼の頭を撫でた。
「どけ、伊作。邪魔だ」
仙蔵くんに押された伊作くんはゴン、と床に頭をぶつけたが大丈夫だろうか。
まぁ、こんなこと彼の不運体験と比べれば屁でもないか。
仙蔵くんも白い肌が赤みをさしている。
今さらだが……。
十五歳がここまでお酒飲んでいいの?
いくらこっちでは大人扱いの年齢とはいえ、十五は十五で、現代の十五歳より肝機能が強いとか無いだろう。
「仙蔵くん、もうそろそろやめといたら?」
顔赤いよ、とお水を勧めてみたが断られてしまった。
「い、や、です!」
ぷい、と顔を背けてお猪口を隠す仙蔵くんが可愛い。
背けられた頬をぷに、と突いてみた。
「ふふふ」
「名前さん、酔ってますか?」
「仙蔵くんこそ」
あまり肉厚のない頬を、人差し指でしつこくぷにぷにと突ついた。
すると、今度は私の脇腹を誰かに突かれた。
「何するんですか、利吉さんっ」
突然ノーマークだった脇腹を突かれて、思わず身を捩った。
「気持ちいいなぁって」
「どういう意味ですか!」
確かにぷにぷにしてるかもしれないけど!
それでも、現代からタイムスリップして強制的に健康志向の食事に変わり運動量も増えたため、少しは痩せたと思う。
体重計がないからそれすらわからないが。
「じゃあ、私は髪で遊ぼうかな」
土井先生は私の髪を一束取って、くるくる指に絡みつけた。
「じゃあって何ですか!じゃあって!」
でも嫌じゃないから、笑いながら土井先生の腕を軽く叩いた。
タソガレドキに囚われている間は、仕事がなかったのでぼんやりと考え事をする時間が多かった。
帰れるか不安な中、何度も私の脳裏に浮かんだのは、あの人の顔。
あの人に会いたい、と何度も願った。
タソガレドキでの出来事を経て、私の心はどこにあるのか……。
その答えが出た気がした。
下級生達が寝静まった頃、食堂には上級生と先生方が集まっていた。
「さ、遅ばせながら名前さんの歓迎会と、復帰祝ということで…飲みましょうか!」
おそらく私を元気づけてくれるために開いてくれたのであろう、この飲み会。
お酒なんてこっちに来てから初めて飲む。
「名前さん、どうぞ」
土井先生が傾けてくれたお酒をお猪口で受け取る。辺りを見回すがカクテルやワインみたいなものは無い。当たり前か。
あるのはおそらく米を原料としてるお酒ばかり。
「土井先生、私がお注ぎしますよ」
「ありがとう」
自分で入れようとする土井先生から受け取って、お猪口に注いだ。
コツン、とお猪口同士を合わせて頂いた。
「ん、美味しい」
現代みたいに酒の種類は豊富じゃないけど、私の人生で最も波乱な状況が落ち着いたこの場で飲むお酒は格別だった。
「名前さん、私もお注ぎします」
空になったお猪口に反対側に座っていた利吉さんが注いでくれた。実は、宴があると聞いた彼は忍務を調整して駆けつけてくれたのだ。
「ありがとうございます」
お猪口を差し出して、ぐいっと喉に流し込んだ。
「私も注ぎますね」
利吉さんに返杯すると、次は仙蔵くんがお酒を持って準備してくれていた。
「お前ら、名前さんを潰す気か?」
土井先生が苦笑した。
仙蔵くんの後ろには列をなして、みんなが私のお猪口にお酒を注ごうとしている。
「どこまで飲めるかわからないけど、頑張ってみる!」
なかなかこういった機会はないし、せっかくなので、みんなの分飲みたい。
「潰れたら僕が介抱します」
伊作くんがニコニコと笑顔でそう言ってくれるが、潰さないでおこうという発想ではないのが彼らしくなかった。
もしかして、もう酔っているのだろうか。
「お手柔らかにお願いします」
仙蔵くんとお猪口を合わせた。
宴もたけなわ。
みんな、まぁまぁ出来上がってる。
そういう私も、顔が赤いのが自分でも分かる。
「名前さーん。名前さんが居ない間、寂しかったです」
甘えたな伊作くんが、私の膝に寝転がっていた。
私はよしよしと彼の頭を撫でた。
「どけ、伊作。邪魔だ」
仙蔵くんに押された伊作くんはゴン、と床に頭をぶつけたが大丈夫だろうか。
まぁ、こんなこと彼の不運体験と比べれば屁でもないか。
仙蔵くんも白い肌が赤みをさしている。
今さらだが……。
十五歳がここまでお酒飲んでいいの?
いくらこっちでは大人扱いの年齢とはいえ、十五は十五で、現代の十五歳より肝機能が強いとか無いだろう。
「仙蔵くん、もうそろそろやめといたら?」
顔赤いよ、とお水を勧めてみたが断られてしまった。
「い、や、です!」
ぷい、と顔を背けてお猪口を隠す仙蔵くんが可愛い。
背けられた頬をぷに、と突いてみた。
「ふふふ」
「名前さん、酔ってますか?」
「仙蔵くんこそ」
あまり肉厚のない頬を、人差し指でしつこくぷにぷにと突ついた。
すると、今度は私の脇腹を誰かに突かれた。
「何するんですか、利吉さんっ」
突然ノーマークだった脇腹を突かれて、思わず身を捩った。
「気持ちいいなぁって」
「どういう意味ですか!」
確かにぷにぷにしてるかもしれないけど!
それでも、現代からタイムスリップして強制的に健康志向の食事に変わり運動量も増えたため、少しは痩せたと思う。
体重計がないからそれすらわからないが。
「じゃあ、私は髪で遊ぼうかな」
土井先生は私の髪を一束取って、くるくる指に絡みつけた。
「じゃあって何ですか!じゃあって!」
でも嫌じゃないから、笑いながら土井先生の腕を軽く叩いた。
