ka-pow!
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【告知】HTF番外編始めます【宣伝】
( ※ 長編1の夢主でka-pow!トリップ)
以下、サンプル兼モロマ
◇◆◇◆◇◆◇
あの時、あの二人の部下を殺したことを《フリッピー》はきっと覚えていない。
奴等がもうこの世に居ない事は察していても、自ら手を下したなどとは微塵も思っていないに違いない。
だから普段からああやって、嘗ての戦友を平気で話題に出すのだろう。
平然と、あいつらを追悼するのだろう。
アイツの代わりにその記憶を請け負った俺は、あの肉が裂けて最後の息を吐いた喉の音も、骨が砕けて内臓が飛び散る瞬間も、良く覚えている。
でも、何故なのか。
その引き換えのように、その後どうやってキャンプまで戻ったのかを俺は、
──どうしても、思い出せない。
どうしてこうなった。
オレは寝起きとはいえ、頭を抱えたくなるような心情で辺りを見回す。
昨日は晩に帰宅するまで一日を生き残り、ごく普通に床に着いた筈だったのだが。
何故、ここは自分の部屋でない。
というか、一体ここは何処だ。
「森の中……?」
本当、──何がどうしてこうなった。
座り込んだまま見渡せば辺りは森、というか熱帯の密林、すなわちジャングルに近いと推測する。その証拠に、いつものパーカーが少し暑い。
周りに自分以外の人間の姿は見えない。僅かとはいえ葉の合間から漏れる日光、まだ明るい昼間だというのに生き物の姿が全く確認できなかった。
鳥の声がしない。
代わりに、どこか……鉄臭い。火薬の匂いが微風に乗って漂ってくる。──この時点で嫌な予感しかしないのだが。
「もしかして夢か」
深い意図なく呟いた台詞は我ながら白々しく、完全に上滑っていたのだけれど。
とにかく頬でも抓ってみようかと、立ち上がったその瞬間、
がさり。
と、風にしては厭に響く、質量感のある葉音。
声は出せなかった。
物を言う前に、発声するための喉笛に刃物を突きつけられたから。
振り返ったら、駄目だ。
それは頭ではなく感覚での理解。
前を向いたままでもわかる、首筋の冷たい気配。指の一本でも揺らせば、瞬きの一つでもすれば……死ぬ。
「動くな」
勘を裏付けるように、鋭い警告が落ちてきた。くぐもったような不自然な声は正体を明かす気が無いからか。
「……敵兵には見えねーけど、一般人なワケ無いよなぁ……あぁ分ってるだろーけど勝手に喋んないでよ」
どこか投げやりな調子の声質と、その口上が聴こえてくる角度から、恐らく背後に居るのはかなり長身の、男の人らしい。全力で非友好的な出会いだが、直ぐに殺さないという事はまだ和解への道は残されているのだろうか?
「はぁ……もう考えんのだりぃーし、殺っとくか?」
そんな事は無かった。
「どーします、隊長?」
しかも一人ではなかったらしい。
背中の誰かとは違い、しっかりとした足音が、これは二人分だろうか。横手から向ってきているらしい。この局面で登場する人物がまさかオレの味方であるとは考え難い。これは本格的に不味いかもしれない。今のところ首は無事だが、ピクリとも振れないナイフが逆に怖い。任意に甘皮一つ傷つけていない刃物はきっと、その気になれば軽く人の頭くらい落としてしまえるのだろう。
現実味の追いつかない危機感に煽られながら、視線を彷徨わせて、そして驚愕に目を見開いた。
だってそこに居たのは。
「フリッ、ピー……?」
制止を無視して思わず発した言葉に、しまったと思うが遅い。しかし予想に反してナイフがオレの喉を掻き切る事は無かった。
やって来たのは二人の人物。迷彩服を着た、そのうちの一人は比べるとかなり背が低く、身の丈に合わないリュックサックにゴーグルという独特の格好をしている。そしてもう一人は。
思考が追いつく前に、刃の代わりに言葉が落ちた。
「……なんで隊長の名前、知ってンの?」
「隊長、その子知り合いなん?」
同時に、新顔の小柄な軍人が変わった話し口調で鋭く尋ねる。
しかしオレは咄嗟にその答えを持たず、そして問われたもう一人は、まるで状況が分からないというような困惑顔でこう言った。
「え。……いいえ」
──オレが知るより汚れた軍服を身に纏い、少し痩せた顔を横に振る緑の髪と眼の青年は、いつもより若干背が低く、そして顔立ちが幼く見えた。
