【3章】フォーリンラブin室町
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「(そっか、土井先生の家に居るんだった・・・)」
差し込む朝日で目が覚めた風景が昨日までと違い、一瞬ドキッとした。
またタイムスリップしたわけじゃないと逸る胸をおさえて、二人がいる居間に顔を出した。
「ごちそうさまでした」
「今日は何のアルバイトするの?」
朝食を終えたあと、何のアルバイトをすればいいのかきり丸くんに尋ねた。
「あ、今日は……」
「半助ぇ〜〜〜〜!!!!」
外から隣のおばちゃんの怒号が聞こえた。
「おはようございます」
ペコペコしながら戸を開けた土井先生がおばちゃんに挨拶をした。
「今日はドブ掃除の日だよ!!忘れてないだろうね!?」
「わ、忘れてませんよっ」
「おや、あんた……」
私の顔を見て隣のおばちゃんは目をぱちくりさせた。
「あのっ。その節はありがとうございました。これ、以前お借りした肌小袖です。お返しするの遅れてすみません…」
私は洗ってきちんと干した肌小袖をおばちゃんに返した。
「いいんだよ。それはあげるよ」
「でも…」
「困ってるんだろ?私はまだ持ってるから大丈夫さ」
「隣のおばちゃんがこう言ってくれてるから。ありがたく貰っておこう」
「ありがとうございます」
土井先生に促されて、私は肌小袖をありがたく頂くことにした。
「その代わりと言っちゃなんだけど、ドブ掃除手伝ってくれないかい?」
「はい!もちろんです」
きり丸くんにいい?と聞けば、元からその予定で午前中はアルバイトを入れていなかったらしい。
三人でドブ掃除に向かった。
「名前さん。外では名前で呼んでくれるかい?」
「分かりました。半助さんですね」
名前で呼ぶなんて仲良しみたいで嬉しい。
「土井先生だけ苗字で呼んでたから、名前で呼べて嬉しいです」
利吉さん、伊作くん、仙蔵くんってみんな名前呼び(なんなら六年生は全員)しているのに、土井先生だけいつも土井先生だからちょっと寂しく思っていた。
でも先生に向かって名前で呼ぶのもおかしいし。
いいきっかけができて嬉しかった。
「なんならずっとそう呼んでくれても・・・」
「え?」
ごにょごにょ言う先生の言葉を聞き取れなかった。
「いや!何でもない」
「土井先生、今日あの人いるんじゃないっすか?名前さん居たらまずくないですか・・・?」
「あの人?」
「げっ・・・忘れてた・・・」
「半助さーーーーーん!!!!」
「ほら、噂をすれば・・・」
あそこがドブ掃除の集合場所と思われる人だかりから、一人が抜け出して駆け寄って来た。
「半助さん!お久しぶりです!」
私より少し年下ぐらいに見える若い女性が土井先生の前で止まった。
「や、やあ。久しぶり」
「なかなか帰って来てくれないから寂しかったです」
チラッと目が合ったので「おはようございます」と挨拶をしたが、小さく会釈で返されただけだった。
きり丸くんがちょいちょいと小袖を引っ張るので、屈んだら耳元で彼女のことを教えてくれた。
「この人、この辺で幅利かせてる地主の娘なんすよ。で、土井先生にゾッコン」
「え!?」
「土井先生がドブ掃除すっぽかすの、半分はこの人に会うのが嫌だからですよ」
「そうなんだ・・・」
そうだよね、土井先生って優しいし格好いいもん。
忍術学園では、くのたまちゃん達が利吉さんや六年生、タカ丸くんにキャーキャー言ってるから見落とされてるけど。
土井先生がモテないはずがない。
土井先生は彼女に腕を引っ張られて行ってしまった。
モヤモヤする胸を抱えて、私はきり丸くんと後ろから追いかけた。
差し込む朝日で目が覚めた風景が昨日までと違い、一瞬ドキッとした。
またタイムスリップしたわけじゃないと逸る胸をおさえて、二人がいる居間に顔を出した。
「ごちそうさまでした」
「今日は何のアルバイトするの?」
朝食を終えたあと、何のアルバイトをすればいいのかきり丸くんに尋ねた。
「あ、今日は……」
「半助ぇ〜〜〜〜!!!!」
外から隣のおばちゃんの怒号が聞こえた。
「おはようございます」
ペコペコしながら戸を開けた土井先生がおばちゃんに挨拶をした。
「今日はドブ掃除の日だよ!!忘れてないだろうね!?」
「わ、忘れてませんよっ」
「おや、あんた……」
私の顔を見て隣のおばちゃんは目をぱちくりさせた。
「あのっ。その節はありがとうございました。これ、以前お借りした肌小袖です。お返しするの遅れてすみません…」
私は洗ってきちんと干した肌小袖をおばちゃんに返した。
「いいんだよ。それはあげるよ」
「でも…」
「困ってるんだろ?私はまだ持ってるから大丈夫さ」
「隣のおばちゃんがこう言ってくれてるから。ありがたく貰っておこう」
「ありがとうございます」
土井先生に促されて、私は肌小袖をありがたく頂くことにした。
「その代わりと言っちゃなんだけど、ドブ掃除手伝ってくれないかい?」
「はい!もちろんです」
きり丸くんにいい?と聞けば、元からその予定で午前中はアルバイトを入れていなかったらしい。
三人でドブ掃除に向かった。
「名前さん。外では名前で呼んでくれるかい?」
「分かりました。半助さんですね」
名前で呼ぶなんて仲良しみたいで嬉しい。
「土井先生だけ苗字で呼んでたから、名前で呼べて嬉しいです」
利吉さん、伊作くん、仙蔵くんってみんな名前呼び(なんなら六年生は全員)しているのに、土井先生だけいつも土井先生だからちょっと寂しく思っていた。
でも先生に向かって名前で呼ぶのもおかしいし。
いいきっかけができて嬉しかった。
「なんならずっとそう呼んでくれても・・・」
「え?」
ごにょごにょ言う先生の言葉を聞き取れなかった。
「いや!何でもない」
「土井先生、今日あの人いるんじゃないっすか?名前さん居たらまずくないですか・・・?」
「あの人?」
「げっ・・・忘れてた・・・」
「半助さーーーーーん!!!!」
「ほら、噂をすれば・・・」
あそこがドブ掃除の集合場所と思われる人だかりから、一人が抜け出して駆け寄って来た。
「半助さん!お久しぶりです!」
私より少し年下ぐらいに見える若い女性が土井先生の前で止まった。
「や、やあ。久しぶり」
「なかなか帰って来てくれないから寂しかったです」
チラッと目が合ったので「おはようございます」と挨拶をしたが、小さく会釈で返されただけだった。
きり丸くんがちょいちょいと小袖を引っ張るので、屈んだら耳元で彼女のことを教えてくれた。
「この人、この辺で幅利かせてる地主の娘なんすよ。で、土井先生にゾッコン」
「え!?」
「土井先生がドブ掃除すっぽかすの、半分はこの人に会うのが嫌だからですよ」
「そうなんだ・・・」
そうだよね、土井先生って優しいし格好いいもん。
忍術学園では、くのたまちゃん達が利吉さんや六年生、タカ丸くんにキャーキャー言ってるから見落とされてるけど。
土井先生がモテないはずがない。
土井先生は彼女に腕を引っ張られて行ってしまった。
モヤモヤする胸を抱えて、私はきり丸くんと後ろから追いかけた。
