【3章】フォーリンラブin室町
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※このページは前ページよりグロ表現あります。苦手な方は飛ばしてください。
「えっ……え」
上手く呼吸ができない。
夢…だよな?
そうだよな?
頬を抓ってみるが、感覚があるのか無いのかそれさえわからなかった。
「身体はどうした」
「残ったのが頭部だけです」
外から聞こえる喧騒がやたらと遠くに感じる。
「学園にこれを見せれば戦意喪失するでしょう」
「それどころかここに攻め入ってくるのではないか」
「私がなんとかします」
殿と組頭が話している間に、大量の手ぬぐいが吸い込んでいる血が吸いきれずにポタリと床に落ちた。
偽物なのでは……と一縷の望みを抱いたが、ツンと鉄の匂いが鼻を掠め、本物だと自覚させられた。
「うっ……」
途端にこみ上げてくる吐き気に咄嗟に手を口元にあてた。
「尊奈門、ここで吐くな。外へ出ろ。昆奈門はこの状況を何とかしろ。惜しい人物を亡くしたが、この世は常に死と隣り合わせだ。私とは縁が無かったのだろう」
しっし、と手で追い払う仕草をされたので、私は慌てて廊下に出た。
組頭が障子を閉めた。
「床についた血は拭いておけ」
中から抑揚なくそう声が掛けられ、私は初めてタソガレドキの忍者を辞めたいと思った。
「ああ…名前さん……」
人違いであってほしかった。
しかし、彼女を見間違うはずかない。
間違いなく組頭が持っている首は名前さんだった。
「私のせいだ……。私が殿に南蛮の姫であることを教えてしまったから……!!!」
罪悪感で気がどうにかなりそうだった。
私のせいで彼女は死んだ。
あんなに帰りたがっていたのに、最期に会わせてあげることもできずにこんなに簡単に居なくなってしまった。
私は壁に頭を打ち付けた。
ゴン!!ゴン!!
もしかしたら殿に聞こえているかもしれない。
しかし、そんなこと構っていられないほど、私の心は乱れていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
とめどなく溢れ出る涙。
本来なら忍軍の一員として加勢しに行かないといけないのに。
私が思い出すのは土井半助の言葉だ。
❝名前さんをよろしく頼む❞
「ああ゛゛ーーーー!!!」
膝をついて頭を地面に擦り付けている私の背中をトントンと組頭が叩いた。
「尊奈門さん」
組頭にしては叩き方が優しいと思ったが、掛けられた声が、今まさに私が求めていた声だった。
「え!?」
「しーーっ!!」
勢いよく振り返ったそこには、人差し指を口元にあてて立っている名前さんがいた。
「えっ……え」
上手く呼吸ができない。
夢…だよな?
そうだよな?
頬を抓ってみるが、感覚があるのか無いのかそれさえわからなかった。
「身体はどうした」
「残ったのが頭部だけです」
外から聞こえる喧騒がやたらと遠くに感じる。
「学園にこれを見せれば戦意喪失するでしょう」
「それどころかここに攻め入ってくるのではないか」
「私がなんとかします」
殿と組頭が話している間に、大量の手ぬぐいが吸い込んでいる血が吸いきれずにポタリと床に落ちた。
偽物なのでは……と一縷の望みを抱いたが、ツンと鉄の匂いが鼻を掠め、本物だと自覚させられた。
「うっ……」
途端にこみ上げてくる吐き気に咄嗟に手を口元にあてた。
「尊奈門、ここで吐くな。外へ出ろ。昆奈門はこの状況を何とかしろ。惜しい人物を亡くしたが、この世は常に死と隣り合わせだ。私とは縁が無かったのだろう」
しっし、と手で追い払う仕草をされたので、私は慌てて廊下に出た。
組頭が障子を閉めた。
「床についた血は拭いておけ」
中から抑揚なくそう声が掛けられ、私は初めてタソガレドキの忍者を辞めたいと思った。
「ああ…名前さん……」
人違いであってほしかった。
しかし、彼女を見間違うはずかない。
間違いなく組頭が持っている首は名前さんだった。
「私のせいだ……。私が殿に南蛮の姫であることを教えてしまったから……!!!」
罪悪感で気がどうにかなりそうだった。
私のせいで彼女は死んだ。
あんなに帰りたがっていたのに、最期に会わせてあげることもできずにこんなに簡単に居なくなってしまった。
私は壁に頭を打ち付けた。
ゴン!!ゴン!!
もしかしたら殿に聞こえているかもしれない。
しかし、そんなこと構っていられないほど、私の心は乱れていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
とめどなく溢れ出る涙。
本来なら忍軍の一員として加勢しに行かないといけないのに。
私が思い出すのは土井半助の言葉だ。
❝名前さんをよろしく頼む❞
「ああ゛゛ーーーー!!!」
膝をついて頭を地面に擦り付けている私の背中をトントンと組頭が叩いた。
「尊奈門さん」
組頭にしては叩き方が優しいと思ったが、掛けられた声が、今まさに私が求めていた声だった。
「え!?」
「しーーっ!!」
勢いよく振り返ったそこには、人差し指を口元にあてて立っている名前さんがいた。