「──知らない人です」
→
( ※ 長編1の夢主でka-pow!トリップ)
以下、サンプル兼モロマ
◇◆◇◆◇◆◇
あの時、あの二人の部下を殺したことを《フリッピー》はきっと覚えていない。
奴等がもうこの世に居ない事は察していても、自ら手を下したなどとは微塵も思っていないに違いない。
だから普段からああやって、嘗ての戦友を平気で話題に出すのだろう。
平然と、あいつらを追悼するのだろう。
アイツの代わりにその記憶を請け負った俺は、あの肉が裂けて最後の息を吐いた喉の音も、骨が砕けて内臓が飛び散る瞬間も、良く覚えている。
でも、何故なのか。
その引き換えのように、その後どうやってキャンプまで戻ったのかを俺は、
──どうしても、思い出せない。
どうしてこうなった。
オレは寝起きとはいえ、頭を抱えたくなるような心情で辺りを見回す。
昨日は晩に帰宅するまで一日を生き残り、ごく普通に床に着いた筈だったのだが。
何故、ここは自分の部屋でない。
というか、一体ここは何処だ。
「森の中……?」
本当、──何がどうしてこうなった。
座り込んだまま見渡せば辺りは森、というか熱帯の密林、すなわちジャングルに近いと推測する。その証拠に、いつものパーカーが少し暑い。
周りに自分以外の人間の姿は見えない。僅かとはいえ葉の合間から漏れる日光、まだ明るい昼間だというのに生き物の姿が全く確認できなかった。
鳥の声がしない。
代わりに、どこか……鉄臭い。火薬の匂いが微風に乗って漂ってくる。──この時点で嫌な予感しかしないのだが。
「もしかして夢か」
深い意図なく呟いた台詞は我ながら白々しく、完全に上滑っていたのだけれど。
とにかく頬でも抓ってみようかと、立ち上がったその瞬間、
がさり。
と、風にしては厭に響く、質量感のある葉音。
声は出せなかった。
物を言う前に、発声するための喉笛に刃物を突きつけられたから。
振り返ったら、駄目だ。
それは頭ではなく感覚での理解。
前を向いたままでもわかる、首筋の冷たい気配。指の一本でも揺らせば、瞬きの一つでもすれば……死ぬ。
「動くな」
勘を裏付けるように、鋭い警告が落ちてきた。くぐもったような不自然な声は正体を明かす気が無いからか。
「……敵兵には見えねーけど、一般人なワケ無いよなぁ……あぁ分ってるだろーけど勝手に喋んないでよ」
どこか投げやりな調子の声質と、その口上が聴こえてくる角度から、恐らく背後に居るのはかなり長身の、男の人らしい。全力で非友好的な出会いだが、直ぐに殺さないという事はまだ和解への道は残されているのだろうか?
「はぁ……もう考えんのだりぃーし、殺っとくか?」
そんな事は無かった。
「どーします、隊長?」
しかも一人ではなかったらしい。
背中の誰かとは違い、しっかりとした足音が、これは二人分だろうか。横手から向ってきているらしい。この局面で登場する人物がまさかオレの味方であるとは考え難い。これは本格的に不味いかもしれない。今のところ首は無事だが、ピクリとも振れないナイフが逆に怖い。任意に甘皮一つ傷つけていない刃物はきっと、その気になれば軽く人の頭くらい落としてしまえるのだろう。
現実味の追いつかない危機感に煽られながら、視線を彷徨わせて、そして驚愕に目を見開いた。
だってそこに居たのは。
「フリッ、ピー……?」
制止を無視して思わず発した言葉に、しまったと思うが遅い。しかし予想に反してナイフがオレの喉を掻き切る事は無かった。
やって来たのは二人の人物。迷彩服を着た、そのうちの一人は比べるとかなり背が低く、身の丈に合わないリュックサックにゴーグルという独特の格好をしている。そしてもう一人は。
思考が追いつく前に、刃の代わりに言葉が落ちた。
「……なんで隊長の名前、知ってンの?」
「隊長、その子知り合いなん?」
同時に、新顔の小柄な軍人が変わった話し口調で鋭く尋ねる。
しかしオレは咄嗟にその答えを持たず、そして問われたもう一人は、まるで状況が分からないというような困惑顔でこう言った。
「え。……いいえ」
──オレが知るより汚れた軍服を身に纏い、少し痩せた顔を横に振る緑の髪と眼の青年は、いつもより若干背が低く、そして顔立ちが幼く見えた。
「──知らない人です」
→
1/4ページ