【3章】フォーリンラブin室町
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私は約束通り、三十分以内に長屋に戻った。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさい」
まるで家族みたいなやりとりにこそばゆくなる。
「きり丸くん、おはよう」
「おはようございます」
目をごしごし擦っている彼は寝起きのようだ。
「朝ごはん、私が作りますね」
この三日間で慣れた炊事場で朝食を作り始めた。
「僕もやります」
「じゃあ私も」
「ふふ。せっかく最後のご飯だから三人でやりましょうか」
三人立てば少し狭くなる台所で、ここで食べる最後の朝食を作った。
「「「いただきます」」」
今日は奮発してお魚もあります!と意気揚々と掲げるきり丸くんが可愛かった。
「あーあ。もう休み終わりかぁ」
「まだ終わってないのに終わった話をするな」
きり丸くんは頭を垂れた。
「あっ!そうだ!きり丸くんに相談したいことがあったんだった!」
例のドタバタですっかり忘れてた。
「僕に?土井先生じゃなくて?」
「うん。きり丸くんがいいの」
「嬉しいっすけど、土井先生が傷ついてますよ」
「そ、そうじゃなくて!もちろん、土井先生にも聞いてほしいんですけど…」
私は慌てて弁明した。
そして、ずっと考えていたことを二人に話した。
「ふむふむ……」
「へぇ…なるほどな」
「どうかな…商才があるきり丸くん視点で率直な意見を教えてほしい」
きり丸くんは真剣な顔で考え込んでいる。
シュバババと頭の中で計算してくれているようだ。
「いける!いけると思います!銭の音がするぅ〜!!」
「ほんと!?」
「兵太夫と三治郎が似たようなからくりを作ったことがあるんですよ!」
「そうなの!?」
「あとは用具委員会あたりに声掛けたら…」
「手伝ってもらえるかなぁ?」
「名前さんが頼めばいけるっす」
私はチラリと土井先生を伺った。
「土井先生はどう思いますか?この案…」
「うん、やってみる価値はあると思う」
「こうなると俄然早く忍術学園に帰りたくなってきた!」
「現金な奴だな…」
ずっと考えていた案を肯定してもらえて嬉しかった。
きり丸くんじゃないけど、私も早く帰ってみんなに共有したい。
*********************
そして、お休みが終わり学園に活気が戻った。
「あっ!いた!文次郎くん!」
「お久しぶりです」
「みんな久しぶり!!」
六年生が全員集合していた輪に突っ込んでいった。
「何かいいことあったんですか?」
テンション高めな私を見て仙蔵くんが尋ねた。
「いいことっていうか…文次郎くんに相談したいことがあって…」
「俺に?」
「文次郎に?」
仙蔵くんの怪訝そうな顔に私は慌てて手を振った。
「や、みんなにも聞いてほしくて。でもまずは文次郎くんの壁を突破できるかが重要だから……」
「俺の壁…?」
はてなマークを浮かべている六年生達に輪になって貰って、土井先生ときり丸くんに話した内容をそのまま伝えた。
「なるほど…面白そうですね」
「これは南蛮の道具なのですか?」
「そうなの!ずっとこれあったら便利なのになぁって思ってたの…。でも先行投資が必要だから、予算おろせるか相談したくて。きり丸くんは売れるって判断してくれたけど、みんなの意見も聞きたい」
「山から使えそうな廃材持ってきたら、あとは用具委員会で作れそうですね」
「そうなの!用具委員会にも手伝ってもらえないかなぁ…って思ってて。でも一番負担かけちゃうから留三郎くんにも相談したくて」
文次郎くんはうーん…と腕組みをして考えた。
「まずは一個作って、売れなかったら学園で使うっていうのも…」
「それはダメです。一度市場に出したら目をつけた商人に真似されるので、やるなら量産して一気に売った方がいい」
私は日和って逃げ道も提案したけど、仙蔵くんの意見も尤もだと思った。
「これで出た利益を他の予算に回せないかなぁ…って思ったの」
「いいんですか?名前さんが考えたやつなのに」
「どこの委員会も予算が足りなくて困ってたみたいだったから収入を増やせないかなぁ…って思ったの。でも元々カツカツなのに先行投資する価値と余裕があるか聞きたくて」
文次郎くんは胡座を掻いていた脚をパン!と叩いた。
「やりましょう!」
「ほんと!?」
「ええ。どうやって売るか…その流れを詳細に詰めてからにはなりますが」
