【3章】フォーリンラブin室町
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私は土井先生と手を繋ぎながら、町中を歩いた。
「あの店とかどうかな?」
「お団子屋さん!いいですね」
中を見ると数組のカップルが座っていた。
「いらっしゃい」
店主に迎えられ、私達も腰を下ろした。
「半助さん、何食べますか?」
「あべかわにしようかな」
「美味しそう。私は…うーん、あんこがのってるやつがいいです」
「じゃあこれだね」
身を寄せ合って一つのお品書きを覗き込む姿は、どこからどう見ても恋仲…なはず。
店主に注文して、お団子が来るまでの間、私は周囲に聞こえるように会話を切り出した。
「それにしても、この南蛮で流行ってるミサンガってとても素敵」
「ああ。切れたら願い事が叶う…だっけ?何をお願いしたの?」
「それはもちろん…半助さんとずっと一緒にいられますようにってお願いしました」
土井先生に視線を向けたら、頬が染まっていた。
演技上手いな…。
「半助さんは?」
「私も同じだよ。名前さんとずっと一緒にいられますようにって」
「嬉しい…」
真剣な眼差しで伝えられたら、営業戦略とは分かっていても照れちゃう。
土井先生も同じだったのかな。
「恋仲でお揃いにするっていうのも、情緒があって素敵」
「君が私の恋仲だって、周りの男を牽制できるしね」
「やだ、半助さんったら」
周囲に気を配ると、こっちの話を盗み聞きしているカップルが数組いた。
特に女性側が興味津々だ。
「それにしても運が良かったね。たまたま今日限定で売りに来てるなんて」
「本当に。私、ちょっとお手洗いに行ってきます」
隣の女性が厠に行ったのを確認して、私も席を立った。
厠の側で女性が出てくるのを待ち、出てきたタイミングでまるで今から入るという素振りを見せた。あえてチラリと目線を送って。
「あ、あの…」
私が期待していた通り、女性は私に話しかけてきた。
「さっき話てたミサンガ…?ってどこに売ってますか?すみません…盗み聞きして」
「いえいえ。あそこの通りをまっすぐ行って…」
私は女性にきり丸くん達の居場所を伝えた。
「ありがとうございます」
女性は嬉しそうに団子屋へ戻っていった。
*******************
名前さんが団子屋を出て行ったあと、隣の男性がソワソワしていることに私は気づいていた。
何食わぬ顔で、恋仲の帰りを待って暇を持て余している男を演じた。
「あの…」
「はい?」
垂らした糸の餌に食いついた瞬間だった。
「さっきの話てたミサンガ…ってやっぱり南蛮の物だから高いですか?」
「いえいえ。庶民でも買える品物でしたよ。見ますか?」
私は手首についたミサンガを男に見せた。
「ただの紐…に見えるんですけど」
「いい商売してますよね。我々男からすればしょうもなく感じますが、女性は恋仲と同じ物を持つことに特別な感情をもつようです」
ただの紐だからこそ我々男から簡単に贈ることができる値段で手に入りますよ、と言えば男は納得していた。
「確かに…。簪を贈るよりよっぽど安上がりだ」
「それでいて喜んでくれる」
「どこに売っていましたか?」
私はきり丸達の居場所を男に伝えた。
「一郎さん、ただいま」
隣の女性が戻ってきた。
「あのね…私もミサンガが欲しいんだけど…」
名前さんも上手く誘導できたんだな。
女性と目が合い、ぺこりと会釈した。
「ああ。ちょうどこちらの男性からその話を聞いてたんだ。食べ終わったし、買いに行こうか」
「本当!?嬉しい!」
「教えてくれてありがとう」
「早く行ったほうがいいですよ。本日限定、売り切れ御免らしいんで」
隣の席の二人は店を出ていった。
そして店内に居た他の恋仲達も、私達の会話を聞いていたのだろう。
次々に席が空き、女性が早く早くと手を引っ張っていくのを捉えた。
