【おうちの中は】ふわっとしたryその4【あんぜん】
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海賊「最近うちで変なことが起こるんだよ」
大工「あんたの家で妙な事が起こるのは今更だけど」
海賊「ほれ、うちの前に階段あるだろ?だから上ってくる足音で人が来たら分かるんだが……」
大工「どうせ足音がしたのに誰も居なかったとか言うんだろう」
海賊「おっ?何で知ってんだ?」
大工「引っ越せって」
海賊「覗き窓からは何にも見えなかったんだわ」
▽
海賊「また変な事があったんだけどな」
大工「あんたの家で妙な事が起こらない事があるのか?」
海賊「今度は階段の足音がしねえのにノックの音がしたんだよなー」
大工「…………どうせなら上半身と下半身いっしょに来れば良かったのにな」
▽
雀斑「この前スニフん家泊まってさー、朝起きて洗面所借りて顔洗うじゃん……そんで顔がまだ濡れてるから、水止めようと手探りで蛇口探すだろ? 見つからない上に何かが握手してきた」
▽
大工「日数制限の過ぎた呪いのメールをスパムの山から見つけた……」
▽
泥棒「っつーかそーゆー呪いの手紙的なヤツがいちっばんキライなんだっつーの!」
英雄「おや、そうかい?……少し意外だな」
泥棒「だって兄貴が全部俺んとこに回してくるし……」
軍人「あぁ……なるほど」
(覚醒「…………『なるほど』?」)
▽
蟻食「チェーンメールと言えば」
雀斑「スニフに来るチェンメとか絶対ヤバいやつじゃん……ナッティ呼んで……」
▽
鈍感「やほーラッセル釣れてるぅ?」
海賊「おぅ、さっき大物が釣れたけどあんまり喧しいから放しちまったよ」
鈍感「へぇぇ跳ねるから?そんなに大きかったのっ?」
海賊「あぁ……これくらい?か?」
鈍感「ひと抱えもあるじゃぁん!」
海賊「多分40年くらいは生きてたんじゃねぇかなぁ」
鈍感「……んん?よんじゅう…?」
海賊「そのぶん口が達者でな?」
鈍感「くち?」
海賊「最後まで離婚してくんなかった旦那の愚痴とかその不倫相手の恨み言とか、まぁ気の毒だとぁ思うが俺に言われてもなぁ」
鈍感「………………ラッセル何を釣ったの?」
▽
軍人「最近のスマホは画質がいいから恥ずかしい、ってカヤコさんって人が言ってました」
鈍感「伽倻子さんなの?貞子さんじゃなくてぇ?」
▽
海賊「というかそれネットゴーストにジャンル転向してないか」
盲目「そうでもしないと怪異として生き残れないのでは。昨今ではVHSも何もないでしょう」
海賊「お、おお……時の流れが一番怖ぇみたいなオチなのな……?気にするのがスマホの画質でビデオテープじゃないっつうことは動画も動画ファイルとかなんか?」
盲目「怪しげな動画ファイルは開いてはいけないという話ですね」
海賊「ただの教訓話じゃねぇか……」
鈍感「えっ、なんで2人でネットリテラシーの話してるの?」
▽
鈍感「怒らないから正直に言ってみて、って約束は破られる率がすごぉいんだよねえー……だからモールは誠実だよぅ?」
盲目「事と次第によっては生かして帰すことも一考しましょう、正直に話なさい」
鈍感「ほらねっ」
▽
軍人「最近、家に帰ると微妙に物の位置が変わってる事があるような気がしてまして」
マウ「『聴いたことある』」
スネ「親の顔より見た導入ってやつッスね~」
マウ「もっと親の顔みろ」
▽
マウ「……ほんで?隊長どないしたん?」
軍人「うーん……出かける時ドアにトラップ仕掛けたんだけど作動しなかったから泥棒ではないと思うんだよね」
マウ「淡々とエグいことするやん?」
スネ「要因が生身かどうかによってこっちの対応も変わってくるんスけど」
マウ「スネちゃま目がガチで引くんやけど…」
軍人「ということは、ずっと家に居るって事だよね?僕の家なのに……断りもなく住まれてるの納得いかないです」
マウ「えっそこなん?」
スネ「あ~家賃徴収したらどうです?」
マウ「要る?それ?」
…
軍人「そういえば僕、むかし幽霊から家賃貰ってた時期があって」
鈍感「その内容ちょっと『そういえば』を導入にするには荷が重くなぁい!?」
軍人「だからやっぱり理不尽には屈するべきじゃないんですよね」
鈍感「会話のスタートダッシュすごぉい…僕が置いてけぼりぃ……」
▽
蟻食「町中で知らない女の人が話しかけてきたんです『ねぇ貴方には彼が見える?』とりあえず僕はその時点で眼鏡を外したんですけどいやだってその人誰も立ってない自分の後ろを指差して言うからいえ別に怖いとかは無いんですけどいえもう眼鏡を掛けていないと何も見えないので僕は見えないものが怖いとか無いですよだから別に怖くにゃいですって。
でも女の人は気にした感じもなくて、
『見えるでしょう?』
『彼が』
『髪が短くて背が高い』
『よく目を凝らして』
『綿のセーターを着ているの』
『見えるでしょう』
『ちょっと変わった色なのよね』
『見て』
『よく見て』
『言って』
『ほら』
『ほら』
『ほら』
手首を掴まれたので逃げられなかったんですよ……畳み掛けてくるのでさすがに怯みましたし、まぁ眼鏡は外したままですけど薄目を開けてみたんです。そしたら何も無いはずの女性の背後に確かに色が見えた気がして、それを話して去ろうと思った瞬間、遮る様にナッティが来ました。
「スニフ帰ろーッ」
彼女、ナッティを見た時すごく嬉しそうと言うか、期待した顔したんですよね。でもナッティは僕を抱えて一言だけこう言いました。
「んーーッ、ナッティはオカーサンにはなれないから、ごめんネ」
……意味わからなくないですか?何なんですか?」
抱擁「“お前がママになるんだよ”的な?」
蟻食「そんなネットスラングで誤魔化されても」
▽
清潔「“人工精霊”?」
微笑「私、知ってるわ。それ、タルパって言うのよ」
清潔「どういう物なの?」
微笑「元はきちんとしたものみたいだけど、殆どは自分で考えた想像上の人っていうか…も、妄想っていうか……偶に依存し過ぎちゃう人もいるみたい」
清潔「へぇ、そうなの?でも自分の想像の中だけで楽しむのなら問題無いんじゃない?」
微笑「自分の想像の中だけならね」
微笑「他人にも見えるようになるまで成長させちゃったら、『何』が産まれる事やら分かったものじゃないわ」
→(次ページへ続く)
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