「もちろん!ちゃんと売り込む方法も考えてるの!」
私はみんなに説明するために地面に描いた絵を指差した。
「すごく便利だから!!脱水機!!!」
「ただいま戻りました」
「おかえりなさい」
まるで家族みたいなやりとりにこそばゆくなる。
「きり丸くん、おはよう」
「おはようございます」
目をごしごし擦っている彼は寝起きのようだ。
「朝ごはん、私が作りますね」
この三日間で慣れた炊事場で朝食を作り始めた。
「僕もやります」
「じゃあ私も」
「ふふ。せっかく最後のご飯だから三人でやりましょうか」
三人立てば少し狭くなる台所で、ここで食べる最後の朝食を作った。
「「「いただきます」」」
今日は奮発してお魚もあります!と意気揚々と掲げるきり丸くんが可愛かった。
「あーあ。もう休み終わりかぁ」
「まだ終わってないのに終わった話をするな」
きり丸くんは頭を垂れた。
「あっ!そうだ!きり丸くんに相談したいことがあったんだった!」
例のドタバタですっかり忘れてた。
「僕に?土井先生じゃなくて?」
「うん。きり丸くんがいいの」
「嬉しいっすけど、土井先生が傷ついてますよ」
「そ、そうじゃなくて!もちろん、土井先生にも聞いてほしいんですけど…」
私は慌てて弁明した。
そして、ずっと考えていたことを二人に話した。
「ふむふむ……」
「へぇ…なるほどな」
「どうかな…商才があるきり丸くん視点で率直な意見を教えてほしい」
きり丸くんは真剣な顔で考え込んでいる。
シュバババと頭の中で計算してくれているようだ。
「いける!いけると思います!銭の音がするぅ〜!!」
「ほんと!?」
「兵太夫と三治郎が似たようなからくりを作ったことがあるんですよ!」
「そうなの!?」
「あとは用具委員会あたりに声掛けたら…」
「手伝ってもらえるかなぁ?」
「名前さんが頼めばいけるっす」
私はチラリと土井先生を伺った。
「土井先生はどう思いますか?この案…」
「うん、やってみる価値はあると思う」
「こうなると俄然早く忍術学園に帰りたくなってきた!」
「現金な奴だな…」
ずっと考えていた案を肯定してもらえて嬉しかった。
きり丸くんじゃないけど、私も早く帰ってみんなに共有したい。
*********************
そして、お休みが終わり学園に活気が戻った。
「あっ!いた!文次郎くん!」
「お久しぶりです」
「みんな久しぶり!!」
六年生が全員集合していた輪に突っ込んでいった。
「何かいいことあったんですか?」
テンション高めな私を見て仙蔵くんが尋ねた。
「いいことっていうか…文次郎くんに相談したいことがあって…」
「俺に?」
「文次郎に?」
仙蔵くんの怪訝そうな顔に私は慌てて手を振った。
「や、みんなにも聞いてほしくて。でもまずは文次郎くんの壁を突破できるかが重要だから……」
「俺の壁…?」
はてなマークを浮かべている六年生達に輪になって貰って、土井先生ときり丸くんに話した内容をそのまま伝えた。
「なるほど…面白そうですね」
「これは南蛮の道具なのですか?」
「そうなの!ずっとこれあったら便利なのになぁって思ってたの…。でも先行投資が必要だから、予算おろせるか相談したくて。きり丸くんは売れるって判断してくれたけど、みんなの意見も聞きたい」
「山から使えそうな廃材持ってきたら、あとは用具委員会で作れそうですね」
「そうなの!用具委員会にも手伝ってもらえないかなぁ…って思ってて。でも一番負担かけちゃうから留三郎くんにも相談したくて」
文次郎くんはうーん…と腕組みをして考えた。
「まずは一個作って、売れなかったら学園で使うっていうのも…」
「それはダメです。一度市場に出したら目をつけた商人に真似されるので、やるなら量産して一気に売った方がいい」
私は日和って逃げ道も提案したけど、仙蔵くんの意見も尤もだと思った。
「これで出た利益を他の予算に回せないかなぁ…って思ったの」
「いいんですか?名前さんが考えたやつなのに」
「どこの委員会も予算が足りなくて困ってたみたいだったから収入を増やせないかなぁ…って思ったの。でも元々カツカツなのに先行投資する価値と余裕があるか聞きたくて」
文次郎くんは胡座を掻いていた脚をパン!と叩いた。
「やりましょう!」
「ほんと!?」
「ええ。どうやって売るか…その流れを詳細に詰めてからにはなりますが」
「もちろん!ちゃんと売り込む方法も考えてるの!」
私はみんなに説明するために地面に描いた絵を指差した。
「すごく便利だから!!脱水機!!!」
