07 光一の気持ち
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『……
それから、
あたしは住所もケータイも変えて、
光ちゃんとの関係を絶ったの…
これが、あたしの…
あたしたちの、過去。』
話し終わって、
一番に、
章大の顔を見る…
『そのあと、
なかなか元気が出ないあたしを気にかけて
雛ちゃんが開いてくれた飲み会で、
章大とも出会ったんだよね?』
沈黙…
『…ごめんね?
なにも、言わなくて…
軽蔑、したかな…(苦笑)』
章大は何も言わず、
ただ歯を食いしばって、
じっとうつむいていた。
つないでる手に、
力がこもる…
怒って…る、?
雛[…っヤス、
こいつはっ]
見てられなくなったのか、
雛ちゃんが口を開いたとき、
章大が
あたしとつないでた手を振りほどいて、
すごい勢いで光ちゃんに殴り掛かった。
あまりに唐突で受け身も取れなかったのか、
殴られた光ちゃんは
ほほを抑えながらテラスの床に倒れこむ。
その上に章大が馬乗りになって、
固く握りしめたこぶしを振り上げる…
「っ…!」
『っやめて!!』
あたしは必死に、
章大を止めようと
背中越しに抱きしめた。
章大は歯を食いしばって、
その瞳からは、
きれいな、
あたしなんかとはあまりに不釣り合いなほど
綺麗な涙が流れていた。
瞬間、
章大は振り返って、
あたしをきつく抱きしめる。
「……ちい…っ」
『…章、大…』
章大の熱に包まれて、
くらくらしそうな感覚。
ああ…
あたし、
ここにいるんだ。
光[…っく、(笑)]
「…っなに、
笑てんねん!!(怒)」
こんなに、
怒りをあらわにした章大は初めて見た…
いつもは周りに気を使って、
先輩の光ちゃんに怒鳴り散らすなんて
考えられない…
光[…や、悪い悪い。
とんだ茶番やなぁ思てな(笑)
おう、ヤス、
お前、今ちいと付き合ってんねやんな?]
「…気安く、ちいを呼ぶな。
やったらなんやねん!
今さら渡す気ぃなんかさらさらないからな!」
光[まさかまさか(笑)
ちょっと遊んだっただけですーぐつけあがる
世間知らずのそのお嬢さん、
俺のお古でいいんならどーぞご勝手に(笑)]
「…っお、前っ…っ!」
『っきゃあ!!』
カッとなって再び光ちゃんに殴り掛かった章大を、
光ちゃんが逆に殴り飛ばした。
…やめて、
あたしなんかのせいで、
これ以上誰も傷つかないでよっ
光[口に気ぃつけろ。
なぁ?
上下関係軽視するあほが食っていけるほど
甘い世界やないやろ?]
床に倒れこむ章大に馬乗りになって
章大の胸ぐらを引っ張り上げ、
光ちゃんがつぶやく…
また、
再会した時からずっと感じてた違和感。
光ちゃん、
あなたって、そんな人?
違う。
少なくとも、付き合ってた頃の光ちゃんは
こんな冷たい人じゃなかった…
もしかして…
ねえ、いったい
光ちゃんの身に、なにがあったの…
章大を突き飛ばして、
光ちゃんはテラスを出ようと
近くに立ってたあたしとすれ違った瞬間、
光[…………。]
涙が、こぼれた。
ねえ、
どうして?
どっちが、ほんとの光ちゃんなの?
突き放してよ。
ぼろぼろに蔑んでよ。
そしたら、
あたしもあなたのことなんて忘れて
章大と幸せになれるのに…
一緒にいてくれないくせに、
[幸せになれよ]なんて、
無責任だよ…
ー光一sideー
泣いてたな…
最後まで、
俺はお前を泣かせてばっかりや。
俺の肩書き目当てのしょーもない女に騙されて
ばかばかしいほど愛して、
挙句捨てられたみっともないあの雨の夜。
そんな時、
重たい雨の中から
俺を引っ張り出したお前に、
勝手に運命なんか感じて
振り回した最低男。
もう、こんな男のことなんか忘れて、
どうか、
ヤスと幸せに…
ー10か月前ー
ジャニー[…とんでもないことしてくれたね、you。]
社長に呼ばれて事務所に来てみれば、
見せられたのは
俺とちいの2ショットが抜かれた記事。
なんとか、表に出る前に
社長が手ぇ打ってくれたみたいやけど…
ジャニー[ったく、なんだってこんなド素人…
どーぜ話題作りなら
もっと有名どころじゃなきゃ!]
…は?
話題、作り…?
光[っ社長!
俺、別に軽い気持ちで…っ]
ジャニー[…you、
それの意味わかって言ってんの?]
光[…意味?(汗)]
ジャニー[呆れた…
この子、村上とも仲いいみたいじゃない。]
光[なんで、そんなこと…っ]
嫌な予感がして記事に目を通すと、
俺のことじゃなく、
ちいのことが
めっちゃバッシングされてた…
≪関西ジャニーズを手玉に取る悪女!≫
≪堂々二股宣言?!平成生まれの女光源氏現る!≫
まだまだあるけど…
どれも事実無根の嘘八百。
やのに、
ちいの大学まで調べられとって、
ほぼモザイクなんてあってないような写真…
なんやねん、これ…
ちいは一般人やぞ…っ
怒りの感情でいっぱいになり、
無意識に
記事をぐちゃぐちゃに握りしめていた。
ジャニー[…これが、
現実だよ。]
光[…っ]
なんも、
言い返されへんかった。
そうやろ?
実際、もーちょっと手を打つのが遅くて、
この記事が表に出てもーてたら、
俺はもちろん謹慎。
ちいを守りきることは…
不可能に近い…
ジャニー[まだ、
終わってない。]
光[…え?]
ジャニー[…この子を守りたいのなら、
自分を売れ。]
最初は、
ゆーてる意味が分からんかった。
でも、
ジャニーさんから渡された資料を見て、
すぐにわかった…
光[…これ…]
ジャニー[…わかるね?]
光[…っ]
こんなん、
絶対したなかった。
どんなに売れへんくっても、
こんな、汚いこと…っ
ジャニー[強制は、しない。]
光[っこれやったら、
ちいのこと、
どーにかしてくれるんですね…]
ジャニー[向こうからしても、
願ったり叶ったりだからね(笑)]
光[…っわ、かり、ました…。]
ジャニー[youが話が分かってよかった。
そちらさんも、ぜひとのこと。
失礼がないようにね…]
ごめんな、
ちい。
もう、側で守ってやること
できんわ…
でも、大丈夫。
どんな状態になっても、
絶対、守るから…