【3章】フォーリンラブin室町
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私達はタソガレドキ城の中へ潜入した。
天井裏を伝い、私と伊作、利吉くんと仙蔵に分かれて名前さんが居る場所を探した。
学園長は無事なら一度退けと言っていたが、きっと顔を見たら無理だろう。
早く会いたくてたまらなかった。
「(居た……)」
名前さんがいる場所を見つけることができた。利吉くん達とも合流し、今まさに床につこうとしている彼女の元に降り立った。
「どっ…!」
驚いている名前さんの口を手で塞いだ。
「無事で良かった」
私達はホッと安堵の溜息を吐いた。
しかし、部屋の外から突然人の気配がした。
「雑渡さん・・・」
障子に映った人影は大柄で、そんな人間この城には一人しか居ない。音も立てずに中へ入ってきたのは、やはり雑渡昆奈門だった。
「彼女はこのまま帰らせてもらう」
名前さんを私の背中に隠し、他の三人がどこから襲撃がきてもいいように円陣を組んだ。
「彼女が了承すれば・・・ね」
雑渡昆奈門は「ね?どうする?」と名前さんに問いかけた。
嫌な予感がした。
私は背中に居る名前さんの方を振り返ると、彼女は眉間に皺を寄せ、ぎゅっと唇を嚙み締めた。
「まだ・・・帰れないです」
想定外の答えに私は戸惑いを隠せなかった。
「なんでですか!?」
伊作が名前さんの肩を掴んだ。
「脅されているんですね?大丈夫です。名前さんは何も心配しなくていい。ただ一緒に我々と帰りましょう」
利吉くんも説得したが、彼女は首を縦には振らなかった。
「でも・・・タソガレドキは戦に強い城だと聞きました。学園には一年生達もいます。穏便に帰れる機会を見計らいたいです」
名前さんは私の忍装束を握った。
「大丈夫です。ちょっとの間タソガレドキに出向してると思えば。いつか殿様も私に飽きると思うし・・・」
「いつかって・・・。もし飽きなかったらどうするんですか」
仙蔵が空いている名前さんの手を取った。
「尊奈門さんが土井先生に勝負を挑みに行くとき、連れて行ってもらおうかな」
眉を下げて笑う名前さんに、遅れて駆け付け雑渡の隣に立っている諸泉尊奈門は何とも言えない表情を浮かべていた。
「こっちでも丁重に扱っているから」
雑渡の言葉に名前さんは頷いた。
「だから、心配しないでください」
「嫌です」
仙蔵は名前さんの言葉に食って掛かった。
「心配するとか、しないとか、そういう問題じゃないです。私が名前さんには忍術学園に居て欲しい」
伊作は名前さんの手にお守りを握らせた。
「僕も同じです。外出するときに名前さんに❝いってらっしゃい❞って言ってもらえなくて寂しいです。下級生もみんな寂しがってます」
名前さんは伊作に握らされたお守りをじっと見つめた。
「じゃあ、私が帰った時にまた事務員で働けるように居場所守っててくれる?」
彼女の答えはやはり今すぐに帰る気はないということだった。
「分かった。一度退こう」
「「土井先生!」」
私だってもちろん今すぐ担ぎ上げて連れ出したい。
しかし、彼女がこういうからには黄昏甚兵衛側が学園を攻撃する可能性があるということだ。
利吉くんも悔しそうに拳を握りしめた。
「一旦は退くが・・・」
雑渡に目配せをすれば、頷いた。
「尊奈門、彼女が寝付くまで外で護衛頼むよ」
こうして、無事は確認できたものの連れて帰ることができないままタソガレドキ城を後にした。
天井裏を伝い、私と伊作、利吉くんと仙蔵に分かれて名前さんが居る場所を探した。
学園長は無事なら一度退けと言っていたが、きっと顔を見たら無理だろう。
早く会いたくてたまらなかった。
「(居た……)」
名前さんがいる場所を見つけることができた。利吉くん達とも合流し、今まさに床につこうとしている彼女の元に降り立った。
「どっ…!」
驚いている名前さんの口を手で塞いだ。
「無事で良かった」
私達はホッと安堵の溜息を吐いた。
しかし、部屋の外から突然人の気配がした。
「雑渡さん・・・」
障子に映った人影は大柄で、そんな人間この城には一人しか居ない。音も立てずに中へ入ってきたのは、やはり雑渡昆奈門だった。
「彼女はこのまま帰らせてもらう」
名前さんを私の背中に隠し、他の三人がどこから襲撃がきてもいいように円陣を組んだ。
「彼女が了承すれば・・・ね」
雑渡昆奈門は「ね?どうする?」と名前さんに問いかけた。
嫌な予感がした。
私は背中に居る名前さんの方を振り返ると、彼女は眉間に皺を寄せ、ぎゅっと唇を嚙み締めた。
「まだ・・・帰れないです」
想定外の答えに私は戸惑いを隠せなかった。
「なんでですか!?」
伊作が名前さんの肩を掴んだ。
「脅されているんですね?大丈夫です。名前さんは何も心配しなくていい。ただ一緒に我々と帰りましょう」
利吉くんも説得したが、彼女は首を縦には振らなかった。
「でも・・・タソガレドキは戦に強い城だと聞きました。学園には一年生達もいます。穏便に帰れる機会を見計らいたいです」
名前さんは私の忍装束を握った。
「大丈夫です。ちょっとの間タソガレドキに出向してると思えば。いつか殿様も私に飽きると思うし・・・」
「いつかって・・・。もし飽きなかったらどうするんですか」
仙蔵が空いている名前さんの手を取った。
「尊奈門さんが土井先生に勝負を挑みに行くとき、連れて行ってもらおうかな」
眉を下げて笑う名前さんに、遅れて駆け付け雑渡の隣に立っている諸泉尊奈門は何とも言えない表情を浮かべていた。
「こっちでも丁重に扱っているから」
雑渡の言葉に名前さんは頷いた。
「だから、心配しないでください」
「嫌です」
仙蔵は名前さんの言葉に食って掛かった。
「心配するとか、しないとか、そういう問題じゃないです。私が名前さんには忍術学園に居て欲しい」
伊作は名前さんの手にお守りを握らせた。
「僕も同じです。外出するときに名前さんに❝いってらっしゃい❞って言ってもらえなくて寂しいです。下級生もみんな寂しがってます」
名前さんは伊作に握らされたお守りをじっと見つめた。
「じゃあ、私が帰った時にまた事務員で働けるように居場所守っててくれる?」
彼女の答えはやはり今すぐに帰る気はないということだった。
「分かった。一度退こう」
「「土井先生!」」
私だってもちろん今すぐ担ぎ上げて連れ出したい。
しかし、彼女がこういうからには黄昏甚兵衛側が学園を攻撃する可能性があるということだ。
利吉くんも悔しそうに拳を握りしめた。
「一旦は退くが・・・」
雑渡に目配せをすれば、頷いた。
「尊奈門、彼女が寝付くまで外で護衛頼むよ」
こうして、無事は確認できたものの連れて帰ることができないままタソガレドキ城を後にした。