「作戦成功…かな」
私は戻ってきた名前さんに親指を上に上げて見せると、嬉しそうに手を叩いていた。
「あの店とかどうかな?」
「お団子屋さん!いいですね」
中を見ると数組のカップルが座っていた。
「いらっしゃい」
店主に迎えられ、私達も腰を下ろした。
「半助さん、何食べますか?」
「あべかわにしようかな」
「美味しそう。私は…うーん、あんこがのってるやつがいいです」
「じゃあこれだね」
身を寄せ合って一つのお品書きを覗き込む姿は、どこからどう見ても恋仲…なはず。
店主に注文して、お団子が来るまでの間、私は周囲に聞こえるように会話を切り出した。
「それにしても、この南蛮で流行ってるミサンガってとても素敵」
「ああ。切れたら願い事が叶う…だっけ?何をお願いしたの?」
「それはもちろん…半助さんとずっと一緒にいられますようにってお願いしました」
土井先生に視線を向けたら、頬が染まっていた。
演技上手いな…。
「半助さんは?」
「私も同じだよ。名前さんとずっと一緒にいられますようにって」
「嬉しい…」
真剣な眼差しで伝えられたら、営業戦略とは分かっていても照れちゃう。
土井先生も同じだったのかな。
「恋仲でお揃いにするっていうのも、情緒があって素敵」
「君が私の恋仲だって、周りの男を牽制できるしね」
「やだ、半助さんったら」
周囲に気を配ると、こっちの話を盗み聞きしているカップルが数組いた。
特に女性側が興味津々だ。
「それにしても運が良かったね。たまたま今日限定で売りに来てるなんて」
「本当に。私、ちょっとお手洗いに行ってきます」
隣の女性が厠に行ったのを確認して、私も席を立った。
厠の側で女性が出てくるのを待ち、出てきたタイミングでまるで今から入るという素振りを見せた。あえてチラリと目線を送って。
「あ、あの…」
私が期待していた通り、女性は私に話しかけてきた。
「さっき話てたミサンガ…?ってどこに売ってますか?すみません…盗み聞きして」
「いえいえ。あそこの通りをまっすぐ行って…」
私は女性にきり丸くん達の居場所を伝えた。
「ありがとうございます」
女性は嬉しそうに団子屋へ戻っていった。
*******************
名前さんが団子屋を出て行ったあと、隣の男性がソワソワしていることに私は気づいていた。
何食わぬ顔で、恋仲の帰りを待って暇を持て余している男を演じた。
「あの…」
「はい?」
垂らした糸の餌に食いついた瞬間だった。
「さっきの話てたミサンガ…ってやっぱり南蛮の物だから高いですか?」
「いえいえ。庶民でも買える品物でしたよ。見ますか?」
私は手首についたミサンガを男に見せた。
「ただの紐…に見えるんですけど」
「いい商売してますよね。我々男からすればしょうもなく感じますが、女性は恋仲と同じ物を持つことに特別な感情をもつようです」
ただの紐だからこそ我々男から簡単に贈ることができる値段で手に入りますよ、と言えば男は納得していた。
「確かに…。簪を贈るよりよっぽど安上がりだ」
「それでいて喜んでくれる」
「どこに売っていましたか?」
私はきり丸達の居場所を男に伝えた。
「一郎さん、ただいま」
隣の女性が戻ってきた。
「あのね…私もミサンガが欲しいんだけど…」
名前さんも上手く誘導できたんだな。
女性と目が合い、ぺこりと会釈した。
「ああ。ちょうどこちらの男性からその話を聞いてたんだ。食べ終わったし、買いに行こうか」
「本当!?嬉しい!」
「教えてくれてありがとう」
「早く行ったほうがいいですよ。本日限定、売り切れ御免らしいんで」
隣の席の二人は店を出ていった。
そして店内に居た他の恋仲達も、私達の会話を聞いていたのだろう。
次々に席が空き、女性が早く早くと手を引っ張っていくのを捉えた。
「作戦成功…かな」
私は戻ってきた名前さんに親指を上に上げて見せると、嬉しそうに手を叩いていた。
