刺殺
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ひょこひょこ、と、目の前を小さい赤いのが歩いている。
たまに振り返ってオレがいることを確認したり、建物を指差してスーパーや病院だと教えてくる。
話しかけると、びく、とした後、必死になって答える。
そんなフレイキーを見ているのが、何か……もっと見えていたい様な、そう。面白い、かもしれない。
「あ、あそこが公園!」
「広いね」
「そ、そかな?あ、誰もいない……」
とたたっ、と公園の入り口まで走って、フレイキーは肩を落とした。
「いつもは誰か居るの?」
「うん、だからイチにも紹介できると思ったんだけど……」
どうやらオレのために落ち込んでいるらしい。それはちょっと、どうしていいか分からない。
公園に入ってみると、遊具や街灯、花壇が並び、小振りの噴水まで設置されている。それらを除いても走り回れるだろう砂地が多く在るので、やっぱり少し広いと思う。二人がけのベンチがを見つけたのでフレイキーを誘ってみた。医者から命じられた街巡りだが、そろそろ休憩してもいいだろう。たぶん。
二人横に並んで座って、やっぱりフレイキーの頭は少し下にある。
「フレイキーの髪の毛は真っ赤なんだ」
「えっ、え、変!?」
「あ、違う。そうじゃなくて。かっこいいと思う」
なんとなく、目に入ったままを言えば肩を衝いたような反応が返ってきた。ただ、そう見たままを言っただけで、変、だと思った訳では無い。
だからもう一度、見つめ直して言い直せばフレイキーは変な顔をした。何を言われたのか分からないというような表情で少し固まった後、くしゃりと眉尻を下げる。
「か、かっこいいなんて……ボク初めて言われた」
「えっと、嫌?」
「えっ、ううん。ううん!」
そう言うと赤い頭は俯いて、顔は見えなくなってしまった。
オレはまたどうしていいのか分からないので何もしない。
「……ボクね、すっごく怖がりで、お、臆病なの」
やがて服の裾をぎゅっと握って、フレイキーは話し出した。
「街の皆は、ずっと一緒にいるから、だいじょうぶなんだけど、会ったこと無いヒトとか、と、上手に喋れなくて……す、すぐびっくりするし」
「うん」
「じ、自分でもやになっちゃうくらい、情けないなあって、思っちゃうくらい……」
「うん」
「だ、だからねっ、髪の毛だけだけど、」
フレイキーは顔をあげた。
その表情はさっきまで見ていた困ったような笑顔とは別の、きらきらした始めて見る笑みだった。
「かっこいいって言ってもらえて、凄く、嬉しぃ……」
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