【3章】フォーリンラブin室町
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「殿、忍術学園から名字名前様をお連れしました」
「ふむ、入れ」
いや、ぶっちゃけさ?
そっちが呼んだんだから、立って襖を開けて招き入れてくれよ、と思うのだが。
殿様って良いご身分だよなぁ…。
殿様だもんな。
なんて心の中で思ったが、もちろん思うだけに留めて諸泉さんが襖を開けるのを待った。
襖が開かれると、中央に二名分のお茶と茶菓子が用意されていた。
「失礼します」
雑渡さんから目配せで中へ入るように合図されたので、私は敷居を跨いで中へ入った。
「楽しみにしておったぞ」
「お招き頂き、ありがとうございます」
「まぁ、そこへ」
私は私用に用意してくれたであろう座布団に、正座で腰を下ろした。
「カステラは好きか?」
「はい。大好きです」
カステラなんて現代では見慣れたものだが、こっちの世界ではそんなに流通量が多くない。
団子に比べたらなかなか食べられる機会が少ないので、嬉しい。
「では、いただきます」
一応殿様が先に食べるのを待ってから、私も頂いた。
「おいしいです!」
しんべヱくんが以前分けてくれたカステラとはまた違った味がした。
多分カステラの中でも高級なやつだ。
ふわふわでとろける。
ざらめも安っぽい感じじゃなくて、品がある…。
さすが殿様。
感動しながら食べていると、殿様は満足そうに髭を触った。
「どうじゃ?故郷は思い出したか?」
「え…?」
口の中に広がった甘みを噛み締めていると、目の前の殿様は私にそう問いかけてきた。
一気に口内から味消えた。
「どういう意味…ですか?」
「南蛮の姫……という噂を耳にしてな」
「えっと……。私、記憶がなくて、南蛮の姫っていうのは周りが勝手にそうなんじゃないかって言ってるだけですよ」
カステラを切り分けていた黒文字を持つ手が震える。
てっきり聞かれるとしたら忍術学園の情報だと思っていた。
百歩譲って、見た目的に南蛮人っぽいと言われるのはありえると思ったが❝南蛮の姫❞というワードが出てきた以上、学園から情報が漏れてる。
学園には一年生達がいるし、「お姫様なんですか?」って目をキラキラさせて聞かれることも、しばしばあったので彼らから諸泉さんか雑渡さん経由で情報が回る可能性はありえると思った。
チラリと諸泉さんを見れば、目を逸らされたので、ああやっぱり…と納得した。
「これを売ったのはそなたか?」
殿様の合図で諸泉さんは衝立の後ろに隠していた脱水機を取り出した。
「あ……」
「それも町で流行っているらしいな」
殿様は私の手首に巻いているミサンガに視線を向けた。
「南蛮の物を作れるのか?」
「えっと…何でも作れるわけではないです…」
「ほう。ではやはりこれらはそなたが作ったのだな」
あっ!
自白させられてしまった。
「ぜひ、これらの使い方を教えてほしい」
「え?」
何となく怒られるのかなって思ってたから、使い方を聞かれただけであることに私は安心して、ぺらぺらと話し始めた。
「ふむ、入れ」
いや、ぶっちゃけさ?
そっちが呼んだんだから、立って襖を開けて招き入れてくれよ、と思うのだが。
殿様って良いご身分だよなぁ…。
殿様だもんな。
なんて心の中で思ったが、もちろん思うだけに留めて諸泉さんが襖を開けるのを待った。
襖が開かれると、中央に二名分のお茶と茶菓子が用意されていた。
「失礼します」
雑渡さんから目配せで中へ入るように合図されたので、私は敷居を跨いで中へ入った。
「楽しみにしておったぞ」
「お招き頂き、ありがとうございます」
「まぁ、そこへ」
私は私用に用意してくれたであろう座布団に、正座で腰を下ろした。
「カステラは好きか?」
「はい。大好きです」
カステラなんて現代では見慣れたものだが、こっちの世界ではそんなに流通量が多くない。
団子に比べたらなかなか食べられる機会が少ないので、嬉しい。
「では、いただきます」
一応殿様が先に食べるのを待ってから、私も頂いた。
「おいしいです!」
しんべヱくんが以前分けてくれたカステラとはまた違った味がした。
多分カステラの中でも高級なやつだ。
ふわふわでとろける。
ざらめも安っぽい感じじゃなくて、品がある…。
さすが殿様。
感動しながら食べていると、殿様は満足そうに髭を触った。
「どうじゃ?故郷は思い出したか?」
「え…?」
口の中に広がった甘みを噛み締めていると、目の前の殿様は私にそう問いかけてきた。
一気に口内から味消えた。
「どういう意味…ですか?」
「南蛮の姫……という噂を耳にしてな」
「えっと……。私、記憶がなくて、南蛮の姫っていうのは周りが勝手にそうなんじゃないかって言ってるだけですよ」
カステラを切り分けていた黒文字を持つ手が震える。
てっきり聞かれるとしたら忍術学園の情報だと思っていた。
百歩譲って、見た目的に南蛮人っぽいと言われるのはありえると思ったが❝南蛮の姫❞というワードが出てきた以上、学園から情報が漏れてる。
学園には一年生達がいるし、「お姫様なんですか?」って目をキラキラさせて聞かれることも、しばしばあったので彼らから諸泉さんか雑渡さん経由で情報が回る可能性はありえると思った。
チラリと諸泉さんを見れば、目を逸らされたので、ああやっぱり…と納得した。
「これを売ったのはそなたか?」
殿様の合図で諸泉さんは衝立の後ろに隠していた脱水機を取り出した。
「あ……」
「それも町で流行っているらしいな」
殿様は私の手首に巻いているミサンガに視線を向けた。
「南蛮の物を作れるのか?」
「えっと…何でも作れるわけではないです…」
「ほう。ではやはりこれらはそなたが作ったのだな」
あっ!
自白させられてしまった。
「ぜひ、これらの使い方を教えてほしい」
「え?」
何となく怒られるのかなって思ってたから、使い方を聞かれただけであることに私は安心して、ぺらぺらと話し始めた。
