【3章】フォーリンラブin室町
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「名前さん、お昼ごはんできたよ」
きり丸くんの声が聞こえて、私は重い腰を上げた。
「ごめんね・・・。何も手伝えなくて」
「それはいいけど・・・」
こんなんじゃいけない、と思いつつ気持ちを持ち直すことができなかった。
「冷めてしまうから食べようか」
土井先生に促されて、食卓についた。
「いただきます」
手を合わせてお昼ご飯を口に運んだ。
私のせいで、空気が重い。
「お昼からは何のアルバイトするの?」
洗濯物はもうしたくないな・・・と思いながら白米を口に入れた。
「今日はもう無いっす」
「そうなの?」
「はい」
きり丸くんがアルバイト入れないなんて珍しいこともあるんだな、と思った。
「土井先生、あの櫛何とかならないんすか」
「そうだな・・・」
所在が分からなければ、まだ落ちてるかもという希望があったけれど、盗られたことが確定した今、探しに行く意味がなくなってしまった。
「もういいんです。ごめんなさい。私がちゃんと管理していなかったからこんなことになって」
「名前さんのせいじゃ・・・」
「二人に気を使わせるのも申し訳ないから笑顔でいなきゃって思うんですけど・・・」
お味噌汁の中にポタリと涙が落ちた。
「ちょっと今、笑えなくて・・・」
私は慌ててご飯を掻き込むと「ごちそうさまでした」と手を合わせてお皿を洗い再び部屋に引きこもった。
*******************
何でこんなことになってしまったんだ。
私は頭を抱えた。
名前さんときり丸と楽しく休暇を過ごすはずだったのに。
地主の娘を怒らせるとこの地域ではやりにくくなる。
だからあの時は名前さんに我慢させてしまった。
だが、その代償は大きかった。
部屋に駆け込んだ彼女は声を殺して泣いていた。
私達に心配かけまいとしているが、隠せない程に傷ついている。
こっそり覗いたら私があげた桜の手ぬぐいで顔を覆っていた。
こんなことのためにあの手ぬぐいを贈ったわけじゃないのに。
「アルバイト・・・今からでも入れられるんじゃないか?」
きり丸に声を掛けたが、首を横に振った。
「やめとく」
きり丸は懐から小さな包みを取り出した。
その包みをぼんやりと見つめていた。
「私が何とかするから。諦めるな」
「何とかって?」
「きり丸は心配しなくていい。だが、今日は早めに寝なさい」
「明日はもう学園に帰らなきゃですもんね」
私はきり丸の頭を撫でた。
きり丸と名前さんのために、なんとしても現状を打破しなければ。
いつもより具が多い味噌汁を飲み干した。
きり丸くんの声が聞こえて、私は重い腰を上げた。
「ごめんね・・・。何も手伝えなくて」
「それはいいけど・・・」
こんなんじゃいけない、と思いつつ気持ちを持ち直すことができなかった。
「冷めてしまうから食べようか」
土井先生に促されて、食卓についた。
「いただきます」
手を合わせてお昼ご飯を口に運んだ。
私のせいで、空気が重い。
「お昼からは何のアルバイトするの?」
洗濯物はもうしたくないな・・・と思いながら白米を口に入れた。
「今日はもう無いっす」
「そうなの?」
「はい」
きり丸くんがアルバイト入れないなんて珍しいこともあるんだな、と思った。
「土井先生、あの櫛何とかならないんすか」
「そうだな・・・」
所在が分からなければ、まだ落ちてるかもという希望があったけれど、盗られたことが確定した今、探しに行く意味がなくなってしまった。
「もういいんです。ごめんなさい。私がちゃんと管理していなかったからこんなことになって」
「名前さんのせいじゃ・・・」
「二人に気を使わせるのも申し訳ないから笑顔でいなきゃって思うんですけど・・・」
お味噌汁の中にポタリと涙が落ちた。
「ちょっと今、笑えなくて・・・」
私は慌ててご飯を掻き込むと「ごちそうさまでした」と手を合わせてお皿を洗い再び部屋に引きこもった。
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何でこんなことになってしまったんだ。
私は頭を抱えた。
名前さんときり丸と楽しく休暇を過ごすはずだったのに。
地主の娘を怒らせるとこの地域ではやりにくくなる。
だからあの時は名前さんに我慢させてしまった。
だが、その代償は大きかった。
部屋に駆け込んだ彼女は声を殺して泣いていた。
私達に心配かけまいとしているが、隠せない程に傷ついている。
こっそり覗いたら私があげた桜の手ぬぐいで顔を覆っていた。
こんなことのためにあの手ぬぐいを贈ったわけじゃないのに。
「アルバイト・・・今からでも入れられるんじゃないか?」
きり丸に声を掛けたが、首を横に振った。
「やめとく」
きり丸は懐から小さな包みを取り出した。
その包みをぼんやりと見つめていた。
「私が何とかするから。諦めるな」
「何とかって?」
「きり丸は心配しなくていい。だが、今日は早めに寝なさい」
「明日はもう学園に帰らなきゃですもんね」
私はきり丸の頭を撫でた。
きり丸と名前さんのために、なんとしても現状を打破しなければ。
いつもより具が多い味噌汁を飲み干した。
