【3章】フォーリンラブin室町
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本当は帰りたくて堪らない。
しかし、黄昏甚兵衛は私の忍術学園への想いを見透かしたように、時折学園への攻撃をチラつかせた。
雑渡さん曰く、もし戦になれば総力的にタソガレドキが圧倒的優位だと。
そりゃそうだ。
だって学園は城じゃなくて学舎なんだから。
下級生達の顔が過った。
彼らが危険に晒される可能性が少しでもあるなら、私は帰ることができない。
みんなが私のことを助けようとしてくれて嬉しかった。
私は忍術学園の一員なんだと再確認できた。
でも、顔を見てしまったから、帰りたいという気持ちはより一層膨れ上がった。
「ぐずっ・・・」
思わず涙が溢れてきて、鼻を啜った。
障子の外に居る尊奈門さんが身動ぎしたので、泣いていることがバレてしまったと思い、布団に包まって声を押し殺して泣いた。
*******************
障子越しでも名前さんが泣いているのが分かった。
声を掛けるべきか悩んだが、泣いているのを悟られないようにしているのでやめた方がいいだろうと思い、その場に留まった。
「(名前さん・・・)」
正直、名前さんの身の回りの世話を任された時、嬉しかった。
タソガレドキ忍軍は人間関係も居心地もいいが、やはり好戦的な城ということもあり、気が抜けない面が多々ある。
名前さんの存在はまさに一輪の花。
雑談している時なんか、ここが城だと忘れてしまうぐらいだ。
組頭には頬が緩んでいるとからかわれ、それに反論するのがここ最近のお決まりになっている。
ずっとここに居てくれたらいいのに。
そう思った時もあったが、今の名前さんを見て、なんとしても忍術学園に帰してあげなければと思い直した。
「組頭・・・」
戻って来た組頭が、「彼女は寝たか?」と聞いてきたので首を横に振った。すぐに障子の内側の様子を察したようだ。
「あの・・・彼女を学園に帰せないんでしょうか」
「いいの?尊奈門、ずっとここに居て欲しそうだったけど」
組頭に自分の胸中が筒抜けで恥ずかしかった。
「名前さんの居場所はあそこだと思うので」
戻ったとて、一生会えなくなるわけじゃない。
土井半助に勝負を挑みに行く回数が増えるだけだ。
「時を見て、ちゃんと帰すよ」
その時は一体いつなんだ・・・。
私はいつも飄々としていて、付き合いは長いのにその全てを理解しきれない組頭の横顔を眺めた。
しかし、黄昏甚兵衛は私の忍術学園への想いを見透かしたように、時折学園への攻撃をチラつかせた。
雑渡さん曰く、もし戦になれば総力的にタソガレドキが圧倒的優位だと。
そりゃそうだ。
だって学園は城じゃなくて学舎なんだから。
下級生達の顔が過った。
彼らが危険に晒される可能性が少しでもあるなら、私は帰ることができない。
みんなが私のことを助けようとしてくれて嬉しかった。
私は忍術学園の一員なんだと再確認できた。
でも、顔を見てしまったから、帰りたいという気持ちはより一層膨れ上がった。
「ぐずっ・・・」
思わず涙が溢れてきて、鼻を啜った。
障子の外に居る尊奈門さんが身動ぎしたので、泣いていることがバレてしまったと思い、布団に包まって声を押し殺して泣いた。
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障子越しでも名前さんが泣いているのが分かった。
声を掛けるべきか悩んだが、泣いているのを悟られないようにしているのでやめた方がいいだろうと思い、その場に留まった。
「(名前さん・・・)」
正直、名前さんの身の回りの世話を任された時、嬉しかった。
タソガレドキ忍軍は人間関係も居心地もいいが、やはり好戦的な城ということもあり、気が抜けない面が多々ある。
名前さんの存在はまさに一輪の花。
雑談している時なんか、ここが城だと忘れてしまうぐらいだ。
組頭には頬が緩んでいるとからかわれ、それに反論するのがここ最近のお決まりになっている。
ずっとここに居てくれたらいいのに。
そう思った時もあったが、今の名前さんを見て、なんとしても忍術学園に帰してあげなければと思い直した。
「組頭・・・」
戻って来た組頭が、「彼女は寝たか?」と聞いてきたので首を横に振った。すぐに障子の内側の様子を察したようだ。
「あの・・・彼女を学園に帰せないんでしょうか」
「いいの?尊奈門、ずっとここに居て欲しそうだったけど」
組頭に自分の胸中が筒抜けで恥ずかしかった。
「名前さんの居場所はあそこだと思うので」
戻ったとて、一生会えなくなるわけじゃない。
土井半助に勝負を挑みに行く回数が増えるだけだ。
「時を見て、ちゃんと帰すよ」
その時は一体いつなんだ・・・。
私はいつも飄々としていて、付き合いは長いのにその全てを理解しきれない組頭の横顔を眺めた。
