01 彼との出逢い と 偶然
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わたしの名前は如月ちい。
表向きはいわゆる華のJK
…兼 裏では超売れっ子の作詞家。
いろんなアーティストの方々に
詩を提供するのが私のお仕事。
大好きな歌に命を吹き込むこの仕事が
私は大好き。
でも、学校のみんなには内緒。
バイトが禁止なわけじゃないけど、
作詞家なんて浸った仕事
ナルシストだとか思われちゃうし、
普段の私はそんな目立つようなキャラじゃないし。
仕事は大事だし、
もちろん好きでやってるけど、
私の平穏な毎日に支障をきたすのはいただけない。
普通に学校に通って、
それなりの成績をとって
友達とも普通に遊んで、
私はただ平凡に毎日を過ごしたい。
そんな初恋もまだな私を、
友達は「お子ちゃま~」なんて馬鹿にするけど、
恋にいまいち必要性を見いだせない私は、
JKとして少しおかしいのかな。。
まあ今は、
日々の学校生活と詩の書き溜めで
私の中はいっぱいだから、
どうせ恋なんて入り込む隙間はない。
仕事柄、芸能人の方々にはよくお会いする。
男性だってもちろんいるし、
その人のイメージする楽曲に
少しでも近づけるため、
打ち合わせはなんども念入りに話し込む。
毎日のように顔を突き合わせることだってざら。
事情を知ってる友だちには、
「羨ましい」なんてよく言われるけど、
それでも私は、ただの一度も
相手に仕事以上の感情を持ったことなんてないし、
そもそも私には、
芸能人にキャーキャー言う女の子たちのことが
よく理解できない。
会ったこともない人を
映像だけで好きになるなんてどうかしてる。
そんな感じでたいして興味もなく、
仕事柄、ミーハーな感じを出したくないってのもあって、
あまりまともにテレビを見たことすらなかった。
だから、彼と仕事をすると決まった時も、
失礼だけど、いくらその人の経歴や
所属の話をされても
正直「誰?」って感じだった。
『…あ!どーもどーも、初めまして!
関ジャニ∞の渋谷すばる言います!』
「どーも、はじめまして。
今回作詞を担当させていただきます。如月です。」
『如月…なにさん?』
「あ、すみません。
如月ちい といいます。」
『そおかっ、
ほなちいちゃん!よろしく!』
ジャニーズなんてほとんど知らなかった私は、
イメージ先行でチャラい感じの人を想像していた。
同業者にも、
「ジャニタレは年の割に態度がでかい」と
ご立腹で愚痴る人もいたし。
「どんなに人が良さそうでも、
絶対にジャニタレの楽屋で二人っきりになるな」と
忠告してくる人までいた。
だから初めて見る彼にすごく驚いたのを覚えている。
「失礼ですが、
もしかして関西…の方ですか?」
『あっ、ばれました?(笑)
すんませんねー、綺麗な言葉しゃべれんくてっ
…気にならはります?(汗)』
「いえっ、ぜんぜん!
実は、私も関西なんです(笑)」
『へえっ!ほな一緒やん!
え、大阪?
…ってすんませんっ、俺タメ口…(汗)』
「あっ気にしないでください!
私、18ですっ。
むしろ敬語使われる方が申し訳なくって…(苦笑)」
『えっ!?18??
18ってゆーた!?!?
わっかーっ!!
すごいなー自分っ(笑)』
ジャニーズの人気アイドル、
しかも私より一回りも歳上なのに
年下の私に、とても礼儀正しくて、
(ジャニーズってこんな人いるんだ)
音楽に人一倍熱心なあなた。
同郷ということもあって、
私たちが仲良くなるのに
時間はかからなかった。
『んな、大体のイメージはそんな感じでええかっ?
あーっ腹減った!
なあメシいかん?』
年齢を感じさせず、いつも気さくに
甘い笑顔で誘ってくれるあなたに
なんだか胸のあたりがムズムズした。
この気持ちはなんだろう。。
もしかしてこれが…
と、いっても。
私の仕事はもちろん彼だけじゃない。
基本5~6本は同時進行するところが売れっ子作詞家。
その時はちょうど
もう一本ジャニタレさんとの仕事があった。
「はじめまして。
今回作詞を担当させていただきます。如月…」
【ちい。
知ってるよ!如月ちいちゃんでしょ?
よろしく!
…へえ、実際見るとやっぱり可愛いんだね(笑)】
彼の件もあり、
完全にジャニタレさんに対する警戒というか、
緊張が溶けてしまっていた私は、
不覚にも 相手の楽屋に二人きりになってしまった。
そうはいっても仕事は仕事。
大して深くも考えず、打ち合わせを進めていた。
その時はちょうど、
ちょっと大人な恋愛の歌のイメージを合わせてて、
打ち合わせがヒートアップし、
完全に 油断していたの。
ー…カチャー
えっ…?
「…あの、?鍵…」
【ああ、鍵?
や、別に深い意味はないよ!
ただ、
…邪魔が入ると、困るだろ…】
「…えっ、邪魔…?」
嫌な 予感はしてた。
(…ここにいちゃいけない。)
私の第六感がそう言った。
「すみませんっ 今日のところは…!きゃあっ(汗)」
【もったいぶってんじゃねえよ。
…どーせ、体で仕事とってんでしょ?
噂には聞いてたけど、顔もまぁまぁだしラッキー(妖笑)】
強い力、荒い息…
吐キ気ガ、スル。
「っいや!誰かっ…
渋谷さっ…(泣)」
『おいっ!ちい!
おるやろ!返事せえ!!』
…なんで?
「…渋谷さん…渋た、
す、すばるさん!!(泣)」
ーガターンッ!ー
『…おいっ、お前こら…っふざけんな!!(怒)』
【えっす、すばるくん?!(汗)
なんで…っ、
す、すみません!!!】
…よかった。
何がなんだかわからなくて
ただ、目の前に彼がいることに
なぜかほっとして、
せきを切ったように
私は涙が止まらなかった。
『っ!?
大丈夫かちいっ!
あいつにひどいことされたんか?!
ど、どっか痛いとかっ(汗』
「…ふっ(笑)」
『…ふ?
おまっ、なに笑てんねん!(汗)』
変なの。
すごく怖かったはずなのに、
彼がいる。
それだけで、笑えるくらい安心してる。
「ううん、なんだかほっとしちゃって(笑)
ありがとうございます。
でも、どうしてここが?」
『そんなんどーでもええやんけ!
まあ、何もされてないんならええけど…
てか、お前も悪いんやからな?
…もっと、自覚もてよ…頼むから、、(汗)』
「…え?」
『なんもないわっ、あほ!(照)』
変なの。
怒ってるのかな?
背中を向けてるけど、
見えてる耳が真っ赤だよ…?
『そや、お前いま時間ある?』
「えっはい、
さっきので仕事も終わりましたし…」
『よっしゃ!
ちょぉ付き合えよ!』
半ば強引に彼に連れられてきたのは
楽屋の一室。
扉横のネームプレートには
「関ジャニ………、ムゲンダイ?」
『エイトやあほ!
“∞”って書いて“エイト”!
〝関ジャニ∞〟!俺のおるグループ!
おっ前ほんまテレビ見やんのなっ(笑)』
彼はそう言うと、
クシャっと笑って私の頭を撫でた。
…まただ。
最近、彼の笑顔は心臓に悪い。
そんな私の気なんて知りもしない彼は、
意気揚々と楽屋の扉を開けて、
私を中へ促した。
ここから、私とみんなの物語は始まる。
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