保護者
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「こんにちはぁー、はじめましてっ」
「……」
「んんーっと、イチちゃん!」
「……」
「僕はねぇ、ランピー。よろしくね?」
「……」
「え、えぇっとー、髪が黒いね?あ、目もっ」
「……」
「……小柄だねぇ……いくつだっけ?」
「……18」
「そっかぁ……」
「……」
「……」
「もうだめ!モール、イチちゃん歳しか教えてくれないっ!」
イチちゃんに少し待つように言うと処置室を飛び出した。待合室で、盲目の筈のモールは本を読んでたみたい。いつも思うんだけど、文字も見えないのにページだけめくってて何か楽しいのかなぁ?
「だから記憶喪失だと言っているでしょう、何聞いてたんだお前」
「聞いてた!聞いてたよ、でも何かイチちゃん警戒体制なんだもんっ!モール僕のことなんて言ったの!?」
「『知り合いのヤブ医者』ですが?」
「それだよ原因!!」
なんて紹介してくれちゃったのどうりで視線が痛いハズだよ!いつも空気読めないとか言われるけど……それでも分かるくらい痛かったもん!
「なら自分は名医だとでも言うのですかランピー?今だって待合室がら空きじゃないですか」
「今日は休診日なのっ」
ホントは急遽休診日に『した』んだけど。映画見に行く予定だったんだけどなぁー。
いきなり、モールがやって来て、しかも女の子を連れてて、凄くビックリした。しかもその──まるで幼い少年にも見える細っこい少女には記憶がないのだと聞いて……それをモールが保護したと聞いて、正直一番驚いた。
「モールって、そーゆーのしないと思ってたよ」
「はい?」
「捨てネコは無視して通り過ぎる人だと思ってたってことっ」
にこっと笑って見せると案の定嫌そうな顔をされた。
うん、そう、こんな感じ。モールって見た目がアレだから皆騙されるけど、別に気弱でも大人しくもないよね。寧ろ短気。
「お人好しフリッピーとかお節介ラッセルならともかくさぁ、あ、ヒーローは連れてくる前に殺しちゃうから除外で!」
「捨て猫なんて拾いませんよ。見えませんから」
そう言うと彼は顰めっ面のままで杖を握り直した。実際ホントは見えてるのかと思ったりする。杖で僕の足ぐりぐりしてるし。
「知らないんですか?捨て猫は意外と鳴かないんです。気付くわけないでしょう」
「……イチちゃん泣いてたの?」
「いえ、一言も喋ってませんでした」
「えぇー……」
モールって、性悪……。
「どうでもいいから早く診察しなさい」
「どーでもって、これからどーするのーあの子家なしでしょー」
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