01 信頼
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そばにいたい
大好き
もう、だめなんだ
ねえ、さよなら。
そばにいることもできないの。
あなたを見てると、
どうしても、
好きだと思ってしまうから…
あたしたち、
出逢わなければよかったのかな…
「…でさ(笑)
って、ちい!」
『っえ?』
「どーしたん?
なんやぼーっとしてたで?」
いけない、
まだ、あのこと思い出すなんて…
『っごめんごめん!
これから行くお店のこと考えてた!(笑)』
「っはは、ほんま、色気より食い気やなっ
もー着くから、ちょぉがまんしぃや!(笑)」
そういって、前向いたまま
左手で助手席の私の頭をくしゃっと撫でる
大好きな章大。
そう、あたしは今、
関ジャニ∞の安田章大と付き合っている。
5か月くらい前、
ぼろぼろだったあたしは、
雛ちゃんの紹介で知り合った
章大と意気投合して、
そのまま付き合うことになった。
雛ちゃんはきっと、
あの頃のあたしを心配して
章大を紹介してくれたんだと思う。
実際、あの時章大がいてくれなかったら、
あたしはどうなってたかわからない。
それくらい、落ちてた頃に出会った章大。
一回りほども年下のあたしにも
優しく接してくれて、
あの頃と変わらず、
ずっとあたしを支えてくれてる。
大好きな彼氏。
けど、
章大は知らない。
っていっても、
知ってるのは当時からいろいろ相談してた
雛ちゃんだけ。
あのことは、正直思い出すのもつらいし、
章大に言ったって、何か変わるわけじゃないから、
気にさせるだけなら、言わないって決めた。
雛ちゃんには、
[きっとヤスは受け止めてくれるで]
って言われたけど、
本当は、
あたしが怖いだけなんだ。
あのことを打ち明けて、
章大が離れて行っちゃうのが…
同じこと繰り返すなんて、
絶対にいや。
だから決めたの、
もう、忘れる。
章大を好きになるって、決めたから…
「…だからさぁ~、
って、ちい?
おーい!聞いてんのんか~?」パシッ
『…ったぁ!』
「っはは、まーたぼーっとしてるっ
…おいしくない?」
…あ、やだ、
またぼーっとしてた?
いきなり章大に
軽くでこピンされて、我に返った。
だめじゃん、章大が心配そうな顔してる、
『っごめんごめん!
おいしいよっ
…で、なんだっけ?(汗)』
「もぉ!
やから~来週の日曜日!
KinKiの光一くんの家で
ホームパーティーやんねんてっ
ちいもいかん?
∞もいくから、気兼ねいらんし!」
…うそ、
光…ちゃん…?
『…ちい?』
思いがけない名前に、
一瞬凍りついてしまったあたし、
また、心配そうに章大の顔が曇る。
「…あ、ちょっと、
考えようかな?(汗)
大学の予定まだだし…」
『そっか、?
まあ、今日すぐでなくてもええしな!
でも、できたら一緒に行きたいねんな~
KinKiさんは俺らの直の先輩やし、
信ちゃん以外のメンバーにもさ、
…ちいのこと、そろそろ紹介したいし?(照)』
照れながらそういう章大に
苦笑いを返してしまった。
紹介…
うれしいはずなのに、
素直に喜べないのは、彼の存在が頭をよぎるから…
けっきょくそのあと、
申し訳ないけど章大の話は全然頭に入らなくて、
始終上の空だったあたしを心配した章大に
「今日はゆっくり休み」
って家まで送ってもらった。
車から降りて、運転席側の窓をノックし、
下がったウィンドウ越しに
『今日はありがとう』
っていうと、
不意に、唇を重ねて、
「おやすみ」
って笑い、章大は帰っていった。
『…不意打ちは…反則じゃん…(照)』
そう呟いて、早まる鼓動を抑えながら
部屋まで上がってベットに飛び込むと、
鳴り響く着信に
あたしは一気に現実へと引き戻される。
ディスプレイには…
ー雛ちゃんー
『…はい。』
雛[ちいか?
…ヤスから、聞いた?]
『…聞いた。
ねえ、雛ちゃん…あたし、
どうしたらいいの?』
そういったあたしの声は、
不安からか、少し震えていたみたい。
それを察した雛ちゃんは、
少し心配そうに、言葉をつづけた。
雛[…お前は、ヤスの彼女や。]
『…ん、』
雛[ヤスのこと、好きやろ?]
『…大好き。』
雛[…じゃあ、大丈夫や。]
『………』
雛[やっぱり、
まだ引きずってんのか?]
『…わかんない…っ
でも、忘れなきゃって思うのは、
忘れられてないから、なのかな…っ?』
忘れられてると思ってた。
忘れないと、章大にも失礼だし、
あたしだって、前に進めないまま。
でも、ふとした瞬間、
彼の笑顔がよみがえるのも事実。
忘れたいのに…
ちゃんと、章大と付き合いたいのに…
もう、どうしたらいいの…?
せきを切ったように溢れ出す涙を
電話越しの雛ちゃんに悟られないように
声を殺して
ただ涙だけが、
無情にもほほを伝っては落ちた。
雛[…忘れろとは、思わんよ。]
『…え?』
意外な言葉に、思わず声が漏れる。
雛[…忘れることない。
そんなけ、お前にとって大事なもんなんや。
でもな、とらわれるな。
過去に何があろうと、
しっかり、今に目ぇ向けてろ。
お前にはヤスがおる。俺かっておる。
なんも怖いことない。
…もっと頼れよ。]
どうして、そんな優しいこと言うの?
あたし、章大にも雛ちゃんにも、
甘えてばっかりだよ…
『…っひ、なちゃ…っ』
雛[…なあ、ちい、
そろそろ、
ヤスに話してみぃひんか?]
章大に…話す…?
『…でも…』
雛[無理にとは言わんけどな。
けど、お前が心配してるようなことは
絶対ないと思うで?]
『え、なんで…』
雛[あほっお前の考えてることくらい
つつぬけじゃ!
しょーもないこと気にする前に、
ヤスのこと信じたれやっ
あいつ、見かけによらず器はでかいねんぞ?w]
『っあは、雛ちゃんてば…っ(笑)』
ありがとう、雛ちゃん。
あたし本当に、あの頃から変わんないね…
雛ちゃんがいてくれてよかったよ。
こんなこと言ったら怒られちゃうけど、
章大と同じくらい、
雛ちゃんのことも大好きなんだ。
もちろん、意味は違うけどね?w
大切な人。
『…がんばるよ。』
雛[おう!なんかあったら、
いつでも言うんやで?
あ、それと、日曜の…]
『…うん、行く。
大丈夫、
章大がいるもん。』
雛[そーか、そやな。]
『…雛ちゃんもね?w』
雛[…あほっ(照)
じゃ、またな!]
『っあは、じゃーね!』
…話そう。
章大にちゃんと。
大丈夫、大したことじゃない。
あたしは章大が大好きだし、
章大のことを信頼してる。
来週の日曜日…
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