【3章】フォーリンラブin室町
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想像していたより黄昏甚兵衛様は話しやすかった。
やはり一つの城を治めるだけあって、見慣れないものでも説明すればすぐに理解してくれた。
「ふむ・・・とても知識が広く、深いようだな」
「いえいえ・・・」
「とても記憶喪失には思えん」
ドキリと心臓が跳ねる音がした。
「そして私も知らぬ南蛮の知識を持っていることは、非常に興味深い・・・」
「あ、ありがとうございます」
「南蛮に傾倒している私の妻に相応しい」
「はい?」
突然のお嫁さん発言に目が点になる。
「いえいえ・・・一城の主の配偶者など、私のような身元不明人には務まりません」
「務めて欲しいとは思っておらぬ。ただこの城に居てくれさえいればいい」
ええ・・・。
困惑してしまうのは、発言の内容だけでなく、目の前の殿様は本当に私を見染めたようには見えないことだ。
淡々と無表情に先の言葉を述べた。
本当に求婚したいわけじゃなさそう・・・。
「えっと・・・。私は忍術学園の事務員として働き続けたいので・・・」
「ここから通えばいい」
「ちょっと遠すぎます・・・。ここまで来るのに諸泉さんのお力も借りているぐらいなので・・・」
「毎日尊奈門に運んでもらえ」
「ええっ!?」
諸泉さんも驚いてるよ。
困惑して雑渡さんに目線で助けを求めると、彼はため息を吐いた。
「殿・・・。彼女は忍術学園の一員です。本日も日暮れまでには戻ると伝えてあります。戻らなければ総出で連れ戻しにくるでしょう」
「迎え撃てばいい」
「ええ!?」
今まで凄く紳士的だったのに!
いきなり話が拗れて、呆気に取られる。
「困るのだよ。忍術学園の懐が潤うのは。それにこの南蛮の知識・・・戦を左右しかねる武器になりかねん」
本音はそれか。
私が忍術学園に居ることで、南蛮の武器とかそういうのを伝授するのではって思っているのか。
「あの・・・私、戦に関する知識は全くないです」
「口では何とでも言える」
「・・・」
本当に武器とか全く知らないよ。
学園の力になりたくても、ただの現代人由来の生活全般しかお役に立てない・・・。
「本当に知らないんです・・・」
「それにそなたを妻に迎えたいというのも本心だ。南蛮の話をもっと聞きたい。私と結婚すれば生活に困ることもない。南蛮の伝手を使って身元も探してやろう」
こんな身元不明の女を嫁に迎えたいなんて、正気?
「お殿様って、政略結婚されるものかと思っていたのですが・・・」
「そんなもの、力のない脆弱な城がするものだ」
おお、なんか一瞬格好良く見えてしまった。
でも・・・。
「私なんかを見染めてくださってとても有難く思います。ですが、私の居場所は学園にございますので・・・」
カステラ美味しかったです、とこれにてお暇しようかと腰を上げたが、許されなかった。
「待て。しばらくここで過ごせば気が変わるかもしれぬ。二、三泊していくとよい」
「え・・・」
「二、三泊ぐらいであれば学園も許してくれるであろう」
許す、許さないじゃなくて、私自身が帰りたいんですけど・・・。
そして気が変わることは断じてない。
助けてくれ・・・と雑渡さんに目配せすると、彼は本日何度目かの溜息を吐いた。
「忍術学園と交渉して参ります」
「ふむ。頼むぞ」
頼まないで!
そして、行かないで雑渡さん!!
最後の頼みの綱、諸泉さんの方を見るとアワアワと慌てていた。
「二、三泊してからまた答えを聞かせてくれ」
こうして、私はしばらくタソガレドキ城にお泊りすることが決まってしまった。
やはり一つの城を治めるだけあって、見慣れないものでも説明すればすぐに理解してくれた。
「ふむ・・・とても知識が広く、深いようだな」
「いえいえ・・・」
「とても記憶喪失には思えん」
ドキリと心臓が跳ねる音がした。
「そして私も知らぬ南蛮の知識を持っていることは、非常に興味深い・・・」
「あ、ありがとうございます」
「南蛮に傾倒している私の妻に相応しい」
「はい?」
突然のお嫁さん発言に目が点になる。
「いえいえ・・・一城の主の配偶者など、私のような身元不明人には務まりません」
「務めて欲しいとは思っておらぬ。ただこの城に居てくれさえいればいい」
ええ・・・。
困惑してしまうのは、発言の内容だけでなく、目の前の殿様は本当に私を見染めたようには見えないことだ。
淡々と無表情に先の言葉を述べた。
本当に求婚したいわけじゃなさそう・・・。
「えっと・・・。私は忍術学園の事務員として働き続けたいので・・・」
「ここから通えばいい」
「ちょっと遠すぎます・・・。ここまで来るのに諸泉さんのお力も借りているぐらいなので・・・」
「毎日尊奈門に運んでもらえ」
「ええっ!?」
諸泉さんも驚いてるよ。
困惑して雑渡さんに目線で助けを求めると、彼はため息を吐いた。
「殿・・・。彼女は忍術学園の一員です。本日も日暮れまでには戻ると伝えてあります。戻らなければ総出で連れ戻しにくるでしょう」
「迎え撃てばいい」
「ええ!?」
今まで凄く紳士的だったのに!
いきなり話が拗れて、呆気に取られる。
「困るのだよ。忍術学園の懐が潤うのは。それにこの南蛮の知識・・・戦を左右しかねる武器になりかねん」
本音はそれか。
私が忍術学園に居ることで、南蛮の武器とかそういうのを伝授するのではって思っているのか。
「あの・・・私、戦に関する知識は全くないです」
「口では何とでも言える」
「・・・」
本当に武器とか全く知らないよ。
学園の力になりたくても、ただの現代人由来の生活全般しかお役に立てない・・・。
「本当に知らないんです・・・」
「それにそなたを妻に迎えたいというのも本心だ。南蛮の話をもっと聞きたい。私と結婚すれば生活に困ることもない。南蛮の伝手を使って身元も探してやろう」
こんな身元不明の女を嫁に迎えたいなんて、正気?
「お殿様って、政略結婚されるものかと思っていたのですが・・・」
「そんなもの、力のない脆弱な城がするものだ」
おお、なんか一瞬格好良く見えてしまった。
でも・・・。
「私なんかを見染めてくださってとても有難く思います。ですが、私の居場所は学園にございますので・・・」
カステラ美味しかったです、とこれにてお暇しようかと腰を上げたが、許されなかった。
「待て。しばらくここで過ごせば気が変わるかもしれぬ。二、三泊していくとよい」
「え・・・」
「二、三泊ぐらいであれば学園も許してくれるであろう」
許す、許さないじゃなくて、私自身が帰りたいんですけど・・・。
そして気が変わることは断じてない。
助けてくれ・・・と雑渡さんに目配せすると、彼は本日何度目かの溜息を吐いた。
「忍術学園と交渉して参ります」
「ふむ。頼むぞ」
頼まないで!
そして、行かないで雑渡さん!!
最後の頼みの綱、諸泉さんの方を見るとアワアワと慌てていた。
「二、三泊してからまた答えを聞かせてくれ」
こうして、私はしばらくタソガレドキ城にお泊りすることが決まってしまった。
