09 本当の気持ち
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ー光一sideー
テラスに三人を残して、
部屋に入った。
ちい、
ヤスと付き合ってんねんな。
…正直、心配や。
俺にとっては、
ヤスもかわいい後輩やから、
もし、あいつらが俺ん時みたいに
引き裂かれるようなことがあったら…
まあ、
あそこまでゆーて
まだあんな目ぇできるあいつやったら、
俺と同じ立場でも、
もっと上手に
ちいを守れんのかも知らんけどな…
でも、
そんなことより…
さっきのちいの話、
ちいが、
そないひどい状態やったなんて知らんかった…
俺なんかに
そんな傷ついて…っ
今でも、
俺のこと覚えとった…
…あかん、
ほほが緩む……
忘れてほしいと思ってたはずやのに…
ほんまはさっきかて、
ぼろくそにゆーて、
ヤスにもう一発くらい
殴られとこ思ってたのに…
あいつの横を通るとき、
気づいたら口にしてた…
光[……“幸せになれよ”か。]
ほんま、
無責任やな…
雛[行かんでいいんですか…?]
光[…村上。]
雛[…俺がゆーのも変ですけど、
このまま、
ちいにほんまのことゆわんままで
ええんですか?
あいつ、ほんまは今でも…っ]
光[村上っ!
…ええんや。
お前のゆう通り、
理由はどうあれ、
ちいは相当傷ついた。
今のちいに必要なんは、
俺との過去なんかじゃなく、
ヤスとの未来、やねやろ?(笑)]
こいつは、
ほんまにちいを
妹みたいに思っとるからな。
ええやつやで。
光[…ただ、村上。
知ってるんならわかると思うけど…
あいつら、
もしものときは…っ]
雛[大丈夫です。
ヤスは、絶対ちいを守れる。
俺が見込んだ男です(笑)]
光[…ふ、ならええねん…。]
久しぶりに、
穏やかに笑った気ぃする…
ちい…
どうか幸せに…
ー章大sideー
光一くんが部屋に戻ると、
後を追うように信ちゃんも走ってって、
テラスには、
俺とちいの二人きり。
ちいの話は、
正直すぐには消化できんかった。
いっぺんにいろいろ聞きすぎて、
頭オーバーヒートしそうや…(汗)
ただ単純に、聞いた時、
ちいを裏切った光一くんが憎くて、
感情のまま
光一くんに殴り掛かった。
ちいが止めてくれんかったら、
たぶん取り返しつかんとこまでやってた…
とりあえず、
わかってることは、
ちいがめちゃめちゃ傷ついたってこと。
光一くんの、
せいで…っ
でも、光一くんに殴られて、
意識が少し朦朧としてた時、
すっごい小さかったけど、
確かに
光一くんの声で聞こえた言葉、
きっと幻聴じゃないよな…?
やとしたら、
光一くんの行動には
なんかわけがあったはず…
いや、
そんなん今考えんのはやめよう。
今はまだ、
僕の腕の中にいる、
傷をさらけ出した小さな女の子を
僕のすべてで癒してあげたい。
「ちい、
大丈夫。
話してくれて
ありがとうな…」
『……軽蔑、
しないの?』
泣きそうな目で見つめるちい、
軽蔑なんかするわけない。
「大丈夫、
ちいはきれいや…
これからは、
俺が守ったるからな…」
一度はぼろぼろになったこの女の子を、
二度と、
壊してしまわないように、
そっと、
そっと抱きしめる。
あぁ…
愛しい。
ずっと、
このまま、
なんも考えずに、
いっそ時が止まってしまえばいいのに…
でも、そんなわけにもいくわけなくて、
俺は気になってたことを聞かんとあかん。
たぶん、
ちいも気付きかけてる。
でも、俺が言わんかったら、
このまま見てみぬふりして、
俺と幸せになることを選ぶよな?
それやとちいのほんまの気持ちは
ずっと閉じ込められたまま。
ちいにそんな窮屈な思いさせるなんて、
俺、やっぱり無理やわ…
大好きやで、
ちい…
「ちい?
聞きたいこと、ある。」
『…なに?
章大…』
答え次第では、
俺はちいを手放さんとあかんのかな?
でも、
そこにちいの幸せがあるんなら…
「ちいは、
まだ光一くんのこと…
好きやろ?」