決意
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例えばフレイキーのように明日の約束をするわけでも、フリッピーのように外で見かけるわけでも、モールさんのように会いに行くわけでもないのだけど。
なんだかんだといいながら、それなりの頻度で顔を合わせていたので改めて訪ねてみるまで気がつかなかった。
オレは、彼らの家がどこにあるのかさえ知らなかったのだ。
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多分、金目のフリッピーとスプレンディドと、加えてランピーが忙しかったせいだろうが、心中だなんて言っておいて、結局誰も死ななかった次の日。
オレは街外れの一軒の家のブザーをしつこく鳴らしていた。家主は一向に出てこない。朝とは言わない正午前、出かけている気配はしないのだけど。
そう思いながら再度赤いボタンを押す。
ブー、と低音が空気を震わせ、しかしやはりドアは開かず返事はない。
「……」
何故、わざわざ出向いたのかといえば、それは多分、自分の為としか言い様がないと思う。
いつまでたっても網膜に居座り続ける赤色を、オレは上書きしたくて堪らないのだ。
後、一回。もう一回だけブザーを鳴らして、返事がなければ諦める。
そう思って手を伸ばした時だった。
「わぁーったよ出ればいいんだろ出れば!つかなんで俺が──」
家の中から物音が聞こえた、かと思えば勢いよくドアが開いて、そしてフェードアウトしていく台詞。
いつにもましてぼさぼさな髪と、眠たそうに下がった瞼。着ている緑の縞柄パジャマには誰かに蹴りだされた跡のような皴。
その濃緑の瞳が、見間違いでなければ一瞬泳いだ。
「……おはよう、リフティ」
「い──」
やっぱり、来ない方が良かったかな。
そう思った瞬間、オレの視線はぐるんと勢いよく地面を向く。何事かといえばリフティがオレの頭を鷲掴んだのだ。
そして叫ぶ。
「あにき!イチ!イチきた!!」
……オレは珍獣か何かか。
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