【3章】フォーリンラブin室町
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その夜。
きり丸はまだ眠くない、とごねていたが無理矢理寝かせた。
名前さんも泣き疲れて眠っていた。
荷物に凭れ掛かるようにして眠っていたので、布団を敷いて横に寝かせた。
「ん・・・」
ゴロンと寝返りを打ったが、起きる様子はなかった。
頬には涙が乾いた跡がついていた。
「いってきます」
耳元で囁くと名前さんは擽ったそうに身を捩った。
外へ出ると、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っていた。
夜が更けた。
忍者のゴールデンタイムだ。
「必ず取り返してくるから」
この時間を待っていた。
ある意味彼女の家は有名なので、探す手間が無い。
一際大きな土地へ降り立つと、屋根裏から忍び込み、彼女の寝室を探した。
「(居た・・・)」
地主という特性上、高価な金品を扱う行商とは違い夜に護衛を雇っていないので簡単にたどり着けた。
天井を外してぐっすり眠っている彼女の傍に降り立つと、外して机に置いてあった櫛と簪を回収した。
「これは返してもらうよ」
同じ寝顔なのに、彼女を見ると心が冷えていく。
早く名前さんに会いたい。
そして早く笑ってほしい。
来た道を戻って、帰路を急いだ。
*******************
いつの間に寝ていたんだろう。
肩を揺さぶられて起きた。
「名前さん、名前さん」
「ん・・・」
目を覚ますと土井先生が視界に入った。
「え!?朝ですか!?」
寝坊してしまった、と思ったが外はまだ真っ暗だった。
「ごめんね、起こしちゃって」
「いえ・・・」
「でも早く渡したくて」
土井先生は私の手にそっと櫛と簪を乗せてくれた。
「え!?」
なんでこれがここに!?
驚いて土井先生を見ると、黒い忍装束を着ていた。
「あ・・・」
取り返してくれたんだ・・・。
すぐにわかって、私は思わず土井先生に抱きついた。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
嬉しすぎて、あれだけ泣いたのにまた涙が出てきた。
「いや・・・あの時我慢させてしまってすまなかった」
「そんな・・・」
土井先生は何も悪くない。
私は首を大きく横に振った。
「こんな時間なんだけど、少し付き合ってくれるかい?」
「はい」
何に付き合えばいいんだろう?と思っていたら、土井先生はきり丸くんを起こした。
「きり丸!きり丸!起きろ」
私の時と違って少し雑な起こし方が年の離れた兄弟みたいで笑えた。
「んあ?朝?」
私と同じ反応をしているきり丸くんに思わず笑い声が漏れた。
「名前さん?あれ?」
「櫛と簪、土井先生が取り戻してくれたの」
すっかり元気になった私を見て、きり丸くんも笑ってくれた。
「良かった!」
「だから言っただろ。何とかするって」
「さすが土井先生!」
「ほら、遅くなったけど、アレをやろう」
「アレ?」
私が首を傾げているときり丸くんが立ち上がって、包みを抱えて戻って来た。
「これ・・・」
きり丸くんが中を開けると、手持ち花火が入っていた。
きり丸はまだ眠くない、とごねていたが無理矢理寝かせた。
名前さんも泣き疲れて眠っていた。
荷物に凭れ掛かるようにして眠っていたので、布団を敷いて横に寝かせた。
「ん・・・」
ゴロンと寝返りを打ったが、起きる様子はなかった。
頬には涙が乾いた跡がついていた。
「いってきます」
耳元で囁くと名前さんは擽ったそうに身を捩った。
外へ出ると、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っていた。
夜が更けた。
忍者のゴールデンタイムだ。
「必ず取り返してくるから」
この時間を待っていた。
ある意味彼女の家は有名なので、探す手間が無い。
一際大きな土地へ降り立つと、屋根裏から忍び込み、彼女の寝室を探した。
「(居た・・・)」
地主という特性上、高価な金品を扱う行商とは違い夜に護衛を雇っていないので簡単にたどり着けた。
天井を外してぐっすり眠っている彼女の傍に降り立つと、外して机に置いてあった櫛と簪を回収した。
「これは返してもらうよ」
同じ寝顔なのに、彼女を見ると心が冷えていく。
早く名前さんに会いたい。
そして早く笑ってほしい。
来た道を戻って、帰路を急いだ。
*******************
いつの間に寝ていたんだろう。
肩を揺さぶられて起きた。
「名前さん、名前さん」
「ん・・・」
目を覚ますと土井先生が視界に入った。
「え!?朝ですか!?」
寝坊してしまった、と思ったが外はまだ真っ暗だった。
「ごめんね、起こしちゃって」
「いえ・・・」
「でも早く渡したくて」
土井先生は私の手にそっと櫛と簪を乗せてくれた。
「え!?」
なんでこれがここに!?
驚いて土井先生を見ると、黒い忍装束を着ていた。
「あ・・・」
取り返してくれたんだ・・・。
すぐにわかって、私は思わず土井先生に抱きついた。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
嬉しすぎて、あれだけ泣いたのにまた涙が出てきた。
「いや・・・あの時我慢させてしまってすまなかった」
「そんな・・・」
土井先生は何も悪くない。
私は首を大きく横に振った。
「こんな時間なんだけど、少し付き合ってくれるかい?」
「はい」
何に付き合えばいいんだろう?と思っていたら、土井先生はきり丸くんを起こした。
「きり丸!きり丸!起きろ」
私の時と違って少し雑な起こし方が年の離れた兄弟みたいで笑えた。
「んあ?朝?」
私と同じ反応をしているきり丸くんに思わず笑い声が漏れた。
「名前さん?あれ?」
「櫛と簪、土井先生が取り戻してくれたの」
すっかり元気になった私を見て、きり丸くんも笑ってくれた。
「良かった!」
「だから言っただろ。何とかするって」
「さすが土井先生!」
「ほら、遅くなったけど、アレをやろう」
「アレ?」
私が首を傾げているときり丸くんが立ち上がって、包みを抱えて戻って来た。
「これ・・・」
きり丸くんが中を開けると、手持ち花火が入っていた。
