【3章】フォーリンラブin室町
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ミサンガは大成功をおさめ、材料費分だけ頂いて、残りの利益は学園の委員会活動に還元してもらった。
ここに来た当初は、筋力が無さすぎ、無知すぎのせいで日常生活さえままならず、自己肯定感ダダ下がりだったが、自分にもできることが見つかって、最近の私は本来の自己肯定感を取り戻すことができた。
ずっと学園のお荷物だった自分が、学園のために何かできたことは大きな自信につながった。
「(他にもっと何かないかなぁ〜)」
ミサンガは大体売り終えた…というか、市場に出せば目をつけた商人にすぐ真似をされるので、ミサンガも他の露店で売られるようになってしまったのだ。
なので、流通量が増えた今、次に市場に出しても値崩れが起きて安くでしか売れないだろう。
頭の中は次の物販でいっぱいの私だったが、目の前では突如として開催された運動会が繰り広げられている。
っていうか司会進行してるユキちゃんが「Aコース、Bコース、Cコース」って案内してるの聞いて驚いた。めっちゃアルファベット…。
「名前さーん!来てください!」
保健委員会のみんなに突然手を引かれて、思考が現実に引き戻された。
「え?私?」
早く早く、と一年生達に手を引っ張られてゴールへと急いだ。
借り物競争で選んでもらえるって、なんか嬉しいよね。
頑張って走って、後にそのお題が「美人」だったと教えてくれて、喜びから乱太郎くんを抱き締めてぐるぐる回した。
*******************
ま、まずい…。
私は城主の隣で冷や汗を掻いていた。
名前さんにあらかじめ身を隠すように助言しようと思っていたのだが、できないまま競技が始まってしまったのだ。
どうか、城主の目に留まらないように…と祈っていたのだが、仮にも一城の主なのだ。
ましてや彼女は目立つ。
そもそもこの場には男が多いので、女というだけで目立つ。
そして他にもなんか色々目立つ。
「あの娘…。見目が我らと異なるな…」
「そ、そうでしょうか?気の所為では…」
そう言うと、城主は私に横目でチラリと視線を送った。
「尊奈門はまだまだだな」
お前はどう思う、と組頭に意見を求めた。
「確かに、我々とは違った雰囲気を持っておりますが…。どこにでもいる娘かと」
「……………あの娘、南蛮人ではないか?」
内心、ドキリとした。
組頭が言っていた❝南蛮の姫❞という言葉が過った。
城主は私の背中をおもむろに二度叩いた。
「そんなことでは敵に捕らえられたときが心配だな」
組頭の表情は「はあ…」と呆れているように見えた。
「いや、あの…あくまで噂程度で。本当に南蛮の姫である可能性は低いと思います!」
「南蛮の姫…?」
思わず口が滑ってしまい、組頭から「尊奈門」と嗜められた。
「ほお…。あの娘と話してみたい。よいではないか。少し話をするだけだ…。城に連れてこい」
本当に少し話をするだけで終わるのだろうか。
それなら運動会中でいいではないか。
私はとんでもない過ちを犯してしまったかもしれない。
自分の素直な表情筋を恨めしく思った。
ここに来た当初は、筋力が無さすぎ、無知すぎのせいで日常生活さえままならず、自己肯定感ダダ下がりだったが、自分にもできることが見つかって、最近の私は本来の自己肯定感を取り戻すことができた。
ずっと学園のお荷物だった自分が、学園のために何かできたことは大きな自信につながった。
「(他にもっと何かないかなぁ〜)」
ミサンガは大体売り終えた…というか、市場に出せば目をつけた商人にすぐ真似をされるので、ミサンガも他の露店で売られるようになってしまったのだ。
なので、流通量が増えた今、次に市場に出しても値崩れが起きて安くでしか売れないだろう。
頭の中は次の物販でいっぱいの私だったが、目の前では突如として開催された運動会が繰り広げられている。
っていうか司会進行してるユキちゃんが「Aコース、Bコース、Cコース」って案内してるの聞いて驚いた。めっちゃアルファベット…。
「名前さーん!来てください!」
保健委員会のみんなに突然手を引かれて、思考が現実に引き戻された。
「え?私?」
早く早く、と一年生達に手を引っ張られてゴールへと急いだ。
借り物競争で選んでもらえるって、なんか嬉しいよね。
頑張って走って、後にそのお題が「美人」だったと教えてくれて、喜びから乱太郎くんを抱き締めてぐるぐる回した。
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ま、まずい…。
私は城主の隣で冷や汗を掻いていた。
名前さんにあらかじめ身を隠すように助言しようと思っていたのだが、できないまま競技が始まってしまったのだ。
どうか、城主の目に留まらないように…と祈っていたのだが、仮にも一城の主なのだ。
ましてや彼女は目立つ。
そもそもこの場には男が多いので、女というだけで目立つ。
そして他にもなんか色々目立つ。
「あの娘…。見目が我らと異なるな…」
「そ、そうでしょうか?気の所為では…」
そう言うと、城主は私に横目でチラリと視線を送った。
「尊奈門はまだまだだな」
お前はどう思う、と組頭に意見を求めた。
「確かに、我々とは違った雰囲気を持っておりますが…。どこにでもいる娘かと」
「……………あの娘、南蛮人ではないか?」
内心、ドキリとした。
組頭が言っていた❝南蛮の姫❞という言葉が過った。
城主は私の背中をおもむろに二度叩いた。
「そんなことでは敵に捕らえられたときが心配だな」
組頭の表情は「はあ…」と呆れているように見えた。
「いや、あの…あくまで噂程度で。本当に南蛮の姫である可能性は低いと思います!」
「南蛮の姫…?」
思わず口が滑ってしまい、組頭から「尊奈門」と嗜められた。
「ほお…。あの娘と話してみたい。よいではないか。少し話をするだけだ…。城に連れてこい」
本当に少し話をするだけで終わるのだろうか。
それなら運動会中でいいではないか。
私はとんでもない過ちを犯してしまったかもしれない。
自分の素直な表情筋を恨めしく思った。
