【3章】フォーリンラブin室町
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「名前さん、名前さん!僕、名前さんもアルバイトの頭数に入れてこの休み請け負ってるんです」
「きり丸!あれほど名前さんを巻き込むなと…!!」
「え?いいの?私、不器用だけど…」
「あれ?気づいてないですか?名前さん、どんどん内職上手くなってますよ」
労働のスペシャリスト、きり丸くんにそう言われたら嬉しくなる。
時々頼まれてお手伝いするのだが、上手くなってたんだ、私。
「お邪魔します」
土井先生のお家に入って草鞋を脱いだ。
「じゃ、俺夕飯の買い出し行ってくるんでお二人はここにある内職の続きお願いしまーす!」
「あっ!おい!」
きり丸くんは早々に出ていってしまった。
「騒々しくてごめんね」
「いえいえ。子どもは元気が一番です。今日はお花を作る内職ですか?」
「そうなんだよ…」
部屋いっぱいに広がる造花。
「上手くできるかな…」
「教えるよ」
土井先生が横に座って指南してくれた。
私達は黙々と花を作り続けていた。
合間合間で雑談しながら。
私も回数重ねるごとに綺麗に作れるようになってきたと思う。
「利吉くんの家では何していたんだい?」
「文字の練習したり、川でお魚釣ったりしました」
そこで昨日の夜を思い出した。
「あの……実は…」
土井先生にはちゃんと伝えないとって思って、利吉さんと同じ話をした。
「ごめんなさい。一番最初に言うって約束したのに…」
「いいや。その流れなら仕方ないよ」
土井先生は特段驚く様子も見受けられなかった。
きっと利吉さん同様気づいていたんだろう。
「そっか。記憶があるんだね」
「はい」
「姫じゃないんだ?」
「違います……」
ふふ、と土井先生は笑った。
「安心したよ」
「え?」
「記憶喪失の姫だったら、もし記憶を取り戻したら私達の前からいなくなるかもしれないだろ」
タイムスリップしてるから、突然居なくなる可能性はどちらにせよある。
しかし、土井先生が言おうとしてる身分の話なら…。
「前にも言いましたが、私はしがみついてでもここに居たいです…」
「私もしっかり繋いでおかないとね」
土井先生は花を作る手を止めて、私の手の上に重ねた。
どきり、と心臓が跳ねた。
と、同時に利吉さんの顔が浮かんだ。
土井先生にときめくと利吉さんの顔が浮かぶし、利吉さんにときめくと土井先生の顔が過る。
伊作くんにときめくと仙蔵くんの顔が浮かぶし、仙蔵くんにときめくと伊作くんの顔が過る。
一体私の心はどこにあるのか。
自分でもよくわからなかった。
「ただいまーー!!!」
きり丸くんがバタバタと買い物を終えて帰ってきた。
「あー!さては二人ともサボってたでしょ!?進み具合悪すぎです」
「お前なぁっ!誰のアルバイト手伝ってると思ってるんだ!」
パッと離れた手が寂しかった。
土井先生がきり丸くんを追いかけ回しているので、私は再び造花を手に取って内職を再開した。
「きり丸!あれほど名前さんを巻き込むなと…!!」
「え?いいの?私、不器用だけど…」
「あれ?気づいてないですか?名前さん、どんどん内職上手くなってますよ」
労働のスペシャリスト、きり丸くんにそう言われたら嬉しくなる。
時々頼まれてお手伝いするのだが、上手くなってたんだ、私。
「お邪魔します」
土井先生のお家に入って草鞋を脱いだ。
「じゃ、俺夕飯の買い出し行ってくるんでお二人はここにある内職の続きお願いしまーす!」
「あっ!おい!」
きり丸くんは早々に出ていってしまった。
「騒々しくてごめんね」
「いえいえ。子どもは元気が一番です。今日はお花を作る内職ですか?」
「そうなんだよ…」
部屋いっぱいに広がる造花。
「上手くできるかな…」
「教えるよ」
土井先生が横に座って指南してくれた。
私達は黙々と花を作り続けていた。
合間合間で雑談しながら。
私も回数重ねるごとに綺麗に作れるようになってきたと思う。
「利吉くんの家では何していたんだい?」
「文字の練習したり、川でお魚釣ったりしました」
そこで昨日の夜を思い出した。
「あの……実は…」
土井先生にはちゃんと伝えないとって思って、利吉さんと同じ話をした。
「ごめんなさい。一番最初に言うって約束したのに…」
「いいや。その流れなら仕方ないよ」
土井先生は特段驚く様子も見受けられなかった。
きっと利吉さん同様気づいていたんだろう。
「そっか。記憶があるんだね」
「はい」
「姫じゃないんだ?」
「違います……」
ふふ、と土井先生は笑った。
「安心したよ」
「え?」
「記憶喪失の姫だったら、もし記憶を取り戻したら私達の前からいなくなるかもしれないだろ」
タイムスリップしてるから、突然居なくなる可能性はどちらにせよある。
しかし、土井先生が言おうとしてる身分の話なら…。
「前にも言いましたが、私はしがみついてでもここに居たいです…」
「私もしっかり繋いでおかないとね」
土井先生は花を作る手を止めて、私の手の上に重ねた。
どきり、と心臓が跳ねた。
と、同時に利吉さんの顔が浮かんだ。
土井先生にときめくと利吉さんの顔が浮かぶし、利吉さんにときめくと土井先生の顔が過る。
伊作くんにときめくと仙蔵くんの顔が浮かぶし、仙蔵くんにときめくと伊作くんの顔が過る。
一体私の心はどこにあるのか。
自分でもよくわからなかった。
「ただいまーー!!!」
きり丸くんがバタバタと買い物を終えて帰ってきた。
「あー!さては二人ともサボってたでしょ!?進み具合悪すぎです」
「お前なぁっ!誰のアルバイト手伝ってると思ってるんだ!」
パッと離れた手が寂しかった。
土井先生がきり丸くんを追いかけ回しているので、私は再び造花を手に取って内職を再開した。
