有り難み
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その日の原因はフリッピーだった。
『この間イチにクッキーをあげたら、凄く美味しいって食べてくれた』ってゆう話を聞いてから、ソワソワし始めたボクを見て、フリッピーは、フレイキーもあげればいいよ、て言った。
「今から作ろうか?」
そう台所に立ったフリッピーは出しっぱなしの包丁で指を切っちゃった。
「よぉお、チビ」
にやぁっと笑うフリッピーは、いつもの優しいフリッピーじゃなくて、恐い方のフリッピーで、ボクが逃げられる訳なくて、スグに追い詰められた。腕を掴まれなかったのは、怪我してない方の手で包丁を持ってたからだと思う。
「ひっ……!」
「──……」
あれ?
な、なんでだろう。目をギュッと瞑って、お菓子は明日作ろう、って覚悟を決めたのに……痛くならない。
「……ふぇ?」
「オマエは、」
恐る恐る目を開けてフリッピーを見ると、いつもみたいな楽しそうな恐い笑いじゃなくて、不思議そうな変な顔だった。
「オマエは、ちゃんと泣くし、逃げるし、怯えるし、」
「ほぇ、へ?」
「妙な抵抗しねぇし、追い掛けてこねぇし、ちゃんと死ぬし、」
「…………」
な、何の話しだろ……?
ボクを見ながら淡々と言うフリッピーは、あんまり恐くなくて、思わず目を見たら、金色だったのに、
「オマエ、結構いいやつだな」
って、言って、感心したように笑った。
( いい子だから……殺してやるよ )
( ぴゃあぁあああ!やっぱりこわいぃぃぃ )
【end】
叫ぶなよ英雄がでたらどうすんだよ!
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